「ようこう」で発見されたX-Ray Jet
「ようこう」のSXT像の連続写真を見ると、コロナはいたるところで激しく
変動することがわかります。なかでもひときは目をひくのは、「ジェット」現象
です。「ジェット」とは細長く絞られた高速のガス流のことを言います。
上図を御覧ください。これは太陽全面のSXT像の一部を切り出して、
時間順に並べています。通常の写真と違って反転していますので、
黒く見えるところがX線で明るく光っているところになっています。
2時19分には小さいループの集団以外見えなかったのが、
3時59分からループの集団左はじから細長い模様が伸びていくのが見れます。
そして、4時16分ごろから模様が薄くなって、4時42分ごろには
消えてしまっています。これが「ジェット」です。
このジェットは大きさは18万km、
見かけの速度は秒速200km程度と推算されました。
最大のX線ジェット (1992年1月11日)
今まで発見された「ジェット」中で
最大の「ジェット」
になると、太陽半径程度の長さを持つ「ジェット」なります。
ではなぜこのような現象が発生するのでしょうか? そのヒントは
「ジェット」の足元にあります。最初の絵では、X線で光るループが
集まって「いそぎんちゃく」のような単純な形を作っていますが、
「ジェット」が発生すると形が複雑になり、X線で光り輝くようになります。
これから「ジェット」は磁力線の形が変わったり、
逆向きの磁力線と接することによりエネルギーが解放され、
そのエネルギーでプラズマが加熱&加速され磁力線に沿って
噴出したものではないかと考えられています。
しかし、これを確かな説にするためにはまだまだ多くの研究が必要とされ、
世界中で研究が行われています。