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「かぐや」のガンマ線分光計(GRS)の観測データ異常について

「かぐや(SELENE)」のガンマ線分光計(GRS)の観測データにおいて、研究者チームにおいて詳細解析を行った結果、2008年2月21日以降の観測データを用いた元素組成の決定ができないことが、3月27日に判明しました。このため、同日、GRSの運用を停止し、初期の原因の切り分け作業を4月6日まで実施した結果、GRSの検出器側に問題があることが判明しました。
2月21日以降の観測データの詳細分析をさらに進めることなどにより当該異常の原因調査を進めております。

なお、2月21日以前の観測データは正常に取得され、既にウラン、トリウム、カリウムがこれまでよりも高い元素同定能力にて全球で導出できており、他の元素も今後引き続き解析を行います。また、衛星はGRSを除き、観測運用を継続しています。

参考

ガンマ線分光計(GRS)

ガンマ線分光計(GRS)は検出器に高純度ゲルマニウム結晶(250cm3)を用い、スターリング冷凍機によって絶対温度90度以下に冷却することで、0.2〜12メガ電子ボルトの広いエネルギー域を観測し、元素(ウラン、トリウム、カリウムなど)分布を調べます。月全球のガンマ線探査はルナープロスペクタですでに実施されましたが、GRSの優れたエネルギー分解能によって、元素組成の同定能力が飛躍的に向上します。

2008年4月10日

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