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「かぐや」LMAGマスト、LRSアンテナなどを展開

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、月周回衛星「かぐや(SELENE)」の観測開始に向けたミッション機器の展開・伸展を、10月28日から10月31日(日本時間)にかけて以下のとおり行いました。現在、衛星の状態は正常です。

  • 月磁場観測装置(LMAG)
    月の磁場を観測する装置。磁場を観測するセンサ(磁力計)を先端に取り付けているマストを約12mまで伸ばし、観測の準備を行いました(図2参照)。
  • 月レーダサウンダー(LRS)
    レーダ電波を用いて、月表面および地下から反射されてくる電波を観測し、地下約5kmまでの地層構造を探査する装置です。また、地球の人工電波に邪魔されない月の裏側で、惑星から来る電波の観測も行います。衛星内に収納されていた4本のダイポールアンテナを各々約15mまで伸ばし、観測の準備を行いました(図3参照)。
  • プラズマイメージャ(UPI)
    月の軌道から可視と極端紫外線の2種類の望遠鏡で地球の大気光やオーロラを観測する装置。望遠鏡は地球を自動追尾する機構に取り付けられ、衛星壁面に固定されていましたが、これを展開し、観測の準備を行いました(図4参照)。

図1 「かぐや」概念図

図1 「かぐや」概念図

図2 LMAGマスト伸展画像 [画像クリックで拡大画像]
LMAGマスト伸展完了後に、「おきな」「おうな」分離確認用モニターカメラ(図1中<1>)で撮影したものです。打上げ時にはマストは約60cmまで縮められており、今回12mmのマストを全て伸ばしました。磁場を測定するセンサ(磁力計)はマストの先端に取り付けられています。

図3 LRSアンテナ伸展画像 [画像クリックで拡大画像]
LRSアンテナは15mの4本のアンテナから構成されており、図3はそのうちの1本のアンテナ伸展を「おきな」「おうな」分離確認用カメラ(図1中<1>)で撮影したものです。

図4-1 UPI展開画像(UPI展開前) [画像クリックで拡大画像]
手前の装置がUPIです。

図4-2 UPI展開画像(UPI展開後) [画像クリックで拡大画像]
UPIは展開して手前の機器の陰にあります。


UPIは、地球を自動追尾する機構に取り付けられた可視と極端紫外線の2つの望遠鏡により、地球のオーロラなどを観測します(図1中<2>のカメラで撮影)。

2007年10月31日

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