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「かぐや(SELENE)」の地形カメラによる立体視動画を公開

JAXAは「かぐや」搭載の地形カメラによる2007年11月3日の観測データを用いて、前方視、後方視のステレオペアによる立体視動画を作成し公開しました。 月の極域を含む地域の10mの空間分解能での立体視動画を作成し、公開するのは世界で初めてのことです。
あわせて、地形カメラの立体視画像からのアナグリフ画像(※1)および動画の作成を実施しました。

※1 アナグリフ画像とは、赤青メガネを利用することで鑑賞できる立体画像のことです。

新しいウィンドウが開きます 地形カメラ(TC)について(「かぐや」プロジェクトサイト)

動画(解像度:480×270ピクセル)

新しいウィンドウが開きます 地形カメラによるDYSONクレータ付近の立体視動画
新しいウィンドウが開きます 地形カメラによるDYSONクレータ付近のアナグリフ動画
新しいウィンドウが開きます 地形カメラによる南極付近の立体視動画

地形カメラ(TC)

地形カメラ(TC)は、月の表面が昼間となるタイミングにて、衛星の真下に対してやや斜め前方・後方を撮影する2台の可視のステレオペアのカメラで、世界で初めて10mという非常に高い分解能による月全球の立体視観測を行います。

地形カメラの高解像度での立体視画像は、月に特徴的な地形がどのようにできたのかをあきらかにする重要なデータとなります。また、クレータの分布の詳細な調査によって、月面の様々な地域がいつできたのかを、これまで以上の確かさをもって推定できるようになり、月がどのように生まれ、その後、月の内部やその表面がどのように変化してきたかをより詳しく調べることができるようになります。さらに、地形カメラのデータは、地形や日照条件など将来の月面拠点の設置をはじめ、月面上での有人活動の検討へ利用されることが期待されます。

TC

[画像クリックでそれぞれの拡大画像]
図1 地形カメラによる立体視動画から切り出した静止画(メッシュの間隔は1km)

[画像クリックでそれぞれの拡大画像]
図2 アナグリフ画像(動画から切り出したもの。図1と同じ観測データから作成したもの)

図3 図1、2の観測場所

(参考)立体視の原理

人間は2つの目を使って、ものを右からと左から見た絵を作り、頭の中で合成し一つの絵(=立体視画像)として理解します。「かぐや」の地形カメラでは、斜め前方を見る目(TCの1つのカメラ)と斜め後方を見る目(TCのもう1つのカメラ)を利用したステレオペアによる立体視画像を作ります。

出典:IPA「教育用画像素材集サイト」新しいウィンドウが開きます http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/

2007年11月28日

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