今までの質問と答え
星は死ぬって本当ですか?

2002.12 T.W. 8歳・男・大阪

本当だよ。毎晩同じように輝いている星も、とても長い時間がたつと変化し、ついには宇宙から無くなってしまうんだ。これを生き物になぞらえて「星が年を取る」とか、「星が死ぬ」と呼んでいるんだよ。

星座を形作っている星を「恒星(こうせい)」と言いますが、これらの星を光らせているエネルギーの源は、星の中心部で起きている核融合(かくゆうごう)反応です。この核融合反応は、主に水素を燃料としています。この燃料を使い果たしてしまうと、もはや星は光り続けることが出来なくなり、「死ぬ」ことになってしまうんだよ。

星は、生まれたときの重さでほぼその一生が決まってしまうんだ。例えば、太陽の場合には、今45億歳くらいですが、あと50億年くらいもすると、水素がたりなくなって、その一生を終えるんだ。実は、水素が無くなるのは、核融合反応で使い続けるからばかりではないんだ。星が一生の終わりに近づくと、水素の燃えかすであるヘリウムや、さらにヘリウムが燃えたかすの炭素や酸素が星の中にたまっていく。この燃えかすのせいで、星の中のエネルギーのバランスが崩れ、星は大きくふくれあがって赤色巨星になるんだ。そしてあまりに大きくふくれてしまうと、表面から大事な燃料の水素がもれだすこともあるんだ。そのせいで、さらに燃料が足りなくなり、星はどんどん弱まっていくんだ。

もし、ある星が太陽の10倍よりも重いとすると、その星の運命はまた違ってね、水素を燃やし尽くす前に、燃えかすがたまりすぎてその重さを支えきれなくなり、大爆発を起こすんだ。これを超新星(ちょうしんせい)といって、「新しい」星と書くのだけれど、実際には星が死ぬ瞬間の大爆発のことなんだ。超新星が起きると、星のほとんどの部分が吹き飛ばされますが、中心部に中性子星(星の一種なんだけど、自分では光らない)や、場合によってはブラックホールができるんだ。

え?「星がどんどん死んでいってしまうと、やがて宇宙には星が無くなるんじゃないの?」って?そんなことはなくってね、星が死ぬ直前に表面からもれだしたり、超新星で吹き飛ばされた水素などの物質が、やがてまた集まってきて新しい星が生まれていくんだ。ひとつの星の死が、新しい星の誕生につながっているんだよ。

なお、地球や火星や土星などの「惑星」は、自分で核融合反応を起こして光ったりはしていないから、ここで説明したような意味での「死」はないよ。ただし、太陽が死んでしまうと、エネルギー源が無くなってしまうから、それうなると人間が生きることは難しいと思うよ。



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