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第1号 1993年10月5日発行

目次


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PLAIN センターって何のこと?

 初耳の方がほとんどでしょう。それもそのはず、PLAIN センターとは、今年の4月に発足したばかりの 「宇宙科学企画情報解析センター」 の愛称なのです。この正式な和名は、舌を噛みそうだし、そもそも間違えずにすらすら言える人にめったにお目にかかったことがありません。PLAIN(プレーンと読んで下さい)は、(Center for) PLAnning and INformation Systems の略です。ぜひこの愛称に親しんでいただけたらと思います。

 PLAIN センターの当面の大きな課題は、宇宙研の大型計算機システム、ネットワーク、データベースのお世話をすることです。科学衛星は、近年次第に大型化、高機能化し、得られるデータの量、質ともに、飛躍的にジャンプしています。その中で、地上でのデータ処理、伝送、蓄積の役割が本質的に変ってきました。しかし、ともすれば、衛星、ロケット、気球などの飛び道具に眼を奪われて、地上データシステムは、世の中の目を見張る情報処理革命に遅れをとりがちでした。

 PLAIN センターは、このような背景のもとに生まれました。私たちは、宇宙研のデータ処理システムを全ユーザーの方々と一体となって、向上させるよう努力していく積もりです。このニュースもそのために発行することになりました。ユーザーとのコミュニケーションが目的です。宇宙研の計算機、ネットワーク、データベースの最新の現状をお知らせするとともに、ユーザーからの声を反映していくのが、「PLAIN センターニュース」の目的です。また、ネットワークやデータベースなどの最前線の技術解説も予定しています。計算機用語で言えば、インターラクティブに、つまり編集委員と読者が一体となってこの「ニュース」を作っていきたいと思います。暖かいご支援を期待します。  
(PLAINセンター長 中谷 一郎)


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PLAIN センターニュースについて

 コンピュータやネットワークなどのファシリティを利用するとき、そのファシリティの管理者から提供されるさまざまな情報が役に立つものです。宇宙研では計算機利用の手引の類が提供されてきましたが、速報性を備えた定常的な情報提供の手段はありませんでした。

 PLAIN センターニュースは、宇宙研の大型計算機システムや所内ネットワークに関する情報をはじめ、PLAIN センターの活動について皆様にお知らせするためのメディアとして発行が企画されました。A4 版2ページ程度という薄っぺらなものですが、これからずっと毎月、旬の情報を提供していきたいと思います。
(松方 純)


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スーパコンリプレースについて その1

 来年1月5日から新しいスーパーコンピューターシステムによるサービスが始ります。日米貿易摩擦に由来する政府調達手続きとの2年間に渡る苦闘の末、現行予算内でなんとかかなりの性能向上が期待できる機種に決まりました。

 新機種は富士通(株)製の VPP500/7 です。スーパーコンピューターの動向は単一のプロセッサから複数のプロセッサ(並列機)を持つ方向に大きく移行しつつありますが、この機種はその先端をいくものの1つで、特に既存のスーパーコンピュータと複数プロセッサを融合した点に特徴があります。機種名が示すように、このスーパーコンピュータは7つのプロセッサエレメント (PE) からできています。7つというのは計算機にしては奇妙な数字に思われるかも知れませんが、実は8つ目のプロセッサ (CP) はデータのやりとりなどを管理するためだけに利用されています。各 PE は最大性能で 1.6 GFLOPS のベクトル演算器(もちろんスカラー演算器もついています)と 256 MB のメモリーから構成されています。現行の VP200 が最大 570 MFLOPS、256 MB のメモリーですから、PE1台だけをとっても現在のスーパーコンピュータに比べて3倍近く性能が向上していることになります。メモリー分散型のコンピュータではありますが、いわゆる超並列機と違って、各 PE がそれぞれスーパーコンピュータの性能を持ち、単独にても、複数にても利用することも可能です。各 PE 間はクロスバーと呼ばれる計算機内の高速ネットワークでつながれていますが、プロセッサ間の通信や仕事の分散を指示することが必要になりますから、複数の PE を利用する場合は若干プログラミングの努力が必要になります。これはディレクティブと呼ばれるスーパーコンピュータ特有の命令文をプログラム中にはさむことで実現できます。例えば、「ここからは4つのプロセッサにわけて実行しなさい」(日本語で記述しても計算機はわかってくれませんので計算機言語で指示してください)などと指示するわけです。

 今回はここまでにして次回では、スカラー性能や全体構成、オペレーティングシステムなどについてお話ししましょう。
(藤井 孝蔵)


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編集委員会から

 PLAINセンターニュースは、以下の編集委員会メンバーによって編集が行われています。
 委員長:松方
 委員:中谷・小原・関口・周東(晃)・加藤(輝)・河田,

 編集委員会では、計算機運用に関することなど読者のみなさまのご意見をお待ちしています。なお、お寄せいただいたご意見の一部は紙上で紹介させていただく予定です。


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大型計算機に関するお知らせ

氈D計算機利用の手引 完成のお知らせ

 計算機利用の手引の下記3部が完成しましたのでお知らせします。
   
(1) 計算機利用の手引 規則編
(2)    〃    MSP操作編
(3)    〃    UXP/M 操作編

 上記利用の手引は、各研究室及びプロジェクト関係には、一部配送済ですが、多少残数が有りますのでお申し出下さい。


.大型計算機10月・11月の保守作業予定

 大型計算機は、各月の3回目の金曜日午前中に保守作業が行われます。

10月: 10月15日(金) 9:00〜13:00 M770#2
11月: 11月19日(金) 9:00〜13:00 M1800

 以上を予定しておりますので、よろしくご協力お願いします。
(関口 豊)


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
宇宙科学企画情報解析センター
〒229 神奈川県相模原市由野台 3 -1-1 (Tel 0427-51-3911,内線 2611)