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大気球実験B15−03の実施終了について
[成層圏大気のクライオサンプリング]

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成27(2015)年8月6日(木)午前4時12分に、成層圏大気のクライオサンプリングを目的として、平成 27(2015)年度第一次気球実験の初号機を連携協力拠点である大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積100,000 m3(直径63.4 m)の大型気球で、成層圏大気を採取しながら上昇しました。

 気球は、放球3時間後に大樹航空宇宙実験場東方約50kmの太平洋上において高度34.8kmで水平浮遊状態に入りました。その後午前7時49分に指令電波により切り離した気球及び観測器は、大樹航空宇宙実験場南東約30kmの海上に緩降下し、午前8時30分までに回収船によって回収されました。

放球時の地上気象状況は、天候:晴れ、風速毎秒3m、気温:摂氏19.8度でした。

<参考>

 本実験の目的は、液体ヘリウムを利用したポンプで大気成分のほとんど全てを凝縮固化して採集するクライオジェニック法を用いて、希薄な成層圏大気を固化して大量に採集し、得られた試料空気を温室効果気体をはじめとしたさまざまな大気成分の濃度や同位体比の測定に供するものです。
 気球上昇中、水平浮遊高度及び気球がゆっくり降下している間に高度別の大気を採集します。採集された大気試料は、各大学の分析装置を用いて詳しい解析が行われます。

以上

放球直前のB15-03号機[画像クリックで拡大]



B15-03気球の立ち上げ[画像クリックで拡大]

2015年8月7日