近年、継続時間の短い突発現象を逃さず捉え、その時間経過を研究する時間領域天文学が、観測波 長を問わず、活発に行われている。X線、ガンマ線帯域においては、これまでに全天X線監視装置の MAXIや、NASAのSwift衛星が、その位置を速報し、様々な観測波長チームに伝えることで、この分 野を牽引してきた。しかし、Swift衛星では発見できなく、MAXIの観測帯域でのみ増光し、急速に 減光する突発天体に関しては、即時の追観測が間に合っておらず、その正体や時間変動が未開拓領 域として残されている。そこで我々は、MAXIと、同じく国際宇宙ステーションに搭載されている NASAのX線望遠鏡NICERと協力し、MAXIとNICERによるMANGA(MAXI and NICER Ground Alert)と OHMAN(On-orbit Hookup of MAXI and NICER)と名付けた2種類の連携により、軟X線帯域の突発現象 の即時追観測を目指している。本セミナーでは、これら連携計画の進捗報告と、これまでに得られ た結果、特に恒星フレアの観測結果に対して紹介する。