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S-310-39実験班:アンドーヤ便り
2009年1月14日(現地時間,以下同様)からノルウェーのアンドーヤで、オーロラ現象と大気の運動の観測を予定しているS-310-39実験班より、現地レポートが届いています。
お知らせ(1月26日更新)
1月25日(日)25時15分(現地時間。日本時間では1月26日(月)9時15分)、観測ロケットS-310-39号機の打上げを実施しました。
ロケット及び搭載機器の状態はすべて正常、各サイトにおける地上観測の状態も良好です。機体は、計画どおりおよそ7分間に飛翔し、アンドーヤ北方海上に無事着水した模様です。
1月25日(日)
今日の風はかなり強く、オーロラも低調。
残されたタイムリミットはごく僅か。祈るような気持ちで好転を待ちました。
すると、23時過ぎ、風が穏やかになってきているではありませんか。オーロラの状況も睨みながら、カウントダウンを進めます。
24時45分、一気に状況が好転。途中、ショートホールドがありましたが、
25時15分、打上げに至りました。
飛翔も正常。地上観測もバッチリ。完璧なパフォーマンスに、思わず歓声があがりました。
1月24日(土)
今日もまた風とオーロラに翻弄され、延期になりました。
現地の人たちに訊いてみると、この時期こんな晴天が数日間も続くのはちょっと珍しいが、風のこんなに不安定な状態が続くのはもっと珍しい、と口々に言っています。相手が「自然」なので、本当に手の打ちようがない、というところです。
ところで、人類は半世紀以上もの間、オーロラ現象の科学的解明に挑み続けているのですが、実際のところ、まだまだ解らないことばかり。ちょっと手前味噌気味ですが、歴史的な論議展開に繋がるかもしれない今回の我々の挑戦には、実は、世界中のコミュニティーから強い期待がかけられているんです。
ロンチコントロール担当のKjellさんは、これまで携わってきた500回以上の打上げのうち、チャンスを逃してしまったのは、たった1回に過ぎない、と豪語します。
実験成功は我々の絶対使命。今は、彼の強運を信ずるしかないか。。
1月22日(木)〜23日(金)
穏やかでよい天候が続いています。
今日こそは、と思うのですが、ここ2日連続で肝心のオーロラが姿を見せてくれません。しかし幸運の女神は、必ず我々に微笑みかけてくれるはず。明日もう一度チャレンジです。
1月20日(火)
昨日から天気の方は比較的良いのですが、どうも風のいたずらが続いています。今日も24時過ぎまで待ってみましたが、一向に回復の見込みがなく、打上げは見合わせです。
この実験場は、海岸脇に位置していて、そのすぐ裏手には400m弱程度の丘のような山があります。今日の風は、この山側からのものだったのですが、屋外が一見穏やかそうに見えても、少し高いところは物凄い突風、のような状況でした。
明日は、風に加えて雪の予報もでているため、打上げは明後日に延期となりました。
このところ、厳しい条件の中で深夜までの作業が続いているため、目的を達成したいという強い精神力で体は動いていますが、さすがにメンバーの顔
にも、実験場で協力してくれているスタッフの方々の顔にも、かなり疲労の色が、、、。
明日は、少し有効に時間を使わさせて頂きたいと思います。
1月19日(月)
今日は太陽風が強まるので、現象観測的にはとても良い、とのことです。
15時00分、カウントダウンを開始しましたが、少し風の状態が不安定で、途中で何度もホールド。24時過ぎまで粘りましたが、またもや残念、延期です。もうこうなってくると、根比べですね。
※滞在中のベストショット。画像クリックで拡大します。
1月18日(日)
天気予報はなかなか的中しないようです。今日もすでに6時間以上カウントダウンをホールドしています。気象条件と観測条件がちょうど同じタイミングでそろってくれるのを、ひたすら待つことしかできません。
結局今日は、風の状態が悪く回復の見込みがないため延期です。
1月16日(金)
天気予報によると、今日は天候が崩れるとのこと。
しばらく様子見でしたが、天候回復の見込みはほとんどなく、本日の打上げは見合わせ。明日に延期です。
1月15日(木)
朝方はかなり吹雪いていましたが、昼頃には落ち着いてきました。
15時00分、カウントダウンを開始したのですが、観測サイトの天候があまり良くなく、今日は難しそうです。
21時頃まで粘りましたが、本日の打上げは延期となりました。
1月14日(水)
いよいよ打上げ予定日を迎えました。今日は風も弱く、時折小雪も舞っていますがまずまずの天候。
15時00分、カウントダウン入り(T-3h)。細かく設定されたチェック作業を段取りのとおり進めます。いまのところとても順調です。
16時30分、観測サイトの天気が悪化、一旦カウントダウンをホールド。天候回復を待ちます。
18時45分、結局、残念ながら天候回復の見込みがないことから、本日の打上げは断念、一日延期となりました。
1月13日(火)
小吹雪の中、ロケットをランチャーにセット。
息ぴったりの現地スタッフと綿密に手順確認しながら、カウントダウンのリハーサルを行いました。これで、いよいよ、光のカーテンが夜空に舞って
くれるのを待つばかりです。まさに、leave the rest to providence !
