わたしたちの身のまわりの物は、温度が高いほど強い電磁波を出すんだ。
太陽は、表面の温度が6000℃ぐらいあるので、ちょうど目に見えるような光を出しているね。たき火は1000℃から2000℃ぐらいで、もっと弱い赤い光を出している。たき火の火が赤く見えるのはそういうことなんだ。私たち人間の体温は36℃ぐらいだね。このぐらいの温度だと目には見えないくらい弱い赤外線をだしているんだよ。
この性質を利用して、光や赤外線の強さをはかると、体温計で熱をはかったのと同じように物の温度を知ることができるんだ。
水星にはマリナー10号というアメリカの水星探査機だけが近付いたことがある。1974年と1975年に、水星のすぐ近くを通過した時に、赤外線の観測を行ったんだ。その結果、「昼側は最高約500℃、夜側は最低約マイナス200℃」というものすごい環境にあることがわかったているんだよ。
昼側がこんなに熱いのは、水星がとても太陽に近いからで、夜側がこんなに寒いのは、水星には地球のような空気がなく、太陽が当たらないとあっという間に冷えてしまうからなんだ。
もしも水星に住もうと思ったら、北極・南極のようなあまり温度が変わらない場所か、それとも地下深くに潜るしかないだろうね。
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