17宇宙用リチウムイオン電池(98秒)

小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されたリチウムイオン電池の地上試験モデルです。

人工衛星や探査機を制御するには電力が必要です。太陽の光が当たっていれば太陽電池によって発電を行うことができますが、このとき余った電力を電池にためておき、太陽光発電ができないときも電力を利用できるようにします。

衛星や探査機ではこうした充電や放電を何回も繰り返します。さらに電池は真空で無重力という特殊な環境下で使用することになります。高い信頼性と耐久性、そして温度を制御できる電池は、人工衛星や探査機にとって、とても重要な部品です。

2000年代の初期まで、日本の宇宙開発や宇宙探査ではニッケル-カドミウム電池やニッケル-水素電池が用いられてきました。そして電池の軽量化を目指したとき注目されたのがリチウムイオン電池でした。今では多くの人工衛星や探査機にリチウムイオン電池が使われています。

惑星探査のために、より多くの電力をためることができ、長期間使用が可能なリチウムイオン電池の開発が現在も進められています。