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用語解説
クライオジェニック・サンプリング法

光学オゾンゾンデ
電気化学式オゾンゾンデ
リモートセンシング技術
2000年度第2次大気球実験

 2000年度第2次大気球実験は,2000年8月21日から9月4日まで三陸大気球観測所において実施しました。放球した気球はBT5型1機B100型1機の計2機でした。

 B100-7号機8月28日7時13分に放球しました。本実験は,宇宙科学研究所および東北大学が中心になって開発した液体ヘリウムを用いたクライオジェニックサンプリング法で成層圏の大気を大量に採集することでした。高度14kmから32kmまでほぼ等間隔に10点,大気圧に換算してそれぞれ25リッターの大気を採集することに成功しました。得られた大気試料は,関係する大学や研究機関に持ち帰り,さまざまな成分の濃度や同位体の測定が行われます。得られた解析データは,成層圏における大気循環や光化学反応過程の解明に大いに役立つものと期待されています。

 BT5-20号機8月30日10時10分に放球しました。本実験は,東北大学が開発した光学的オゾンゾンデを用いて成層圏のオゾン濃度高度分布を観測することを目的として行われ,高度20kmから気球到達高度41kmまでのオゾン濃度の観測に成功しました。この観測は1994年から毎年この時期に行われており,本実験では一般的に使用されている電気化学式オゾンゾンデでは観測できない上部成層圏のオゾン量の経年変化を調べるための貴重なデータを取得することができ,これまでの実験と合わせて太陽活動度変動に伴うオゾン量の変化が確認されています。また,地上や人工衛星によるリモートセンシング技術では観測できない数キロメートル規模の上部成層圏のオゾン高度分布の波状構造を観測することに成功しました。

 尚,当初実験を予定していたB80-5号機は,観測者側の都合により延期され,来年の5月期に実験を行うことに致しました。

(山上隆正) 


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SS-520-2 噛み合わせについて

 2000年11月末にノルウェーのスバルバードから打ち上げられる予定のSS-520-2号機の噛み合わせ試験が8月28日〜9月19日23日間に渡って飛翔体環境試験棟で行われました。SS-520-2号機は高度約1000kmまで上がり,地球の極域にあるカスプと呼ばれる,地球の昼間側磁力線が集中する領域(この領域には太陽風のエネルギーが直接入り込むことが知られています)における電離層イオンの流出機構を解明する事を主な目的としています。このSS-520-2 号機には,イオンや電子を測定する観測器や,プラズマ波動の波形を観測する観測器など全部でつの観測器が搭載されています。今回のロケットは,変化の早い現象を捕らえるために20ミリ秒という非常に高い時間分解能で観測を行えるように各観測器が設計されているのが大きな特徴です。搭載されている観測器のうち,つの観測器は海外(カナダと米国)で製作されたものです。8月28日に噛み合わせが始まった当初は,米国からの観測器の到着が少し遅れた他,机上噛み合わせでもいくつかの問題が発生してどうなることかと思いましたが関係者の努力によりその後の試験はスムーズに進める事ができました。机上噛み合わせが予定より大幅に延びたため,全体のスケジュールが約1週間延びてしまいましたが,9月19日には噛み合わせを終えることができました。この後,搭載各機器は最終調整を行い,10月に再本組を行います。その後はスバルバードへの発送,そして11月中旬からの現地での打ち上げ作業といよいよ打ち上げに向けた最終作業が始まります。

(齋藤義文) 

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MT-135-72号機,73号機打ち上げ

 成層圏のオゾン密度の高度分布の測定を主目的としたMT-135-72号機9月18日73号機19日11時に,鹿児島宇宙空間観測所から発射された。あちこちに集中豪雨をもたらした台風14号は北に去って両日とも好天に恵まれたのは幸いであった。両機ともに飛翔は正常で,72号機は高度51kmから,73号機については50kmから5kmまでのオゾン密度,風向,風速および気温のデータを得ることが出来た。

 1990年52号機から始まったオゾン観測は,今回の実験で太陽周期の11年間行ったことになる。この間の観測データによると40km付近のオゾン密度は年率1%の減少を示しているが,そこよりも密度が10倍程高い最大密度の高度25kmでは変化が検出されなかったので,内之浦の緯度での皮膚ガンなどのいわゆるフロンの問題はないのかもしれない。

 ロケットのメーカーが,日産からIHIエアロスペースに移ってから始めての実験であった。メーカーの技術者達は(実は私もであったが),この時行われていたシドニーのオリンピックの参加日本選手の心持だったと思われる。またM-Vの不具合以来の初めての実験ということで,実験班の誰もが緊張していたが,打ち上げが成功裡に終わったことは何よりであった。

(中村良治) 

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宇宙研ホームページに子ども向けページ開設

 今春リニューアルオープンした宇宙研ホームページ日本語版に続いて,宇宙研一般公開に向けて子ども向けのページ「キッズ★ギャラクシー」がオープン。
ケンケン,ブンブン,カクカク博士にシカジカ助手などの楽しいキャラクター(プロが作ってくれたキャラクター)が登場,「宇宙なぜなぜ大辞典」「宇宙博士に聞いちゃおう」など子どもたちの宇宙への興味に応えます。

 もっと楽しい企画があるのですが,現在のところデータを提供する側が遅れを取っています。今しばらくお待ちください。益々充実したページになる予定です。皆さんからのアイデアも,どしどしお寄せください。

(周東三和子) 

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ISASニュースWebサイトで用語解説

 ISASニュースWebサイトで用語解説を始めました。ISASニュースの記事が難しいという感想をよく耳にします。そこで,2000年6月号(No.231)を期して,〈研究紹介〉と〈ISAS事情〉に出てくるちょっと難解そうな言葉に,短い解説をつけることにしました。まだまだ不十分な点があるかも知れませんが,少しずつ充実させたいと考えています。

 記事の緑色に変わっている文字をクリックすると,解説が表示されるようになっています。解説ページについてのご感想もお寄せいただければ幸いです。

(山本悦子) 

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