08「おおすみ」とその予備機
ラムダ4Sロケット6号機 上段
(99秒)

長さ23センチメートルの小さなペンシルロケットの実験で研究を初めてから15年後、ラムダ4Sロケット5号機により日本で初めての人工衛星「おおすみ」の打上げが成功しました。1970年のことです。

「おおすみ」は内之浦のある大隅半島にちなんだ命名です。しかし最初の人工衛星打上げ成功に至るまでの道のりは困難の連続でした。

ラムダ4Sロケットとラムダ4T(よんてぃー)ロケットを計5回も打ち上げたのですが成功せず、ラムダ4Sロケットの「5号機」でようやく、ロケットの上段を地球周回軌道、つまり地球をまわる軌道にのせることができ、人工衛星「おおすみ」となったのです。その後「おおすみ」は2003年まで地球を回り続けていました。

ここに展示しているのは6号機として作られていたロケット上段の部品です。浮かせるように支えている部分は「おおすみ」の予備機といってもよいでしょう。

もしも5号機が成功していなかったら、いま展示しているこの6号機が宇宙へ行って日本初の人工衛星になっていたかもしれません。燃焼実験をした跡がのこっているノズルも展示しています。