無重力実験機空力特性取得試験

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研究申込者

橋本 樹明 (ISAS/JAXA)

研究要旨

　現在，文部科学省，日本学術振興会の助成を受けた科研費学術創成研究「高高度気球を用いた微小重力実験装置の開発」（Subject No. 16GS0220）において「無重力実験機（BOV）」の研究開発を行っている．本実験では気球により機体を高高度まで牽引し無重力落下させ，機体内部の密閉空間に保持された無重力実験部が自由落下するよう機体を制御するという方法で，無重力実験部の無重力環境を実現する．高高度では大気の影響が小さくガスジェットのみで機体の運動を制御することが可能であるが，試験時間を延ばすべく低高度，すなわち動圧の高いところで機体を制御し，かつ回収を容易とすべく試験後の機体飛行経路を制御するために，実験機として可動翼を有する翼胴形状を採用し，抗力補償に空気吸込み式エンジンを検討している．本試験は，無重力実験機の空力データベース作成のための基本空力特性取得を目的とし，かつ空力加重の評定により機体の空力設計の妥当性を検証することを目的として行った．実験機は空気吸込み式エンジンを機体外筒部に搭載するため，縦・横・ロール特性は迎角非対称で非線形な特性をもつ．またエンジン部抗力を操舵翼により補償しなければならず，各種空力係数の舵角感度の評価もあわせて行った．

Key words

無重力実験機，空力データベース，飛行実証，翼胴形態

2005年度の研究成果

藤田和央、坪井伸幸（JAXA），宮路幸二(横浜国大)，小林弘明，沢井秀次郎(JAXA)，「気球を用いた微小重力実験機の空力特性」，第49回宇宙科学技術連合講演会，広島，2005年11月．

藤田和央(JAXA), 宮路幸二 (横浜国大), 坪井伸幸, 沢井秀次郎 (JAXA)，「微小重力実験機の空力データベースの開発」，　平成17年度宇宙航行の力学シンポジウム，2005年12月．

内山卓 (横浜国大), 宮路幸二 (横浜国大), 坪井伸幸, 藤田和央, 澤井秀次郎 (JAXA), 「微小重力実験機の空力特性評価におけるCFDの精度評価に関する研究」，平成17年度宇宙航行の力学シンポジウム，2005年12月．

K. Fujita, S. Sawai, H. Kobayashi, H. Taguchi, T. Kojima, K. Okai, and T. Sato (JAXA), "PRECOOLED TURBOJET ENGINE FLIGHT EXPERIMENT USING BALLOON- BASED OPERATION VEHICLE," International Astronautical Congress, Paper IAC-2005-C4.5.01, Fukuoka, Japan, Oct. 2005.

K. Fujita, S. Sawai, H. Kobayashi, N.Tsuboi, H. Taguchi, T. Kojima, K. Okai, T. Sato (JAXA), and K. Miyaji (Yokohama National Univ.), "PRECOOLED TURBOJET ENGINE FLIGHT EXPERIMENT USING BALLOON-BASED OPERATION VEHICLE," Acta Astronautica, 2006 (accepted for publication).

利用期間

平成17年6月20日 〜 平成17年7月1日