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宇宙三機関統合準備会議

 標記の第回会議が9月26日に開かれました。趣旨は「宇宙開発が人類の知的資産の形成や社会経済基盤への貢献,宇宙産業の活性化につながる重要な分野であることから,我が国の宇宙開発を担う宇宙開発事業団,宇宙科学研究所及び航空宇宙技術研究所を統合し,その力を結集し,宇宙の研究開発を一段と効率よく効果的に行う体制を構築するため,我が国の宇宙開発の在り方を踏まえ,宇宙の研究開発機関の在り方について検討する。」ことです。

 青山文部科学副大臣を座長とし,三機関の長ならびに有識者から構成される会議は,統合後の新機関の機能等について,2001年度末までに取りまとめることになっています。今回は「我が国の宇宙開発の目的と方向」をテーマとし,産業化と国の役割,人類の知的資産の拡大の観点の重要性,航空研究等について意見交換が行われました。今後は月1回のペースで論議を深める予定です。

(松尾 弘毅) 


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ロボフェスタ「ローバ大集合」

 10月6日から10月14日にかけて,淵野辺公園周辺を会場にロボフェスタ神奈川2001相模原大会が開催されました。ロボフェスタは,ロボットをテーマとした世界初の総合的な科学技術の祭典で,横須賀会場をスタートに,川崎,相模原,横浜の順にリレー開催されています。相模原大会では,「宇宙〜新しいフロンティアへ」をテーマに宇宙やロボットなど最新の科学技術が紹介され,宇宙科学研究所は特別協賛として参加しました。

 「宇宙」「ロボット」となると,宇宙探査ローバの出番です。将来の月・惑星探査をめざして,宇宙科学研究所で研究中の4輪ローバ,6脚歩行ロボット,ホッピングロボットを展示しました。また,中央大学,明治大学と共同で研究しているMicro5という小型ローバの実演を行いました。着陸船からスロープを使ってMicro5が降りて,砂や岩でできた月面模擬地形を自由に動きまわり,探査をする様子を披露しました。搭載カメラでの映像は,まさに月面探査をしているかのような印象を観衆に与えたようです。

 ロボフェスタ最終日には,「ローバ大集合」と題して,宇宙科学研究所をはじめ,東北大学,東京工業大学,中央大学,明治大学,宇宙開発事業団のローバが一堂に集まり,その特技を披露しました。子供たちにいろいろなタイプのローバを紹介することができ,また研究者同士の交流も行うことができました。

 また,日本惑星協会,日本宇宙少年団のご協力を得て,一般公開で行ったように,子供たちにレッドローバの操縦を体験してもらいました。模擬火星表面上に置かれたレッドローバには,カメラが搭載されていて,その画像をみながら,コンピュータを介して操縦することができます。目を輝かせて熱心に火星探検を行っている子供たちが印象的でした。

(久保田 孝) 


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「夢・ふれあいモール」での展示も大にぎわい

 主会場である銀河アリーナに隣接した仮設テント,相模原「夢・ふれあいモール」では,宇宙研をはじめ,相模原市内の大学,工業高校,メーカーなどつのブースによる展示が行われました。学校関係からは学生たちが製作したロボットやパソコンソフトの展示され,小型ながらアイデアいっぱいの手作りロボットたちが来場者の人気を呼んでいました。

 宇宙研からはロケット開発のあゆみや「のぞみ」, MUSES-CASTRO-F,などの科学衛星模型,再使用型ロケット,ATRエンジンの模型など,宇宙研ロビーの展示物総動員の展示となりました。宇宙研ブース入口壁面は昨年の日経2000「夢テク」の装飾を活用。会場に華やかな雰囲気を作り出していました。

 ロケット開発のあゆみの写真パネルをじっくり読む方,「ようこう」の太陽X線画像のプリント出力で自分の生まれた日の太陽画像に大喜びの子どもたち,熱心に質問する年配者,なかには2時間近くも質問攻めにあった説明員もいました。「ようこう」画像出力用のプリンタが壊れて,慌てて生協から運こんでもらったり,太陽発電衛星のジオラマを修理に持ち帰ったり,プリンタ用インクやリーフレットを運んだりと,近くならではの対応に走り回ることもありました。

 土日休日は親子連れで,平日は小中学生の見学でおおにぎわいで,相模原会場の9日間の来場者数は15万 5000人にのぼったそうです。宇宙研ブースを出ながら,「宇宙ってすごいんだね」と親に語りかけていた子どもの声が耳に残りました。

(周東 三和子) 


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ロボフェスタ水ロケット教室

 水ロケット教室は,初日の6日(土)と最終日の14日(日)の2日間行われました。運営は(財)日本宇宙少年団(YAC:ヤック)横浜・相模原・厚木・藤沢の各分団の全面的協力を得て,相模原市民ボランティア及び相模原市役所の方々と共に行いました。

 内容や運営方法は宇宙研の一般公開と同じでしたが,打上げは相模原球場内で行えるとあって,思い切り飛ばす事ができました。もっとも,飛ばし過ぎると拾いに行くのが大変なので,水の量・空気圧・ランチャ上下角は一定にしました。しかし工作の丁寧さに原因があるのか,飛距離にも差が出るのは面白いところです。印象的だったのは,やはりと言うか,女の子の方が工作が丁寧で,最長飛距離を出すのは毎回女の子の水ロケットだった事です。14日の最後には,YAC横浜分団の子供達が作った「バルーン水ロケット」(写真)がデモで打上げられ,水ロケットの多彩なバリエーションを披露しました。(バルーン水ロケットは本体のペットボトルの上にバット風船を載せた物で,真上に打上げると機体は水平状態でゆっくり落下するので安全です。)

