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第42号 1997年4月24日発行

目次


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Science Database DARTS 試験公開のお知らせ

 幾度かこの PLAIN センターニュースで、中間報告したサイエンスデータベース DARTS が、このゴールデンウィーク明けより試験公開する運びとなりました。URL は、http://www.darts.isas.ac.jp です。どうぞ、御利用ください。

 まだヘルプ機能などは十分に用意できていませんが、とりあえず、「ようこう」および「あすか」のデータ形式等をご存知の方は、利用出来る事と思います。また、以下に記します手順に従って頂ければ、どなたでも御利用頂けるものと思います。

 ホームページには、現在、「ようこう」のデータベースである、"Solar Physical Database" と「あすか」(将来的には多くの宇宙観測衛星)のデータベースである "Astrophysical Database" が用意されています。そして、上記の衛星のデータを利用するためのマニュアルやソフトウエアも提供されます。また、世界のデータベースへのリンク等も張られていますので、御利用下さい。

 「ようこう」または「あすか」のデータベースを利用する場合、ともに手順はほぼ同じで、以下の通りです。

  1. まず、検索条件を入力する。
  2. 検索結果から、利用する観測とファイルタイプ(検出器)を選択する。
  3. 利用可能なファイル一覧から利用するもの選び、各自の端末またはセンターの解析サーバにファイル転送を行なう。
  4. センターの解析サーバを利用する場合、先に利用者登録を行ない、ユーザアカントを取得する。
  5. .取得したユーザアカントで解析サーバに入り、解析を行なう。
では、次に、具体的に説明していきます。


(1) データ検索

  まず最初に、利用する("Solar Physical" 又は "Astrophysical" の)データベースを選択し、データの検索を行ないます。

 「ようこう」では、観測日の範囲だけを指定します。

 「あすか」では、まず、"Satellite & Instrument" から "ASCA" を選択(左のチェックボックスをオンに)し、"Object Name or Coordinate" の所に目的の天体名または座標を入力します。

 J2000 年分点以外の座標を入力した場合は、適当な座標系をその下より選びます。場合によっては、指定した天体の位置からの天空上の検索範囲も、その下にある選択肢から適当なものをお選び下さい。




図1.1

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 入力した天体名で直接データを検索したい場合は、天体名を入力した所のすぐ下にある "direct search by the name" のチェックボックスをオンにしておきます。また、公開されていないが、プロポーサルが受理されている観測の情報を得たい場合は、"only available data" のチェックボックスをオフにしておきます。

 そして、下にある "SEARCH" を選択すると、検索が始まります。

 「あすか」では、選択画面の下の方にある"FURTHER SEARCH" を選択するとさらに詳細な検索が可能となります。座標の分点と検索範囲は任意で指定でき、さらに、観測日、主観測者(PI)、観測対象のカテゴリー( AGN 等)、そして、観測期間カテゴリーで選択することが出来ます。




図1.2

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(2) 観測データ、ファイルタイプ選択

 検索が終ると、入力された検索内容とその検索結果が表示されます。

 「ようこう」では、観測のパス ID 毎に区切られた観測名(観測時刻)が表示され、4つの検出器毎に、その期間のデータが利用可能かどうかが示されます。それらの情報をもとに、利用するデータの観測を選んで、左端にあるチェックボックスをオンにします。そして、検索結果の下に記してある利用するデータの種類(検出器、キャリブレーションファイル)を選びます。

 「あすか」では、検索条件を満たした観測が、視野中心の座標や観測時刻等の情報とともに表示されます。「ようこう」の場合と同様、観測を選択し、利用するファイルを画面下より選びます。ここでは、生データであるテレメトリファイル(FRF)から、適当なデータ処理を行なって作られたイメージファイル等のプロダクトファイルまで、データ処理の段階に応じて、分類されています。エネルギースペクトルや光度曲線のファイルの作り方などは、別途、マニュアルが提供されます。  
(根来 均)