夜、ゲストハウス地下のランドリーで洗濯をしていたら、付近の磁場の動きがにわかに活発化しているとの情報が入りました。あわてて外に飛び
出てみると、既にたくさんのメンバーが空に目を凝らしていました。残念ながら私の目で捉えることはできませんでしたが、ほんの数分前まで幻想的なオーロラが淡くグリーンに輝いていたそうです。
明日の打上げ本番にぐっと期待が高まり、なんだかドキドキしてきました。
1月10日(土)
今日は、30m/秒くらいの物凄い突風と落雷という荒天でした。私たちの準備作業は打上げ当日に向け着々と進んでいるのですが、唯一の心配は、やはりこの天候。今回のミッションでは、極地方の夜空を彩るオーロラ現象のなぞ解きに挑むのですが、やはり自然が相手。実は現地入りしてからまだ一度もオーロラが現れません。絶好のタイミングがいつ訪れてくれるんだろうか、みんなそわそわし始めました。 明日は作業なか日で、一日だけお休み。ひとまず、ちょっと手を休めて、リフレッシュしよっと。
1月9日(金)
外は厚そうな雲がたちこめていますが、雪も風も少しお休み、寒さもちょっとだけ和らいでいます。今日は、TMA充填やイグニッション組付けといった作業メニューです。みんな平気な顔ですが、実はとても危険なのです。このTMAで協力してくれるのは米国サウスカロライナ州の大学の人たち。良く訓練されていると見えて手付きも鮮やか。ジョーク好きな彼らは、ビリヤードの方もかなりの腕前でした。
1月8日(木)
毎朝、作業を始める前にみんなで打ち合わせをしています。お互いに進捗状況を確かめ合いながら、些細なところも見逃さずしっかりチェックです。チームワークは抜群、このメンバーならどんなことでも出来てしまいそう。
しかし、天候の方は相変わらず。今日は猛吹雪で、体感気温は-10℃?!これにはみんな閉口しています。そういえば、アンドーヤ入りしてから、太陽が一度も顔を出してくれません。あたりはずっと薄暗く、日中でも夜みたいです。
1月7日(水)
午後、3名の後発組が現地入りしました。長旅の疲れも感じさせず、早速腕まくりしているように見えました。これで総勢25名、全員集合です。
今のところ準備作業の方はいたって順調なのですが、一昨日から天候が今ひとつ。時折、小吹雪状態となり、視界がとても悪く、とにかく寒い。屋外作業はみんな慎重。ちょっと気を抜くと尻餅です。この時期のアンドーヤは、いつもこんな感じだそうです。
1月6日(火)
今日は午後に日本から地上観測関係者4名、夜にアメリカからTMA(トリメチルアルミニウム放出器)関係者5名が新たにアンデネスに到着し、これで総勢22名となります。
作業の方は機材の開梱、GSEセットアップ、ロケット頭胴部の開梱と各班が順調に進めています。午後には、ロケットレンジの人々を交えての初めての打ち合わせ(自己紹介が中心)を和やかな雰囲気の中で行っています。
作業が早めに終わったために夕食までの時間を利用してアンデネスの町に買い物に出かけた人もいたようで、食卓に初めてビールが登場しました。
天候は相変わらずの雪、それも時折強い風を伴う吹雪模様の一日でした。
1月5日(月)
実験班の第一陣13名は、成田からコペンハーゲン、オスロ、ボードと乗り継いで2日がかりで全員無事アンドーヤロケットレンジに到着しました。
到着が14時前でしたが早速遅めのランチをとった後、宿舎に各自がチェックイン、やっと重い荷物の面倒から解放されホッとひと息。まだ昼過ぎなのに暗いなあと、緯度の高さを実感した感想もあちらこちらで聞かれます。
その後は輸送していた実験機材の到着を確認し、今後作業を行う建物への移動の手配を行いました。
雪が散って、風が少々強めの冬のアンドーヤらしい天候でありました。
1月13日更新
朝会のようす
観測装置のチェック
阿部実験主任
夜のアンドーヤ実験場
S-310-39号機
作業のひとこま
Alomar観測所からのアンドーヤ実験場の眺め
2009年1月27日更新