05日本の宇宙科学の歴史 2/2(111秒)

日本初の人工衛星「おおすみ」打上げに成功した1970年は、日本の人工衛星の時代の幕開けでした。以来、東京・駒場の東京大学宇宙航空研究所の研究グループは、ロケットの能力をさらに高めて内之浦から次々と科学衛星を打ち上げるミュー計画を進めました。

1981年には大学共同利用機関として文部省宇宙科学研究所が設立され、日本の宇宙科学は欧米に遅れをとりながらも急速に発展していくことになります。そしてついに1985年には地球の重力圏をはなれ、76年周期で接近してくるハレー彗星を観測する探査機「さきがけ」「すいせい」を打ち上げました。

宇宙研はここ相模原に本拠地を移し、その後も固体燃料のロケットとして世界最大の打ち上げ能力をもつミューファイブロケットを開発、世界初の小惑星サンプルリターンを実現した探査機「はやぶさ」を打ち上げるなど、大きな成果をあげています。

日本はエックス線天文学の分野でも世界をリードしてきた歴史があります。年表にはそれぞれの時代のロケットや衛星を模型で紹介していますが、エックス線天文衛星など天文分野は特筆すべきものとして、この年表とは別に天文観測のコーナーに展示しています。