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はやぶさ、イトカワの「衝」観測 に成功!

 満月は半月の何倍明るいか? こう尋ねられたら、大概の人は「倍」と答えるのではないでしょうか。
たしかに、太陽からの光を受けて輝いている面積を比べると、満月は半月の倍です。しかし、実際には満月は半月よりも4倍以上も明るいのです。これは一体なぜでしょうか?
 太陽と天体を結ぶ線が、その天体と観測者を結ぶ線と成す角を「位相角」と呼びます。
つまり、半月の時は位相角が90度、満月の時はほぼ0度になります。月のような、大気を持たない太陽系天体のほとんどが「位相角が0度に近付くにつれて、急激に明るくなる」という性質をもっていることが知られています。この性質は一般に「衝効果」と呼ばれています。
 イトカワにも、やはりこうした「衝効果」が見られるのでしょうか?下の画像は、どちらも「はやぶさ」が取得したイトカワの画像です。左は位相角が 35度、右では 1 度以下になった時に取得されました。はやぶさのカメラチームは、こうした画像からイトカワにも「衝効果」が存在することを確認しました。より詳細な解析からは、イトカワ表面の物質の組成や、岩と砂の区別などの様々な情報が得られることが期待されています。
 「衝効果」の観測は偶然ではなく、綿密な計画の下で行われました。位相角が0度になるということは、太陽-はやぶさ-イトカワが一直線上に並ぶということです。この時のはやぶさの位置の誤差は、イトカワの大きさよりも小さくなくてはなりません。はやぶさ航法チームは、地球から3億km離れたところを飛行している探査機を、数百メートルの精度で誘導するという離れ技を実現したのです。

2005年10月27日

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