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ISASメールマガジン 第509号
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ISASメールマガジン 第509号 【 発行日− 14.06.24 】
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★こんにちは、またまた今回も編集を担当している阪本です。
とはいってももちろん私だけで編集しているわけではなく、締め切りに
間に合うように原稿を届けてくれる執筆者の皆さんはもちろん、内容についてのクロスチェックも分担していますし、黒子として手を貸してくださる先輩にも助けられています。
今週は、宇宙飛翔工学研究系の石村康生(いしむら・こうせい)さんです。
── INDEX──────────────────────────────
★01:もの と もの をつなぐのは構造。人 と 人 をつなぐのは?
☆02:2014年度第一次観測ロケット実験の実施について
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★01:もの と もの をつなぐのは構造。人 と 人 をつなぐのは?
昨日、6歳になる娘が、「これ読める?」と聞いて本を見せてきた。ちらりと横目で見て「うん読める」と答えて、別の仕事をしようとすると、
途端に不機嫌になってしまった。
よくよく話を聞いてみると、どうやら本を読んでもらいたかったらしい。
このような日常生活の一コマに限らず、会話の食い違いはいろんな場面で見受けられる。
話し手は伝えたいことがあり、聞き手は聞きたいことがあり、それをつなぐために言葉がある。伝えたいことと聞きたいことがうまく合致し、適切な言葉が紡がれた時、会話はうまく進むのだが、これがなかなか難しい。
伝えたいことや聞きたいことが何であるか、会話の前に明らかになっていることは多くはない。その結果、長時間に渡る説明を受けたにもかかわ
らず、聞きたかったことが聞けなかったりする。
もっと踏み込むと、何かを伝えること、何かを聞くことは、実は背景に
ある大きな目的のための一つの行為である。
冒頭の例であれば、娘は、ある文字を読めるかどうかを聞きたかったのではなく、本を読んでもらうということが目的だったのだ。もちろん、
日々のささいな会話の前に、背景の目的をいちいち明らかにする必要はないし、そんなことを言い出したものならば、煙たがられることは火を見る
より明らかである。
しかし、何かの説明であったり、報告であったりするときは、上記の点
に気をつけるべきである。
例えば、ある種の試験結果の説明は、結果を報告する行為そのものが目
的ではなく、その試験が試験目的と照らしあわせて成功しているかの判断
をしたり、次の段階へ進んで良いという合意を得ることが目的だったりす
る。
その場合に重要なのは、
試験目的に合致した試験であったか? や
試験方法は適切であったか? や
結果が信頼でき、判断に足るものであるか?
といったことであろう。
話し手は、こういった会話の背景にある目的を意識しつつ、
「自分が伝えるべきことは何か?」、
「それを伝えることで聞き手が結果として何を得るか?」
といったことを、よく考えて話をする必要がある。
一方で、聞き手は、
「何を聞きたいか?」
を話し手に伝えることで、会話を効果的に進めることが可能となる。もちろん、聞き手が事前に予測していない情報を話し手から得られることもあ
るので、話を狭めすぎることは避けるべきである。つまるところ重要なのは、背景にある会話の目的を話し手と聞き手で共有することなのだろう。
こういったことは会話に限らない。仕事全般において、その仕事の目的を共有し、よく考えて行動することで、いろんなことが円滑に流れる。ただ、この“よく”考えるが難物で、本当に“能く”やらないと、「何とかの考え休むに似たり」となってしまう。我が身を振り返ると、なかなかこれが実践できない。
とはいえ、いろんな もの と もの をつなぐ構造の開発研究をやっている身としては、 人 と 人 もつないで円滑な仕事ができるよう、頑張りたいとは思っている。そんな7年目の構造屋の戯言です。
付記1:以前、構造屋2年目に「表現すること、伝えること」といったタイトルでこのメールマガジンに投稿しました。今回もまた同じようなことを、しかもこれは小論文か!って感じの文章を書いてしまって、成長がないなあと反省しています。
ISASメールマガジン239号
⇒http://www.isas.jaxa.jp/j/mailmaga/backnumber/2009/back239.shtml
付記2:言うまでもないことかもしれませんが、愚痴の聞き手になった時
に、上記のようなことを考えて顔に出したりしてはいけません。愚痴はしゃべることが目的なのです。最近これに気付いたのですが、いろいろ遅
かったです。
(石村康生、いしむら・こうせい)
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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※