インターネットの発達で、世界は一気にボーダーレス化し、国境を意識しないコミュニケーション が日常茶飯事になりました。欧米先進諸国からの地理的遠さがハンデになった時代が過去になりつ つあるのは日本の人々にとって福音です。一方それは、日本以上のハンデがあったいわゆる発展途 上国の人々とも同じ土俵に立つこと、国際的な競走の激化も意味します。今ほど、事実上の世界共 通語である英語の、中でも書き言葉によるコミュニケーションが重要、いやもはや常識になってい る時代はありません。 コミュニケーションは、数学の証明とは異なり相手ある話です。英語ネイティヴにとっても容易と は言えず、まして非ネイティヴにとっては英文コミュニケーションは鬼門になりがちです。本講演 では、主に理系の現場での頻出例、なかでも履歴書、推薦書、苦情、レフェリー対応などを題材に、 英文校正現場の実例を随所に参照して、実戦的な対策を概観します。現代グローバルスタンダード において日本文化の人々には配慮が至りにくい点にも踏込みます。