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Category: Columns_jp
Posted by: HayabusaLive
皆様GWを満喫しておられる頃でしょうか?渋滞にはまってしまったドライバーの皆さん、本当にお疲れ様でした。
ところでJAXA相模原キャンパスは連休中でも見学が可能です。見学に関する情報をお届けします。

○展示物情報
・JAXA相模原キャンパスは、全国の研究施設でも珍しい「セキュリティエリア内にある展示施設」です。本物のロケット(一部のみ模型)や実際の開発試験に使用した様々な模型が間近でご覧になれます。
「はやぶさ」実物大モデルだけじゃありませんよ!

また研究者も通常通り出入りしていますので、ある意味、旭山動物園よろしく研究員の生態の「行動展示」となっております。疲れた研究者を見かけたら「頑張れ」って言ってください。
参考http://www.isas.jaxa.jp/j/mailmaga/backnumber/2008/back201.shtml

(NEW!!)金星探査機「あかつき」に搭載されたメッセージプレートのフライトモデル同等品を本日(5/1)から展示室に飾ります。全89枚のうちの72枚を見ることができます。

・M-Vロケット(本物、一部代替部品アリ)、M-3S-IIロケット(実物大)
宇宙研近代の衛星や探査機を打ち上げた、いわば時代を作ったロケット達が原寸大でご覧になれます。
特にM-Vは燃焼試験で使った実物(!)なので、風向きさえよければまだ2段目のノズル付近から燃えた推薬の臭いがします。

・各種衛星やロケット、気球の模型を多数展示
ディスプレイ用に作られた綺麗な模型もありますが、多くは実際の試験で用いられた現物を展示しています。
一際目立つ「はやぶさ」の探査機本体部分も実は熱構造試験モデルです。

・始まりのロケット「ペンシル」:原寸大のレプリカを展示してあります。世界でも希有な「兵器の遺伝子を持たないロケット」を間近でご覧下さい。


○施設情報
・見学は無料です。見学可能時間は通常通り、9:45〜17:30です。守衛所で受け付けしてご入場ください(氏名と住所を記入するのみです)。

・トイレは所内にあります(エレベーターホール横)。多目的トイレもありますが、おむつ替えスペースや授乳スペースがありません。ご容赦ください。

・見学可能エリア外は立ち入り禁止となっております。立ち入り禁止エリアについては守衛所で説明がありますし、その場に立て看板も置いてあります。ご協力をお願い致します。

・所内は禁煙です。またペットの持ち込みもご遠慮頂いております。ご了承ください。

・GW期間中、食堂・購買部は営業しておりません。自動販売機が所内と購買部の横に設置してありますが、食べ物は数に限りがありますので、近隣のレストランなどをご利用ください。
国道16号線沿いに多数ございます。宇宙研から16号までは徒歩で数分です。
所内での飲食の際は、施設内の休憩室か食堂前のベンチをご利用ください。

・無料の駐車場は若干用意しておりますが、数に限りがありますので満車の際はご容赦ください。

・近隣に相模原市立博物館(常設展やプラネタリウム※)や淵野辺公園(相模原球場、銀河アリーナ)がございます。併せてご利用ください。
※GWはプラネタリウムで子供向けプログラムを上映。「HAYABUSA back to the earth」は残念ながら上映しておりません(GW以外であれば7/16まで上映するようです)。http://www.remus.dti.ne.jp/~sagami/kodomoweek.htm
※新しい「はやぶさ」の番組『リターン!はやぶさ2』 は5月7日から7月16日上映予定のようです。

・所内には説明員がおりません。ご容赦ください。代わりに説明パネルやとても分かりやすい「ISASニュース」の記事などが置いてあります。
宇宙研の先生方が書いた味のある解説記事の数々を是非ご覧下さい。

・アクセスなどの情報はこちらをご覧下さい。http://www.isas.jaxa.jp/j/inspection/index.shtml

知るともっと楽しくなる!皆様のご来場を心よりお待ちしております。
(IES兄)
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Posted by: HayabusaLive
日本時間4月20日午後10時08分、山崎直子宇宙飛行士を乗せたスペースシャトル・ディスカバリーがケネディ宇宙センターに無事着陸しました。ネット上の中継でその様子を見守った方も多いことでしょう。シャトルは今年退役が決まっていますので、シャトルへの日本人搭乗はこれが最後。一つの時代の終わりを感じますね。

シャトルでも「はやぶさ」でも、宇宙から地上への帰還はきわめて難しい作業です.特に厄介なのが、宇宙機が大気圏に再突入(*1)するときの大気の壁です。秒速8~10km以上にもなる高速で宇宙機が大気圏に突っ込むと、大気は急激に圧縮されて温度が上昇します(*2)。つまり「大気の壁」は「熱の壁」でもあるわけです。大気圏に再突入したシャトルのノーズコーン (先端部) や翼のエッジは、千数百度の高温にさらされます。
Shuttle
下のリンクは、再突入するシャトル・エンデバーを2月に野口宇宙飛行士が国際宇宙ステーション (ISS) から撮影した写真ですが、機体の周囲の大気が高温で明るく輝いています。
http://twitpic.com/14of2q


「はやぶさ」のカプセルの再突入は、実はシャトルよりもさらにずっと過酷です。カプセルは秒速12kmという超高速で惑星間空間から直接大気圏に突っ込むため、カプセルがぶつかる大気はなんと1~2万度という高温になります(*3)。カプセル表面も、最高摂氏3,000度にも達します。空力加熱率 (単位面積あたりに入る熱エネルギー) はシャトルのノーズコーンの30倍という厳しい条件です。これは電気ストーブ15,000台分相当の熱を一気に受けるのと同等です。


このような過酷な加熱からカプセルの中のサンプルを守るには、シャトルに使われているような耐熱タイルではもはや間に合いません。そこで「はやぶさ」のカプセルの表面には、アブレータと呼ばれる特殊な耐熱材料が使われています。アブレータは炭素繊維で強化されたプラスチックで、高温下では熱分解してしまいますが、そのときに周囲の熱を吸収してくれます。さらに分解によってできたガスが熱を輸送して捨て去り、高温大気が直接機体に触れるのを防いでくれます。つまりアブレータは、自らの身を粉にしてカプセルを守ってくれる大変けなげな素材なのです。

6月、地球大気圏に再突入した「はやぶさ」のカプセルは高温で光り輝きますが、その表面ではサンプルを無事に地上に送り届けるためのこんな壮絶な戦いが繰り広げられているのです。そしてこの流れ星の軌跡は、カプセルの落下地点を割り出す地上スタッフにとっても、とても大事な情報になることでしょう。

(*1) 地球から打ち上げられた物体が地球大気圏に再び戻ることを「再」突入(Reentry)と言います。地球から別の天体(火星など)の大気圏に入るときは単に「突入」(Entry)です。

(*2) よく「大気との摩擦熱で…」という説明を目にしますが、実際には摩擦熱ではなく、大気が急激に圧縮 (断熱圧縮) されることによる温度上昇です。カプセルにすさまじい相対速度でぶつかる大気の運動エネルギーそのものが熱に変化するのです。

(*3) このような超高速の再突入では、シャトルの再突入で支配的な高温空気からの熱伝達による加熱だけでなく、輻射による加熱も無視できなくなります。

(協力・ISAS 山田研究室、イラスト・小野瀬さん)

(delta-V)
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