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ISASメールマガジン 第467号
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ISASメールマガジン 第467号 【 発行日− 13.09.03 】
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★こんにちは、山本です。
9月になりました。
台風17号の影響で前線が停滞して、西日本では大雨による災害に注意が必要です。
イプシロンの打上げ時期がいつになるのか、心配です。
8月30日に行われた、27日のイプシロンロケット試験機打上げ中止の経緯と現時点で判明している原因について記者会見で、森田プロジェクトマネージャーは 以下のように話しています。(新聞記事で読みました。)
「人間の思い至らない部分を機械が発見して止めるのが基本精神で、その点は機能した。
今回のように自動で監視を行い打ち上げるのはイプシロンの生命線の一つ、最大の開発要素だが、監視を常に厳しめにやるという思想を徹底していたため不具合に至った。
こういったことをしっかり乗り越えていかない限り、新しい取り組みは実現できない。」
今週は、きみっしょん事務局長の田中香次(たなか・こうじ)さんです。
── INDEX──────────────────────────────
★01:「第12回君が作る宇宙ミッション」当日の様子
☆02:イプシロンロケット試験機 打上日再設定の見通しについて
☆03:宇宙学校・ほうふ【防府市青少年科学館】9月21日(土)
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★01:「第12回君が作る宇宙ミッション」当日の様子
こんにちは!
君が作る宇宙ミッション(通称:きみっしょん)事務局長の田中です。
5月14日付けのメルマガで紹介させて頂いた「きみっしょん」が8月5日から8月9日の期間で開催されました。今回は、皆さんにその様子をお伝え
したいと思います。
「きみっしょん」とは全国から作文選考によって選ばれた高校生が宇宙研に5日間泊まりこみ、4つの班に分かれて、宇宙研で研究をしている大学院生スタッフの支援のもと、高校生自ら宇宙ミッションを立案するという教育プログラムです。
これまでの「きみっしょん」では、初日に高校生一人一人が考えてきた宇宙ミッションをグループ内で発表し合い、それを元にグループのミッションを1つに決定し、議論・検討する流れでしたが、今年の「きみっしょん」では新たな試みとして、高校生の思考を狭めない程度の大きなテーマを各グループに与え、そのテーマに沿ってアイディアを出してもらい、グループ全員で1つの新たな宇宙ミッションを立案・検討する、という流れでミッション作りを進めました。
各グループのテーマはこちら↓
SELENE班:宇宙でより良い生活をする
MUSES班:宇宙を利用して地球での生活をより良くする
PLANET班:宇宙で探査・観測
ASTRO班:宇宙でビジネス
「きみっしょん」当日の高校生の様子はというと、初日〜2日目は、不安と緊張から高校生同士のコミュニケーションにぎこちない面が見られました。しかしながら、3、4日目になると、うまく議論に入れていない高校生に対して他の高校生がサポートする等、グループ内で良い雰囲気ができ、最終的にはチームとしてまとまりができていたように感じました。
他人に自分の意見を伝える難しさや、チームワークの大切さを実感できた高校生も多かったのではと思います。
各グループの高校生が約4日間で作り上げたミッションの内容は以下の通りです。
・SELENE班:「低軌道小型デブリ回収衛星」
(軌道高度800km、サイズ1〜10cmのデブリを回収する宇宙機の開発)
・MUSES班:「衛星通信・観測用軌道上巨大アンテナ作成」
(無重力空間を利用して巨大アンテナを製造する)
・PLANET班:「PRanet-ES〜複数ローバーによるサンプルリターン〜」
(一度に様々な場所、様々な種類のサンプルリターンを可能とするシステム)
・ASTRO班:「目指せ!三ツ星SPACEごはん」
(宇宙でおいしい料理を作る!特に炒め物を作る技術について)
これらのミッション内容を、4日目の夕方に本館2階の大会議場にて多くの宇宙研の先生や学生、JAXA職員の方々の前で発表しました。
Ustreamにて発表の様子をリアルタイムで配信していたので、ご覧になった人もいるかもしれませんね!
どの班の高校生も、物怖じせずに堂々と発表している姿を見ることができ、相当頭を使って自分たちで作り上げたミッションだぞ!という自信と達成感にあふれる最終発表会となったのではないでしょうか。
とはいうものの、たった4日間のミッション作りでは、検討できていない部分も多く、質問に答えられないことも多々ありました。(本当はもっと長い時間ミッションを考えさせてあげたいのですが・・・泣)
発表後の高校生からは、
「自分たちで考えたミッションをもっと検討していきたい!」
「宇宙好きな仲間が出来て嬉しい!」
「将来、○○さんの部下になりたい!」(○○は指導したスタッフ名)
といった嬉しい言葉を聞くことができました。
きみっしょんスタッフとしては、参加した高校生からこのような言葉を聞けた時が、これまでやっていて一番良かったなと実感する瞬間なのです。
「きみっしょん」期間中は常にミッション作りをしているだけではなく、他にも様々な企画が用意されています。
その中でも印象的だったのが、宇宙研の先生による「特別講演」の際に、講演者である曽根理嗣先生が、
「正直に言うと、宇宙関係の研究者になるのは相当厳しいぞ!」
とおっしゃった時に、高校生の表情が変わった瞬間です。
宇宙研の先生だからこそ、説得力のある言葉ですよね。高校生がこの言葉を聞いて、自分の今後の将来を見つめ直す良いきっかけになってくれればと思います。
今年度の「きみっしょん」は終わりましたが、高校生の感想にもあったように、ミッションについてもっと検討したいという高校生は、来年の春に行われる日本天文学会のジュニアセッションという大舞台での発表にむけて、既に準備を進めています。
さらに検討を加えたミッションがどのような内容になるのか、今から楽しみです。私を含め何人かのスタッフは、発表を聞きに足を運ぼうと思っています。
私達きみっしょんスタッフは、まもなく来年度の「きみっしょん」のための活動を始めます。宇宙研の大学院生が主体となり、自らの研究の傍ら、約1年がかりで議論・検討を重ね、運営計画を考え、準備を行っている「きみっしょん」。来年は今年の反省を踏まえてより良い「きみっしょん」にしたいと思っていますので、是非これからも「きみっしょん」を応援して下さい。
今年度の「きみっしょん」の様子は下記のブログよりご覧になれます。
ブログ等を見て興味を持った高校生の皆様、来年度以降の「きみっしょん」にご応募お待ちしております。
(田中香次、たなか・こうじ)
【きみっしょんホームページ】
⇒ http://www.isas.jaxa.jp/kimission/
【きみっしょん2013ブログ】
⇒ http://kimission2013.blogspot.jp/
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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※