22「はやぶさ」再突入カプセル
の開発展示内容を変更している場合があります
(111秒)

「はやぶさ」の再突入カプセルは秒速12キロメートルという猛スピードで地球の大気圏に突入しました。

地球の空気とカプセルが衝突すると空気がおしつぶされて熱に変わる空力加熱という現象で温度が一気に上がっていき、1万度を超える高温にさらされます。

これは1平方メートルあたり15メガワットというとてつもない加熱で、例えるならたたみ1畳の半分のところに電気ストーブ1万5千台ぶんの熱が加わるようなものです。

「はやぶさ」カプセルの耐熱の条件は、速度が速いだけにスペースシャトルよりも30倍も厳しいもので、これほど厳しい条件に耐えるにはガスを発生させて熱をにがすアブレーション法しかないだろうということで研究が重ねられました。

ヒートシールドの材質にはCFRP、炭素繊維強化プラスチックが使われました。CFRPは高温にさらされるとガスが発生して熱を逃がします。カプセルと高温の空気との間にうすいガスの層ができ、またヒートシールドそのものに熱に強い炭化層ができることで、内部を守ることができたのです。

カプセルの材質だけではありません。カプセルの形、作り方によってまわりの空気の流れやカプセルとしての条件が変わります。いろいろな形の物体に風をあてて実験したときの部品も展示しています。