32「はやぶさ2」:小惑星リュウグウの表面(88秒)

リュウグウの表面がどうなっているのかは、「はやぶさ2」が近づいてみるまでは未知の世界でした。

リュウグウの直径は900メートルほど。地球からはどんなに大きな望遠鏡を使っても光の点にしか見えない天体です。そのため、表面の様子は近づいてみるまでは、まったくわからなかったのです。

2018年6月に初めてみえてきたリュウグウの姿は意外なものでした。小惑星イトカワにあったミューゼズの海のように平らなところは見当たらず、どこを見ても大小の岩がびっしりとあって、6メートルの「はやぶさ2」が着陸しやすそうな平らなところは一見して見当たりません。

プロジェクトチームでは、まず安全な着陸候補地点を探すことから始めなければなりませんでした。

少しでも安全な場所、かつ科学的に興味深い場所を選び出して、そこへまずはターゲットマーカを着地させ、それを目印に確実に探査機を降下させ、さらに目標とする地点にタッチできるよう微調整をしていくという、ピンポイントタッチダウンの計画を立てることになったのです。