スペースプレーン技術実証機の空力特性の評価(その1およびその2)
研究申込者
澤井 秀次郎 (ISAS/JAXA)
研究要旨
第一義的に高い揚抗比が求められる,二段式スペースプレーンの初段ブースターの空力
形状に,ウェーブライダーの特性を適用することを考えた.厳密なウェーブライダー形状
は,三次元性の高い複雑な形状であり,実機を製造する際に困難を伴うと考えられる.そ
こで,ウェーブライダー形状の三次元性を緩和するために,幾何学的に簡単化することを
考えた.
本研究では,マッハ4 を設計マッハ数とするウェーブライダー形状の下面を平面にする
簡単化を施した形状を設計し,これを風洞実験に供試してその基本的な特性を評価した.
設計マッハ数であるマッハ4 での揚抗比は4.5 であったが,マッハ数0.3~1.8 の範囲では,
2.5~3.0 とあまり高くなかった.また,本形状の場合,トリム迎角が負となってしまい,揚
抗比の高い迎角で飛行するためには,操舵を行う必要があり,操舵抵抗が懸念される.

Key words
ウェーブライダー,空力設計,二段式スペースプレーン
2010年度の研究成果
- 丸祐介,藤田和央,澤井秀次郎( JAXA),軽部智光(帝京大 学・学),擬似ウェーブライダー形状の基本的空力特性とTSTOブースター段への適用について, 平成22年度宇宙航行の力学シンポジウム,相模原
利用期間
2010年 7月19日 〜 2010年 7月30日
2010年12月20日 〜 2010年12月24日