(3)ファイル転送

 必要なデータを選び終ったら,検索結果の画面下の各ボタンを使って,該当するデータを利用者のホストもしくは解析サーバに転送することができます.利用者のホストまでファイルを転送するには `DOWNLOAD' ボタンを、解析サーバで解析する場合には `ANALYZE' ボタンを押して下さい。




図2.1 検索結果

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図2.2 データのダウンロード

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 すると、選択された項目の詳細が表示されますので、この中から実際に必要なファイルを選択して下さい。解析サーバを利用する場合は、予め登録したユーザIDとパスワードも入力する必要があります。利用者登録の方法は次節に示します。

 ダウンロードを選んだ場合は、ファイルを選択して`Download now'ボタンを押すと、選択されたファイルがtar形式で送られてきます。



図2.3 解析サーバへのコピー

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 解析を選んだ場合は、ファイルを選択して `Copy now' ボタンを押すと、選択されたファイルが解析のユーザディレクトリにコピーされます。


(4)利用者登録

 解析サーバを利用するためには、telnet や ftp 等のソフトの他に、利用者登録が必要となります。利用者登録はWWW の画面上で行なうようになっており、2つの段階があります。

(a)まず、ユーザID、パスワード等を申請します。  

 利用者登録(申請書)画面では、使いたいユーザ ID やパスワードを入力し、電子メールアドレスや住所氏名等の情報を送信します。全ての項目を埋めたら、'SEND REQUEST' ボタンを押して下さい。入力方法が判らない場合は、`HELP' ボタンを押して下さい。簡単な説明が表示されます。

 ここでパスワードは同じものを2回入力して下さい。また電子メールアドレスは DARTS からの情報を送るために使われますので、間違いのないように入力して下さい。




図2.4 利用者登録(申請書)

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 申請書を送信すると、申請内容に問題がないかチェックされます。既存ユーザ ID との重複等、何か問題があった場合には再入力の画面が表示されますので、画面の文章に従って該当する項目を入力しなおして下さい。




図2.5 利用者登録 (申請書)その2

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(b)個人登録を行ないます。

 申請書に問題がなければ、申請書に記された電子メールアドレス宛に確認のメールが届きます。この中にキーワードが書いてありますので、DARTS の解析サービスを実際に受けたい場合には個人登録のページで、対応するユーザ名・パスワード・キーワードを入力して下さい。全て間違いなく入力されていれば、そのユーザ用のアカウントが解析サーバ上に作成されます。アカウントの有効期限は1週間です。




図2.6 利用者登録(個人登録)

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 解析サービスを受けたくない場合は、特に何もする必要はありません。(1)で送信された情報は暫くすると自動的に消去されます。


(5)解析サーバの利用

 利用者登録が終ると、解析サーバへの telnet やファイル転送等のサービスが受けられるようになります。解析サーバ上には、個人用のディレクトリと、基本的な解析用のツールが用意されています。なお、アカウントの期限が過ぎると個人用のディレクトリも消去されますので、解析結果等で必要なファイルは適宜 FTP 等でローカルに保存するようにして下さい。各ツールのマニュアル類は、準備が整ったものから順にWWW上で公開されます。


・利用に際して

 試験運用中(公開してから暫くの間)はソフトウェア等の改版を頻繁に行ないますので、検索・登録方法や画面のレイアウト、ディレクトリ構成等を予告なく変更することが少なくないと思われます。また、登録内容の消失(登録したユーザIDで login できない等)や個人用ディレクトリもしくは作業用ディレクトリの破損(作成したファイルの消失等)等の予期しない事態が生じるおそれもありますので、悪しからず御了承下さい。

 利用中に不具合等を発見された方は、e-mail 等でお知らせ頂ければ幸いです。頂いた御指摘等をもとに不具合を修正し、正式版の公開を目指したいと考えておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
(三浦 昭)


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PLAIN センター運営委員会 開催さる

 標記運営委員会が、3月31日に開かれました。当センターの運営を所内外の14人の先生方および管理部の方2人から構成される委員により審議していただくのがその目的です。今回の審議内容は、ネットワークの強化対策、サイエンスデータベース、ホームページ WWW の充実、センター計算機の稼働状況と次期スーパーコンピューターの更新、計算機共同利用研究の審査などで、予定の時間を1時間もオーバーして貴重なご意見をいただきました。

