宇宙航空研究開発機構 サイトマップ

TOP > レポート&コラム > ISASコラム > イプシロンロケット 打上げへのカウントダウン > 第2回

ISASコラム

(第2回:ISASニュース 2013年4月 No.385掲載)

新たな50年の第一歩―活気にあふれるM台地

内之浦宇宙空間観測所(USC)では、新たな50年の第一歩となる2013年夏のイプシロンロケット打上げへ向けて、現在さまざまな工事が行われています。本連載の第1回目で小野哲也さんが紹介をしていたM型ロケット発射装置の改修をはじめ、射場内の各種回線の整備や台車の改修などを実施しており、これらに災害復旧のようなイプシロン関連以外の工事も含めると、3月中旬時点で30近い工事が同時進行しています。

USCでは、これらの工事を円滑に進めるために、昨年10月から毎週金曜日に工事関係者を集めた「週礼」を実施しています。各種工事の工程表など週礼に使用する資料は、当初15枚程度であったものが、年が明けてから一気に工事件数が増え40枚を超える週も出てきました。週礼は、各社の進捗状況や工事間の干渉の有無などを確認し調整をする場になっています。作業に絡んだ立ち入り規制やら、衛星運用期間の作業回避やらで、当初のスケジュールで工事を進められない業者さんもあるなど、いろいろな課題は出てくるものですが、各社さんのご協力もあり、大きな問題はなくここまでの作業を進めています。

これらの工事も2013年度末で多くのものが終了し、製作・整備・改修といった段階から、他設備とのインターフェースを含めた機能確認を実施していく段階に入ります。これらの確認を実施し、設備の状況が整えば、いよいよロケット・衛星をUSCに迎えての作業です。

M-Vロケット7号機以来、およそ7年ぶりのM台地でのロケット関連作業となります。7年という長いロケット不在期間 のためか、私はこれまで、数ヶ月後に迫った機体の搬入/射場作業というものをあまり実感することができていませんでした。しかしながら、各種の工事によりM台地には活気があふれ、その進捗とともに「さぁ、イプシロンが来るぞ」という雰囲気が出来上がりつつあります。私自身も「もうすぐなんだな」と、なんだかソワソワしてきました。(荒川 聡)

改修も大詰めを迎えたM型ロケット発射装置