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1995年よりカリフォルニア工科大学の B. Murray 教授の協力を受けて毎年夏開催されてきた本会議も第3回目となった。今年は8月4日から6日の3日間,火星,水星,小惑星探査に対して日米の科学者が相互に意見を交換し,将来の惑星探査を協力しながら進めようという目的で開催された。火星については,マーズパスファインダーが成功した後であったので,特別に3日目の午後はパスファインダーに関する特別セッションを設けた。米国からはジェット推進研究所(JPL)の副所長である C.Elachi,マースサーベイヤー'98のプ ロジェクト科学者の A. Albee (カリフォルニア工科大学),マーズパスファインダーのロ ーバーの設計主任の B. Wilcox (JPL),ディスカバリー計画で提案されている水星ミッシ ョン( Messenger )のプロジェクト科学者とプロジェクトマネージャである S. Solomon と A. Santo など計7人がいずれも超多忙のスケジュールをやりくりして,本会議に参加してく れ,とても有意義な会議となった。本会議のとりまとめ役をしていただいた B. Murray 教授,ならびに本会議の共催者となって頂いたジェット推進研究所,惑星協会に深く感謝したい。
(水谷 仁)
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一般相対論は光も重力によって進路が曲げらることを予言する。距離約120億光年にあるクエーサー,MG2016+112からの光は,この天体と地球の間にある未知の天体の重力によって曲げられ,3.4秒角離れた3つの像となって見えることが知られていた(重力レンズ効果)。しかし,可視光ではその位置には楕円銀河が一つ見えるだけで,この重力レンズ像を説明するには重力が不足する。服部(東北大学)らは,宇宙科学研究所のX線天文衛星「 あすか」とドイツのX線天文衛星「ROSAT」を用いたX線観測によって,この位置に銀河 団に相当する強い重力場に閉じ込められた高温ガスからのX線を発見した。つまり,可視光では見えない「暗黒銀河団」をX線で発見したのである。X線が約90億光年の距離から来ていることは,「あすか」の観測で確認された。90億光年の距離に相当する赤方偏移を示す鉄からの輝線スペクトルが観測されたのである(図及び写真参照)。90億年前に巨大な銀河団があり,そこに大量の鉄があること自体が宇宙の進化の考え方に影響を与える重要な発見であるが,さらにその大量の鉄を作った星はどこへいってしまったかなど、今後の発展が期待される謎に満ちた天体である。
(満田和久)
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国際天文学連合の第23回総会が8月18日から2週間にわたって京都国際会議場で開かれた。この会議は1922年にローマで開かれた以後,3年ごとに開かれるもので,我が国で開か れるのは今回が初めてである。20日には天皇,皇后陛下のご臨席のもとに開会式が行われた。京都で開かれたこともあって世界各国から予想をはるかに越える2000人以上の参加者が有った。特に参加者の7割近くが国外からであることも我が国で開かれる国際会議としては珍しいものであった。会期中には6つのシンポジウム,24のジョイントデスカッショ ンと3つの特別セッションが持たれ,連日,最新成果の報告と将来計画に関する議論が行われ,学問的にも充実した総会であった。議論の内容紹介はこの小文ではとても無理であるが,X線,電波観測など我が国の研究成果が数多く報告され,その他の分野においてもいくつもの重要な貢献が有り,また,意欲的な将来計画(すばる,IRIS, LMSI,ASTRO-E) を持つなど我が国の天文学研究の急成長ぶりが評価され,強い関心が寄せられていたのが印象的であった。
(奥田治之)
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