今までの質問と答え
はじめまして。宇宙にだいぶ興味が湧いてきました。
宇宙から来る光や電波は何を伝わって来るのですか?
光ファイバーや電線に代わる何かがあるのですか?

2002.12 T. 11歳・男・京都

光も電波も、「電磁波(でんじは)」と呼ばれ、基本的には同じものですよ。ただ、その「波」の長さが大きく異なるので、見ためも変わるのです。そして「電磁波」の特徴は、なにもない空間でも、飛んで行けるということです。

なにもない空間を、光の速度でまっすぐに飛んで行くエネルギーのつぶつぶの大群、これが光を含む「電磁波」の正体なんだよ


例えば、身近な例では太陽。太陽と地球の間は、ほとんど何もない、「真空(しんくう)」の宇宙空間です。それでも、太陽からの光はその空間を横切って僕らに降り注ぐんだよ。

もっと身近なものではテレビ。例えば、東京タワーという巨大なアンテナから電波が出ていて、それを家庭のアンテナで受けとって、解読して電気信号に変え、それを「テレビ」が映像と音声にしているんだ。「電磁波」が、何もないところでもちゃんと進んで行く性質を使って、光ファイバーや電線がなくても、情報を伝えることができるんだ。

さて、Tくんはおそらく、「光は波だから、何かを伝わって行くはずだ」と思ったのでしょうな。

実は、19世紀までは科学者達もそう考え、宇宙を満たす物質(「エーテル」と名付けられました)があって、「電磁波」はそこを伝わる波ではないかと言われていたんだ。しかし現在、その説は実験的に否定されているんだ。「電磁波」は、なにもない空間でも伝わる「波」。そしてもう一つ、想像するのが難しいかもしれないけど、“「電磁波」は「波」であると同時に「つぶつぶ」でもある”、わかるかな?それはどんなイメージなのでしょうか?

厳密には正確ではないけど、簡単なイメージを説明してみよう。

まず、波を紙の上に書いてみてね。山/谷/山/谷…と、書いて行くと思います。さて、これを、「山/谷が1回きり」のものをたくさんつなげたものである、と想像してみて。

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また、似たような波を並べて、大きな海みたいな絵を書いて見て下さい。そして、これもまた「山/谷が1回きり」のものが、沢山あると思って下さい。

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「山/谷が1回きり」の部分が「つぶつぶ」に相当していて、その「つぶつぶ」がたくさん集まって、全体の「電磁波」を構成している、そういう見方もでないかな?“「電磁波」は「波」であると同時に「つぶつぶ」でもある”、これは実験的にも実証された事実なんだ。例えば、人類は可視光について、プリズムを使って「波」の性質を持っていることを確認できる。そして、同時にまた人類は、「光」を、一つ一つ数える技術も持っているんだ。特殊な検出器の上で、「光子」がぽつ、ぽつと、降ってくるのを実際に見ることもできるんだよ。

よくよく考えると、「光」というのも不思議な現象だね。



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