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今、共通の原点を持つ二つの直交座標系の間の座標変換(点のまわりの回転変位)を考えているのだが、この場合に以下の
オイラーの定理が成立する。
定理 I
点のまわりの回転変位は、その点を通る1つの軸のまわりの回転によって達っせられる。
これを、すでに学んだ直交行列の性質から簡単に証明することができる。回転変位を実現する回転軸に沿った方向ベクトル
はその変換によって不変だから、そのベクトルの3成分をと書けば、
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(44) |
ここで変換行列を単純にと書いた。これは、直交行列に対して、が
固有ベクトルであり、固有値が1であることを示している。
単位行列を持ちいると、上式は、
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(45) |
と書ける。つまり、行列には逆行列が存在しない。その条件は、行列式が0であること、
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(46) |
である。ところで、の転置行列
はの逆行列だから、
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(47) |
ここで両辺の行列式を取り、転置行列の行列式は元の行列式と等しいこと、回転行列の
行列式は1であること(式42)を持ちいると、
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(48) |
一般に、 行列の行列式について、
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(49) |
が成立する。今考えている3次元行列については、
である。よって、
(48)は(46)を示していることがわかる。
Ken EBISAWA
2011-02-08