二物体間の空力干渉流れ場
研究者
中村 佳朗 (名古屋大学）
本部内共同研究者
稲谷 芳文
研究目的
将来型再使用宇宙往還機の一つとして，TSTO（Two-Stage-Two-Orbit）がある．TSTOは，空気吸い込み式エンジンを搭載した有翼形状の親機と，宇宙でミッションを行う子機の2機により構成される．現在までに提案されているTSTOの多くは，親機と子機の分離マッハ数が極超音速に設定されている．TSTO開発には，空力特性，機体形状，推進システムなど様々な課題があるが，特に空力分野では，超音速飛行時の衝撃波・衝撃波干渉や，衝撃波・境界層干渉といった空力干渉問題がある．本研究では，デルタ翼と半球円柱により構成されるTSTO模型を用い，2物体間の空力干渉流れ場について調べた．シュリーレン法，オイルフロー法，チャイナクレイ法による可視化実験では，2物体間に隙間が有る場合において，デルタ翼面上の乱流境界層と弓形衝撃波の衝撃波・境界層干渉により生じた再付着衝撃波が2物体間で反射し，複数の衝撃波・境界層干渉を形成することが明かとなった．また，デルタ翼と半球円柱が付着している場合では，弓形衝撃波と剥離衝撃波による衝撃波・衝撃波干渉によって，最も空力干渉の影響が強くなった．
Key word
Two-Stage-To-Orbit (TSTO), Shock/shock interaction, Shock/Boundary-layer interaction
2004年度の研究成果
西野敦洋, 小澤啓伺, 中村佳朗, デルタ翼・半球円柱間の空力干渉流れ場における二物体間距離の影響, 平成16年度宇宙航行の力学シンポジウム, 2004.
利用期間
平成16年9月6日〜9月17日
