PLAINセンターニュース第107号
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馬場 肇

PLAINセンター


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 所外の学生を受け入れるという初の試みに対し、(PLAIN センターで一番ヒマそうな)私が実際の受け入れ担当に任命されたので、簡単に報告する。

 私はこれまで常に「下っぱ」の身分であったために学生を指導するという経験がなく、この機会をわりとワクワクしながら迎えた。結果としては得がたい経験になったのだが、わずか二週間という期間では満足のいく指導が行えなかったのが心残りでもある。

 なんといっても彼ら学生は理科系でなかったために、物理的・天文的な事柄をわかりやすく説明するのに苦労した。実に素直に話を聞いてくれるし熱心でもあったのだが、苦労したというのも正直なところだ。また解析環境として Linux マシンを用いたのだが、打ち込んだコマンドが何をしているのかの理解しているか怪しいところがあった。彼ら自身の中では cd, ls, gzip, tar などの UNIX コマンドと FTOOLS/XSPEC などの解析ツールとの差はまったくなく渾然一体となっているに違いない。

 ただ私自身も彼ら同様にX線データ解析の経験がなかったので、彼らと同じ目線に立ってX線特有の解析手法の概要を段階を踏んで理解できたのはラッキーだった。これまでの光赤外のデータ解析の経験を用いて頭の中で類推・演繹しながら理解したような気になり、かつその場で彼らにわかるように説明するというのは、理解度を高める上でちょうど良かったと言える。

 データ解析の過程の方がはるかに長く、出てきた結果の検討・解釈には至らなかったが、そこまで望むのは現段階では酷かもしれない。それよりも、宇宙研という研究機関独特の雰囲気を体験することそのものが、彼らにとって重要だろう。

 今回のような、宇宙研等の研究機関から地方大学等に異動して活躍している研究者の弟子たちを PLAIN センターで受け入れて研修させるという企画は、送り出し側・受け入れ側の双方に良い刺激を与えるのではないかと思われる。受け入れスタッフのやりくりや予算など検討すべき問題点はいくつかあるものの、基本的には今後も継続して同様の計画を進めるのが良いかと思われる。



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