GroundBIRD は宇宙マイクロ波背景放射 (CMB) の偏光観測に焦点を当てた日本主導の国際共同実験 である。本実験の特徴は仰角70度に傾けた状態の望遠鏡を最大20 RPMもの高速回転することで大気 揺らぎを克服する点にある。これにより、大角度スケール (l~6) の CMB 偏光に現れる再電離バン プの地上からの測定を目指す。2023 年度には、全ての本観測用超伝導検出器 Microwave Kinetic Inductance Detector (MKID) の全素子の搭載を完了し、本格的な観測を開始した。観測周波数帯 は 145 GHz 帯 (138 ピクセル) および 220 GHz 帯 (23 ピクセル) をカバーしている。本講演で は GroundBIRD 実験の観測システムと観測や較正測定について紹介する。特に、偏光角較正装置の 開発状況に焦点を当て、その現状と課題について議論する。