銀河系内で加速されていると考えられる~1e15 eV以下の宇宙線:銀河宇宙線の加速源として有力視 される超新星残骸の高エネルギー放射を捉えることで、超新星残骸が銀河宇宙線を説明できるだけ の加速性能をもつかどうか、また加速性能にはどれだけ“個性“があるかを知ることができる。ガ ンマ線と非熱的X線放射は主に加速された粒子たちの情報を示し、熱的X線放射は加速環境の情報を 与える。我々は多数の超新星残骸の系統解析により、現在の超新星残骸には1e15 eVまで加速でき るほど加速性能が良いものはほぼ皆無であり、爆発後のごく短い期間でのみ1e15 eVまで達する可 能性があることをはっきりさせた。また、加速性能の強い環境依存性を定量化し、どのような物理 量が加速性能を決定しているかを追究している。本セミナーではXRISMによる精密X線分光時代にで きることの展望も述べたい。