繰り返しレーザーパルス照射による超音速飛行抗力低減に関する基礎研究
研究申込者
佐宗 章弘 (名古屋大学)
研究要旨
本研究では、レーザー照射による超音速飛行体の抵抗低減の実証実験を目的として行った。今年度はレーザー導光方法の確立、通風中のブレークダウン確認実験及び風洞内装天秤による抗力計測の検討を行った。図1が実験時のレーザー導光光学系を示す。図2は通風試験に用いた模型を示す。このような方法で、マッハ数2で風洞総圧235kPa及び430kPaの2ケースでレーザー照射実験を行った。レーザは3kHzでのパルス繰り返しで、出力は33.3Wであった。図3,図4は通風中のレーザーブレークダウンの様子を示したものである。本図のように超音速流中でのブレークダウンに成功した。抗力計測については、図5,6に示すように、天秤計測誤差と抗力低減量が同程度と天秤の感度不足から解像困難であることが分かった。今後、計測方法の改善を行うことが課題である。

図1レーザー導入風洞実験 光学系

図2 試験模型

図3 通風中のブレークダウンの様子(M=2.0, pO=235kPa,3kHz,33.3W)

図4 通風中のブレークダウンの様子(M=2.0, p0=430kPa,3kHz,33.3W)

図5 天秤計測による抗力の時間履歴(M=2.0, P0=235kPa)

図6 天秤計測による抗力の時間履歴(M=2.0, P0=430kPa)
Key words
空力
2009年度の研究成果
- 松田淳、金宰亨、荻田直弥、米元聖貴、酒井武治、佐宗章弘、 レーザーエネルギー繰り返し注入による超音速飛行体抗力低減実証に向けたISAS/JAXA風洞実験, 平成21年度宇宙航行の力学シンポジウム、相模原、2010.
利用期間
平成21年 9月14日 〜 平成21年 9月18日
平成22年 1月25日 〜 平成22年 1月29日