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第82号 2000年8月15日発行

目次


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パソコンによる動画作製・デジタルビデオ編集(「)

デジタルビデオ編集(DTV)

1.はじめに

 これまでの3回の連載で動画の圧縮方法の基礎的な事項や、パソコンを使ってのプレゼンテーションなどを説明してきました。今回は本格的なビデオの作成方法を紹介します。


2.DV(デジタルビデオ)

 動画を本格的に作るようになると、一つ一つの素材の動画を編集し、タイトルをつけたり、説明用の図を中に入れたりして少し長い作品を作りたくなります。この作業をビデオ機器で行うのは高価な機器が必要になりますが、パソコンとDVを使ったデジタルビデオ編集で行えば実に簡単にできます。お宅のお子さんのビデオも一度このような方法で編集してみると、見違えるようになりますよ。

 さて、ビデオ編集の前にDVについて簡単に触れましょう。DVはデジタルカムコーダ(家庭用デジタルビデオカメラ)で使われているデジタルビデオの形式で、1/5 圧縮の JPEG を使い 720x480 という高解像度を達成しています。 MPEG と違って前後の時間の駒を使った圧縮を行っていないので、一駒一駒独立しており編集は自在です。実際に撮影した実験などの映像を素材として取り込むことも、iLINKと呼ばれるケーブルを繋ぐだけで、ビデオをパソコン側からリモートコントロールすることが出来て便利です。また、DVを使うと編集過程で画質が悪化することがありません。デジタルビデオ編集を行うと、編集途中の動画ファイルや仕上がったファイルなどがディスクを占領し、バックアップが大変になりますが、DVなら途中の映像ファイルもDVカムコーダやDVビデオデッキに記録してしまえば良いのです。この入出力は完全にデジタルで行えるので、データの劣化はありません。ただし、ディスクが 3.6MB/sec で連続して書き込み読み出しができる必要があります。そうでないと駒落ちなどが起こるので注意が必要です。


3.動画の作成と編集

 この手順から説明しましょう。

1)アニメーションを作ろうとする素材の静止画データのファイル名は fig001, fig002, fig003…というように連なった番号を付けておきます。

2)ワークステーションなどで画像ファイルを作った場合はパソコンに転送します。

3)デジタルビデオ編集ソフトを立ち上げ、連番の静止画を読み込みます。( Adobe Premiere では最初の一枚を指定すると残りを次々に読み込み、一つのファイルとして認識してくれます)

4)圧縮形式を選び、一旦動画としてファイルを作って保存します(これをラッシュビデオと呼びます)。

5)実験などのビデオの場合は素材がDVであればそのまま使えますが、VHSなどであればDVテープに一旦ダビングします。iLINKあるいは FireWire( IEEE1394 )を備えたパソコンまたは MAC を用意し、ビデオをハードディスクに取り込みます。長めに取り込んで、後で前後をカットします。

6)タイトルや説明用の画像などを作ります。

7)シーンの切り替え用に真っ黒(または白)の静止画を用意しておくと便利です。

8)タイトルや説明、シーン切り替えよう画像、動画などを作成後のイメージに合うように並べて行きます。

9)静止画や動画のそれぞれの継続時間や速度を調整します。

10)クロマを使った画像の合成やトランジションなどの特殊効果は2つのトラックを使い分けて行います。

11)プレビューを使って確認を行います。

12)最終的なファイルを作成します。

13)ビデオに出力します。

 これらの手順はパソコン単体で動画を見せる場合と基本的には同じです。ただパソコンで動画を見せる場合は 1) から 4) までで素材となる動画(ビデオクリップ)が出来上がるので、編集などせずにそれを直接使います。タイトルや説明用の図はPowerPoint などのプレゼンテーション用ソフトを使います。


4.おわりに

 次回はこの連載の最後で、これらの編集に必要なパソコンや機材について説明します。

(姫野 龍太郎 理化学研究所 himeno@postman.riken.go.jp)


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大型計算機共同利用研究追加公募のお知らせ

 宇宙科学研究所 PLAIN センターでは、全国共同利用研究の一貫として、本研究所が行っている飛翔体(科学衛星、ロケット、大気球)による宇宙理学及び宇宙工学の研究と密接に関連する次の二分野で共同研究課題の追加公募を行います。

 (1)宇宙科学観測の総合解析に関する共同研究

 (2)数値シュミレーションに関する共同研究

本研究所で利用できる計算機としては、MSP システムの GS8300 / 10N(汎用スカラー計算機)と UNIX システムの VPP800/12(12並列ベクトル計算機)、COMPAQ AlphaServer GS60 があります。また、本共同利用研究では各大学の大型計算機センターを利用することも可能です。平成 12 年度追加募集の締め切りは、9月11日(月)で、応募書類は各大学の事務室宛に送付します。本追加公募に対するお問い合わせは、

 宇宙科学研究所
 研究協力課共同利用係 (042-759-8019:ダイヤルイン)

までお願いいたします。

(篠原 育)


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一般公開のお知らせ

 今、宇宙科学研究所は、本年度の一般公開に向けて動き始めています。

一般公開の開催日程は以下の通りとなっています。

開催日:平成12年8月26日(土) 10:00〜16:30
会場:宇宙科学研究所相模原キャンパス(各種展示等の会場)
   (神奈川県相模原市由野台3−1−1)
 および
   相模原市立共和小学校(水ロケット教室会場)
   (神奈川県相模原市高根1−16−13)

 今年は一般公開期間中に相模原キャンパスにおいて新研究管理棟の建設工事が行われているため、これまで水ロケット教室の会場であった中庭が使用できず、2つの会場に分かれることになりました。水ロケット教室の会場は宇宙研のちょうどななめ前の共和小学校のグラウンドになっています。

 今回PLAINセンターでは、毎年の恒例となっております「インターネット体験」コーナーを目下計画・準備中です。今年の4月には宇宙研のホームページもリニューアルされ、より見ごたえのあるコンテンツを用意しています。また今年で3回目になる宇宙研クイズも現在準備中です。今回は前回以上の数と様々な難易度の問題を用意してみなさまの挑戦をお待ちしています。成績の優秀な方にはすばらしいおみやげをプレゼントする予定です。

 毎年1万人を越える方々がご来場くださる宇宙科学研究所一般公開ですが、今年も多くの研究室が様々な展示・催し・イベントを用意してみなさまをお待ちしています。

(長木 明成 )


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大型計算機に関するお知らせ

1.大型計算機の8月・9月の保守作業予定


M:システムメンテナンス

VPP 800 / 12 は、ソフトウェアのアップグレードのため定期保守に先立ち9月17日にソフトウェア保守を行います。

(三浦 昭 )


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
宇宙科学企画情報解析センター
〒229-8510 神奈川県相模原市由野台 3 -1-1 (Tel 0427-59-8352)