今までの質問と答え
どうして「ブラックホール」という存在の概念が生まれたのですか?

2000.8 M.T. 18歳・女・東京/多摩市
恒星は、内部での核融合反応で放出するエネルギーによって、自らの重みを支えているんだけど、この反応が止まってしまうと、星の中心部分は重力ほうかいを始め、密度が上がっていくんだ。高密度の状態では、まず電子同士の反発力が効いてくる。この力で自分の重さを支えている星が白色わい星なんだ。この力でも支えきれない場合は、原子核がつぶれて中性子ばかりの星(中性子星)になり、中性子同士の反発力で支えるんだよ。この力は重力の次に強い力なので、これでも支えきれないほど重い星は、ひたすら内側に向かって落ち込んでいくしかないんだよ。するとさらに重力が増大し、やがては光という最も高速な情報ですら、外には出られなくなるという考えが自然に出てくる。このようにして「ブラックホール」という概念は生まれたんだ。
ところで、「ブラックホール」は単独では確かに「暗黒」だけどね、外から物が落ち込む場合には、その物質が超高温に温められるので、「ブラックホール」の周りはX線などでギラギラ光るんだ。


前のページへ