今までの質問と答え
宇宙空間での温度はどのようになっているのでしょうか?

2000.8 T.N. 17歳・男・市川市

まず、高度が上がるにつれて、温度がどうなっていくのかをおさらいしてみよう。

  1. 高度10〜17kmまで・・・・気温は高度と共に下がってゆき高度10〜17kmで下降がとまる。この高度領域を「対流圏」とよび、温度下降が止まった高度を「対流圏界面」とよぶ。
  2. 高度50kmまで・・・・高度が更に上昇すると、気温は高度50kmまでは上昇していく。高度50kmでマイナス2〜4度になる。温度が上昇するこの領域を「成層圏」といい、高度約50kmの温度最大の高度を「成層圏界面」という。
  3. 高度50km〜85km・・・・高度が50kmを過ぎると、温度は再び下降線をたどり、高度約85kmでマイナス70〜マイナス80度になってしまう。この高度が地球環境の中で最も冷たい場所になる。50km〜85kmを「中間圏」とよび、85kmを「中間圏界面」とよんでいる。
  4. 高度85km以上・・・・高度85kmを過ぎると温度は上昇しはじめ、高度110kmでマイナス約20度、高度200kmになると約1000〜2000度になってしまう。この後も高度とともに温度は上昇をつづけ、高度1000kmでは約1万度にも達する。地球から10万km以上も離れると、約10万度になるんだ。

ここで一つの疑問が浮かぶよね。こんなに温度が高いのに宇宙船は大丈夫なんだろうか? 答えは「大丈夫」なんだ!このことを理解するために、高い高度を運動している宇宙船を思い浮べてみよう。宇宙船のまわりには空気があり、その周囲の空気は、よってたかって宇宙船を温めようとする。何しろ空気の温度が1万度とか10万度とかだからね。でも高度の高いところでは空気が薄いので、空気の中に貯えられている熱の絶対量が非常に少ないため、宇宙船を溶かすほどには至らないんだ。状況は多少違うけど、ローソクの火を手でつまんで消せるのと同じだよ。同じぐらいの温度の炭火は、とても手では消しきれない。高い高度では、大気の温度が高くても宇宙船が溶けることがないのは、以上の理由からだよ。



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