20大気圏突入技術(116秒)

大気圏突入技術を集めた展示です。

大気圏突入技術は、1960年代に人が宇宙から帰ってくるために必要な技術として発展しました。

1970年代には大気のある惑星に突入する技術として研究が進み、そして1990年代以降はほかの天体から物質を地球へと持ち帰るサンプルリターンの技術としても研究されてきました。

そしてこれからも将来にわたって必要な技術です。やがて、宇宙と地上とを行ったり来たりする時代が訪れるからです。

宇宙科学研究所では、突入させるものをどう作るかという研究をはじめ、その周りで発生する空気の流れの研究も行っています。宇宙空間から大気に突入するとき、物体の表面は非常に高温になります。宇宙研では国内最大のアーク加熱風洞という装置を用いて大気圏突入時の環境にも耐えられる耐熱材料の研究も行っています。

この展示物は、次世代無人宇宙実験システムのリエントリモジュールの一部です。
2003年5月に地球周回軌道から大気圏に再突入し、回収されました。

リエントリモジュールは宇宙空間から大気中を通過するときに表面や周囲が高温になるため、内部を高温から守らなければなりません。

展示しているアブレータは大気圏突入時の熱を防御するためのものでです。