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NeXTがNASA SMEX MOOに選出

NASAの、“小規模から中規模の宇宙科学計画を推進するためのプログラムSMEX”の中で、特に、海外の計画に対してアメリカの研究グループが参加することへの支援に、JAXAが推進している、“次期X線国際天文衛星「NeXT」へのアメリカのチームの参加”が選ばれました。

NASAの記者発表の抄訳

NASA 本部 Dwayne Brown 氏よりのニュースリリース 2008年6月20日
NASAエクスポーラープログラム(SMEX)における協同ミッション(MOO)候補の選定結果について

ワシントン発:
NASAはこのたび、規模が比較的小さい宇宙科学の衛星計画を迅速に進めるために遂行しているエクスプローラー計画(SMEX計画)の中で、特に海外で行われるミッションに対して、アメリカの研究者が貢献する、協同ミッション(Mission of Opportunity)の候補を公募し、ブラックホールなど宇宙の極限物理を探る「NeXT-SXS」計画と、太陽風などの力が地球大気に与える影響を探る「GOLD」計画を選定しました。

一つ目の計画は、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2013年に打ち上げを予定している次期X線国際天文衛星NeXT衛星に、検出器を提供するものです。この衛星は、X線天体観測の新たな地平を開くもので、様々な天体現象を探ります。NASAは、この計画のために、検出器開発と観測活動の支援経費として、4400万ドルを拠出します。

もう一つの計画は、商業衛星に地球大気の観測装置システムを搭載するものです。本計画には当面25万ドルを拠出し、概念設計を進めることとしました。今後の計画推進は、その検討結果を見てから決められる予定です。

「これらは、費用対効果に優れたユニークな計画です。国際協力および民間企業との協力を通じて、NASAの科学研究をさらにを押し進めてくれるでしょう」
とは、ワシントンのNASA科学ミッション局(NASA's Science Mission Directorate)副局長補(deputy associate administrator)の Charles Gay 氏のコメントです。

2つの計画は、今年はじめに提出された17の提案の中から、外部の専門家による科学的な評価にもとづいて厳正に選ばれました。以下にそれぞれの計画を簡単に紹介します。

1:NeXT 衛星用の高分解能の軟X線分光器(Soft X-Ray Spectrometer: SXS)計画:責任者:Richard L. Kelley 氏、ゴダード宇宙センター、メリーランド州グリーンベルト。
日本が進めているNeXT衛星の軟X線分光器(SXS)は、X線を用い、ブラックホールなどの宇宙の極限環境を観測する装置です。また、宇宙大規模構造におけるダークマターの特性や、銀河やその集団が宇宙の歴史の中でどのように形成され、進化してきたかをも探ります。

2:地球大気およびその周辺の全球的探査(Global-scale Observations of the Limb and Disk : GOLD)計画:責任者:Richard Eastes 氏、Central Florida 大学、フロリダ州オーランド。
GOLD計画は、地球の電離層の温度や構成物質をより詳細に知り、熱圏(大気圏上層部)と電離層が太陽風など外部からの力に対してどのように反応しているのかを理解することを目的としています。

エクスプローラープログラムはNASAのゴダード宇宙センターが進めているもので、小型から中型の衛星などを用い、高い頻度、かつ比較的小さな予算の中で、ミッションを実現し、太陽系探査物理と天体物理とを発展させることを目的としています。
詳細については、新しいウィンドウが開きます こちらのウェブページをご覧ください。

2008年6月23日

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