 今回特に活発な議論が行われたのは、ネットワークとサイエンスデータベースについてです。前者について、補正予算で構築することになったATMの構築と利用技術の現状や最近の利用者の急速な増加によりほとんどパンク状態にある所外の学術情報ネットワークとの接続、特に海外との接続強化などについて活発な議論が行われました。また、後者については、本号の主記事にありますように、いよいよ「あすか」「ようこう」の DARTS が公開される運びとなり、PLAIN センターのスタッフもだいぶ自信をつけてきていますが、これからのサイエンスデータベースをいかに構築し、充実していくかが頭の痛い問題です。米国のように一つの衛星プロジェクトあたり数十人規模のデータセンターはとても現実的ではないとしても、一方、この種の公開データベースに対する内外からの要望・要求は今後ますます強まってくることが予想されます。そのデータベースを利用する専門的研究者とデータベース構築の専門家、メーカーとの三味一体の連携プレーが重要との認識は全員の一致した意見ですが、具体的な方策は今後の課題となりました。
(向井 利典)


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根来さんの転出と宇野さんの紹介

 これまで「あすか」、「ようこう」のサイエンスデータベース DARTS の構築に多大な貢献をしていただいてきた根来さん(COE研究員)が4月1日付けで理化学研究所に転出され、新たに宇野さんが後任のCOE研究員として着任しました。根来さんには、本当にご苦労さまでしたと感謝するとともにこれからもご協力・ご支援をよろしくお願いいたします。また、宇野さんには、これから公開の運びとなる DARTS を今後ますます充実していただくよう期待します。   
(向井 利典)


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PLAIN Center で過ごした二年間

 私が、データベース DARTS を作るお手伝いをするために、こちらに COE 研究員として赴任して、早、20 カ月が経ちました。この春、同センターから理化学研究所の方に移ることとなり、最後の執筆依頼が来ましたので、この二年間の日々を少しだけ回想したいと思います。

 センターでは、一緒に DARTS を作った星野先生と三浦さんが、コンピュータ関係に疎かった私に親切に教えて下さいました。その結果、詳しくはないですが、今ではすっかりコンピュータおたく?になってしまいました。

 また、長瀬先生のご配慮により、NASA/GSFC のデータベースセンターに行く事が出来、大変刺激を受けました。あの巨大組織、システムに負けないシステムを作ろうと、三浦さんと頑張ったのですが、もうタイムオーバーになってしまいました。

 また他にも、「ようこう」やデータベースの研究会を通じて知り合った、分野の異なる人たちとの交流は、今後の研究生活に非常に有意義なものになると思います。

 この春にまだ未完成な所も多いですが、他のどこのデータベースと比べても恥じない機能を持ったデータベース DARTS を公開する事が出来、責務は果たした、と自分では思っています。最後になりましたが、これまでのご助言、ご支援下さった皆さんに御礼申し上げます。
(根来 均)


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大型計算機に関するお知らせ

I.大型計算機の4月・5月の保守作業予定

 ※1
M:システムメンテナンス
 ※2
VXのクロ−ズ処理を8:00から行いますので、それまでにTSS ジョブは終了してください。

II.大型計算機4月・5月連休の運転予定



III.システム・プログラムの相談窓口について

 システム・プログラムの相談窓口は、前年度も何回かお知らせしたとおり原則として SE 高橋氏(内線 2063)が受け、相談内容の切り分けにより各担当者が対応しますのでご協力お願いします。

IV.大型計算機利用の手引書について

 大型計算機を利用するためのル−ル及び操作法についての手引き書がありますので希望される方は申込んでください。

  1. 計算機利用の手引 規則編
  2. VPP500利用の手引 操作編
  3. 計算機利用の手引 操作編 MSP
  4. 計算機利用の手引 操作編 UNIXサ−バ群
(関口 豊)


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
宇宙科学企画情報解析センター
〒229 神奈川県相模原市由野台 3 -1-1 (Tel 0427-51-3911,内線 2611)