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トピックス

S-310ロケット36号機、1月18日に打上げ予定

1.ロケットの概要

(1)ロケット名  : S−310−36
(2)ロケット全長 : 7.8m
(3)ロケット全重量: 0.8t
(4)搭載機器重量 : 77.1kg
(5)到達高度   : 130km
(6)水平距離   : 170km
(7)実験目的   : 宇宙空間におけるアレイアンテナの構成実験

2.実験実施責任者

  宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部長 井上 一

3.実験主任

  宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部 助教授 樋口 健

4.実験場所

  宇宙航空研究開発機構 内之浦宇宙空間観測所

5.実験予定日

  平成18年1月18日(水)13時00分
  (実験を延期する場合の期間は、1月19日〜2月28日)

6.実験観測の内容

  『宇宙空間におけるアレイアンテナの構成実験』

(1)研究の目的

 将来の大型宇宙構造物の一つの形態として、膜や網の端に小型衛星を取り付け、その小型衛星の推進力を利用して膜や網を広げる方式が研究されている(付図a)。この方式の長所は、打上げ時には小さく畳んでおき打上げ後に宇宙で空間大面積を獲得できること、軽量であることなどである。超大型の太陽電池やアレイアンテナの構成方法などへこの概念が利用できる。今回の実験は、この方式による大型宇宙構造物構築法の宇宙実証実験であり、また、アレイアンテナの宇宙空間における基礎実験である。

付図a 膜面展開衛星の将来概念
(今回の観測ロケット実験では、子機は3台であり、親機を中心にした三角形の網となる。)

(2)実験方法

  • ロケットから切り離された親機を中心とした網面構造を展開する(付図b,c)。
  • 網の3端点には超小型の子機が取り付けられており、親機から半径方向に放出された3台の子機が網を引いて張る。
  • 展開時の網と子機の挙動を観測する。
  • 中心にある親機1台と網端点にある子機3台に取り付けたアンテナ群を1つのアンテナとして合成すること(アクティブ・フェイズド・アレイ・アンテナ)により、送電実験をする(付図d)。
  • 実験データは地上に送信される。実験機器は回収しない。実験機器の構成を付図eに示す。

付図b
搭載実験装置部のロケットからの分離

付図c
子機の分離と網の展開

付図d アレイアンテナ実験の概要

搭載する実験機器は以下のとおりである。

搭載実験装置 担 当
親機 東京大学
子機
ホイール
アクティブ・フェイズド・アレイ・アンテナ 神戸大学
網上移動実験装置

付図e 頭胴部概要

2005年12月27日

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