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第12号 1994年10月4日発行

目次


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スーパーコンピュータとベクトル並列計算
第7回 並列(パラレル)計算機の利用

 まず、もっとも簡単な利用の方法を考えてみましょう。ベクトル化のときに利用したDO-loopは

 DO 10 J=1,JMAX
 A(J)=B(J)+C(J)
10 CONTINUE

のようなものでした。ベクトル処理ではJを1つづつところてん式に処理していきました。このようなDO-loopは当然並列処理もできます。すなわち、各Jを各PE(各プロセッサ)で処理するわけです。JMAXが非常に大きくてPEの数をはるかに超える場合はPE数に応じて1つのPEの処理するJが1つではなく、あるJからあるJまでの範囲となります。ようするにJMAXをPEの数でわってみれば処理するインデックスの数がわかります。並列処理をするかしないかは利用者の自由ですが、だまっていて並列化を行ってくれるもの(自動並列化)、この部分を並列処理しますという指示行をいれることで並列処理するものなど計算機によって異なります。

 並列処理の場合も各Jの演算が独立していることが必要であることはベクトル化の場合と同じです。従って、ベクトル化可能なものの多くは並列化も可能です。ではVPPのようにベクトルーパラレルの計算機ではどうなるのでしょうか。もっともうまく利用できるのは、次のような2重のDO-loopがある場合です。

 DO 10 K=1,KMAX
 DO 10 J=1,JMAX
 A(J,K)=B(J,K)+C(J,K)
 
 
 
10 CONTINUE

このような場合、まず、外側のループを並列化します。すなわちKMAXをPEの数でわけるのです。各PEはある範囲のKのインデックスを受け持つことになります。そして、内側のループはベクトル化します。各プロセッサは、引き受けたKについて総てのJをベクトル処理によって演算します。例えばKMAX=70で7PEを利用する場合を例にとって、処理の概要を図示すると、図1のようになります。

 割り切れない場合は端数をどこかのPEに割り当てます。PEによって若干計算負荷が変わりますが、それ程問題にはなりません。このようにベクトルーパラレル計算機では2重ループの外側を並列化、内側をベクトル化というのが最も単純な効率的利用方法です。もちろん、中に含まれる演算はベクトル化が可能であればどのような演算でも、たくさんの演算でも効率的に処理されます。


図1 ベクトルパラレルの処理例

(藤井 孝藏)


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大型計算機に関するお知らせ

I.大型計算機の10月・11月の保守作業日程



以上を予定しておりますので、よろしくお願いします。                    

.大型計算機料金改定について

 7月22日の計算機運営委員会において計算機使用料金について検討され 、下記の通り決定されました。  

 新料金は8月29日(月)から適用されましたが、4月から8月分までのCPU,セッション料金の使用済料金についても約1/2 相当額を9月初旬に予算に充当しました。

 4月のファイル料金の改定、VPP500のPE並列利用に対する倍率等が決定され、今回の改定とあいまって、全ての見直し作業は終了しました。利用者の皆様の今後のご利用を期待しております。  



。.平成6年度予算の移算について

 平成6年度の計算機用登録予算の内、校費分については8月上旬に移算が行われました。又、SES予算についてはSES予算番号が決定され次第、10月末頃を予定して居 りますのでよろしくお願いします。

IV.VPP500プログラム相談の期間延長について

 VPP500導入に伴うプログラム相談が行われて居りましたが、10月以 降も継続する事になりました。

期間・日時:平成7年3月末日まで、
毎週木曜日、11:00から18:00まで
場所・担当者: B棟2階 2202SE室 エ2072 坂下氏
                  
」.大型計算機に関するクレーム・要望・提案等に対する連絡表について        

 大型計算機に関するクレーム・要望・提案等がございましたら、オープンステーション、サブステーションの部屋の中にレターケースがあり連絡用用紙が入って いますので用件をご記入の上提出用引き出しの中に入れて下さい。定期的に回収し、必ず本人宛に回答しますのでよろしくお願いします。

、.利用の手引改定版の出版について

 ホスト計算機が更新され、料金等の改定が行われましたので、それに見合う利用の手引の改定・編集作業が進んで、間もなく印刷され10月末には皆様の手元に配付される予定です。配布の原則は研究室・プロジェクト単位に1セットですが多少の 部数がございますので希望される方は申し込んで下さい。   

出版される利用の手引

1.計算機利用の手引  規則編 
2.計算機利用の手引  操作編 MSP   
3.計算機利用の手引  操作編 UXP/M 
4.VPP500の利用の手引 (新規作成)

・.システム・プログラムの相談について

 システム・プログラムの相談窓口は、2月号、4月号でもお知らせしました様に原則としてSE高橋氏が受けます。受けた相談の大部分は高橋氏が対応しますが、内容に依っては各専門の担当者が引き継いで対応しますのでご協力お願いします。 

 相談場所は図に示した通りB棟1階のシステム相談室、部屋番号2113、エ2063です。

 受付時間は月〜金曜日の9時〜18時までです。但し休日は休みです。

 8月にドアー、キー等の改修も終わり、皆様の来室をお待ちして居ります。



(関口 豊)


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
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