11液体水素エンジン展示終了しました(73秒)

この複雑な形のエンジンは、高圧エキスパンダーサイクルエンジンといって、液体酸素と液体水素に圧力をかけて燃焼室に送り込むタイプのロケットエンジンです。

このエンジンは翼のある再使用型のロケット実験機に搭載するために開発され、1987年に日本で初めて推力を制御する燃焼実験に成功したものです。

宇宙科学研究所といえばミューロケットやイプシロンロケットなど固体燃料ロケットを開発してきたという印象が強いかもしれません。実は宇宙研では、液体水素を使ったロケットの研究開発も、かなり早い段階から取り組んできました。

液体水素はたいへん温度が低い液体なので取り扱いが難しいのですが、ロケットエンジンとして高い性能を期待できますし、水素は燃焼しても二酸化炭素が出ませんので、次世代のエネルギー源としても広く社会で利用される時代が来るかもしれません。