衝撃波干渉型ウェーブライダーの基礎研究

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研究者

川添 博光 (鳥取大学)

本部内共同研究者

藤井 孝藏

研究目的

本研究は衝撃波の干渉を利用し,従来のウェーブライダーに比べ高いL/Dが得られる新しいウェーブライダーの開発を目指している.これは,機体形状により発生させた2つの衝撃破を干渉させ,その衝撃波干渉により翼下面に高圧力領域を形成することで, 従来のウェッジ型ウェーブライダーに比べ,揚力の大幅な増加が期待される.鳥取大学にある小型衝撃風洞を用いてフィジビリティスタディを行ってきたが, 今回本格的にJAXA宇宙科学研究所超音速風洞で実験を行った.JAXA超音速風洞で行った実験によると, 衝撃波干渉型ウェーブライダーはウェッジ型に比べ,揚力は1.81 %減少したものの, 抗力が10.8 %と大幅に減少したため,L/Dは9.62 %の増加となった.一方鳥取大学の衝撃風洞実験でも同様な結果が得られており,L/Dは4.3 %増加であった.これらの結果から,衝撃波の干渉を利用することにより更に強い揚力を得ることは出来なかったが,圧力測定から衝撃波干渉によって高圧領域を形成していることが確認できた.また,スパイク効果によるものと思われる抗力減少で,L/Dは増加し,機体空力特性が向上することが確認できた.さらに,衝撃波干渉の位置を制御することでピッチングモーメントや揚抗比などの空力特性に影響を及ぼすことも分かり,これは広範囲の飛行マッハ数における飛行制御性への寄与が期待できる.今後は, より効果的な機体形状を探索し, その特性を調査していきたい.

Key word

Wave-rider, Shock-Shock Interaction, L/D, static pressure

2004年度の研究成果

黒川 孝之(鳥取大・学),永井 尚(鳥取大・院),川添 博光(鳥取大・工), 藤井 孝蔵(JAXA) 入門 朋子(JAXA), "衝撃波干渉型ウェーブライダーの基礎実験," 中国四国支部第43期総会・講演会 (社)日本機械学会.

利用期間

平成16年12月6日〜12月10日