 整理券がすぐに無くなる程人気があった教室でしたが,宇宙輸送系に携わる女性がもっと増えてくれればいいなと感じた2日間でした。

 スタッフのみな様,どうもお疲れ様でした。

(竹前 俊昭) 


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MUSES−C再突入カプセル総合試験実施

 探査機本体の総合試験(12月〜)に先立って再突入カプセル単独の総合試験を実施しました。このカプセルは小惑星で採取した表面サンプルを地球に持ち帰るためのもので,直径40cm,高さ20cm,重量約16kgの「中華なべ型カプセル」です。ガラは小さいけれど一人前の「衛星」で,その総合機能を確認するために,通常の衛星と同様の各種環境試験はもとより,写真のような通称「100G試験」と呼んでいるカプセル特有の試験も必要になります。これはミッションの最後,小惑星サンプルを抱いて地球大気圏に突入した時の「空気抵抗による減速」を想定した試験で,実際に大気中に高速で突入させる事はできませんから,その代わりにスピンテーブルにカプセルを取付け遠心力により減速を作り出しました。カプセルにはこの減速度(G)を検知してパラシュートを開くという非常に重要な機能がありますが,それも含めすべての機能が正常に動作しました。来年の今頃はロケットの最上部にあって,打上げの秒読みを聞いている事でしょう。小惑星到着まで2年,さらに地球帰還まで2年もの長い間このカプセルは母船の側壁でじっと出番を待ちます。長旅の後,蒼い惑星が眼前に大きく迫った時カプセルは母船から分離されます。そして夜空に閃光を刻み,パラシュートを開き地上にふわり。そんな光景を思い浮べながらスピンテーブルの上でくるくると回るカプセルを見ていました。

(石井 信明) 


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再使用ロケットの複合材料製極低温推進剤タンク試験

 将来の本格的な再使用型ロケットを実現するためには機体重量の大幅な軽量化が必須条件とされている。極低温推進剤タンクを複合材料で製作し,それが繰り返し使用できることは,機体重量軽減に大きく寄与する。そこで,宇宙科学研究所の再使用ロケット実験機に載せ替えできることを前提とした液体水素タンクと液体酸素タンクを複合材料で試作し,10月半ばに能代ロケット実験場にて実液充填加圧試験を実施した。極めて軽量に試作された複合材液体水素タンクと複合材液体酸素タンクにそれぞれ実液を充填することは今回が初めてであり,それだけでも極低温状態の厳しい環境に曝されるという技術的意味があるが,さらにこれを加圧することによりタンク設計が実証される。いずれも高圧タンクであるがゆえの試験上の難しさはあったが,液体水素タンクについては最高使用圧力まで,液体酸素タンクについては保証圧力まで,実液を充填した状態で加圧できた。単なるデータ取得に留まらず,明確な使用目的のもとに試作され試験されたことで,実用に耐える複合材極低温推進剤タンク開発に少なからぬ貢献ができたものと考える。この液体水素タンクはまだ開発途上ではあるが,再使用ロケット実験機への載せ替えに見通しを得ることができた。

 能代に行く前の準備期間も含め試験遂行上現れる大小さまざまな問題を解決しながら進めるために実験班の人たちに無理を強いたところもあったが,実験班の人たちがそれぞれの仕事を確実に成し遂げる責任感と技術とチームワークが成果に大きく貢献した。また,この季節にしては天候に恵まれたことも幸いした。

(樋口 健) 


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IAFの展示会で「日本ブース」が展示部門最優秀賞受賞!

 毎年,各国持ち回りで行われる世界最大規模の宇宙学会であるIAF(国際宇宙航行連盟)総会は今年で52回目を迎え,フランス・トゥールーズ市で行われました。会場となったPlace de l'Europe Centre de Con -gres Pierre Baudis に設置された特設会場(テント)で,10月1日から5日までの5日間展示会が開催されました。学会はテロ対策警備の厳しい中を実施され,展示会には世界各国から51のブースが出展,お年寄りから子どもまで,約2100人が来場しました。

 日本からは恒例の宇宙科学研究所と宇宙開発事業団に加え,今年度は初めて航空宇宙技術研究所も参加し,機関合同で「日本ブース」として出展しました。宇宙科学研究所からはM-Vロケットの1/10模型や将来ミッションの各衛星模型を出展し,技術部の徳永好志技官が展示要員として参加しました。

 最終日に展示会実行委員会主催のコンペティションの審査発表があり,日本ブースは展示部門で最優秀章に輝き, 副賞のカップと芸術性の高い楯を獲得しました。

(周東 三和子) 


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武市 昇さんにIAFのNapolitano賞

 さる10月にフランス・トゥールーズで行われたIAF総会において,本研究所の名取研究室の大学院生である武市 昇さん(博士課程3年)が,栄えあるLuigi G. Napolitano賞を授与されました。この賞は,かつてIAF会長を長期にわたって勤めたイタリアの科学者に因んで1993年に設けられた賞で,30歳未満の若手研究者一人に毎年授与されているものです。表彰された武市 昇さんの論文は“Fundamental Strategy for Deployment and Libration Control of a Tethered System in Elliptical Orbits(楕円軌道上におけるテザー・システムの展開と制御についての基本的考え方)”でした。嬉しいニュースですね。おめでとうございます。

(的川 泰宣) 


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