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アイソン彗星の太陽最接近時に太陽観測衛星「ひので」が撮影したX線太陽画像

太陽観測衛星「ひので」は、アイソン彗星(C/2012 S1)が太陽に最接近した際にX線太陽画像を撮影しました。

今回公開したX線太陽画像(図1)は、「ひので」に搭載されたX線望遠鏡(XRT)が、2013年11月29日3時45分(日本標準時、注1)頃に撮影したものです。撮影は、数十万度以上の温度に感度があるX線観測用フィルターを用いて行いました。画像の右側に写っている明るい光は太陽の南東の縁の上空に広がる低層コロナです。

彗星はX線望遠鏡の南側から視野内に入り北東方向に進んでいくと予測されていました(図2)。画像では下端中央付近から左上端にかけて写り込む可能性がありましたが、観測視野内を通過すると予測された時間帯(3時3分から4時20分)に撮影した画像には、彗星と思われる像は確認できませんでした (注2)。

なお、彗星が通過した位置は、太陽の縁から見かけ上約0.8太陽半径ほど離れていたため、観測視野が狭い可視光・磁場望遠鏡(SOT)では観測することはできません。

 

注1:世界時では2013年11月28日18時45分
注2:ラヴジョイ彗星(C/2011 W3)が2011年12月16日に太陽に接近した際には、可視光・磁場望遠鏡で彗星をとらえているほか、移動する彗星を非常に淡いながらもX線望遠鏡でもとらえることができています。

図1 太陽観測衛星「ひので」が2013年11月29日3時45分頃に撮影した画像。右側に低層コロナが写っている。画像内の黒い点はCCDの感度むらによるもの。

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図2 アイソン彗星が太陽に最接近した際の「ひので」の観測視野。

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2013年12月3日

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