軟X線で捉えた磁力線のつなぎかえの現場


 1992年2月21日、太陽の東の縁で発生したフレアの軟X線画像 をお見せしましょう。 この画像は、太陽光球に頭を出したN極とS極の間を結ぶ巨大な磁力線の ループが地球からその姿を見るのに適した方向にそそり立っていて、フレアの構造 を知るのに最適です。ループの頂上付近でX線が明るく輝いていますが、 まさにここが磁場のエネルギーが解放された場所と考えられます。
 ループ内の高温ガスの温度は、外側に行くほど高くなっています。 磁気中性線上で爆発的な磁力線のつなぎかえが起こってエネルギーが解放され、 ガスが高温に加熱されるのですが、この観測は磁力線のつなぎかえが起きて間もない 周辺部では温度が高く、つなぎかえから切り放されてから時間の経った内部では 既に冷却が始まっていることを示しています。
 この画像は、磁力線のつなぎかえによってエネルギーが解放されていく過程 の存在をほぼ間違いなく示した最初の観測例で、「ようこう」の優れた性能 を示すもっとも良い例の一つです。

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