06/29 01:12 : 今日の IKAROS(6/28) - Daily Report - June 28, 2012
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日も(もう昨日になってしまいましたが)IKAROS運用にて冬眠モードから復帰して
いるかどうかを確認しましたが、IKAROSからの応答は確認できませんでした。
皆様から頂いたあたたかいメッセージや、励ましの言葉を糧にして、我慢の運用作業が
続きます。
次回の運用は7月12日(木)の予定です。
ところで・・・最近、Y2/Y3コンビが、いろいろな解説をしてくれていますので、
ボキャブラリーの少ない私には皆さんにお届けできる言葉がなかなか見つかりません。
なので、今日は(最近の)スーパーバイザーというお仕事について、改めて紹介させて
頂きます。
スーパーバイザーとは、運用現場作業のとりまとめ役です。
大工さんでいうと親方、TV番組でいうとディレクター、レストランでいうと料理長、
合コンでいうと幹事、結婚式でいうと司会進行役・・・。
現場作業において、予定した作業がスムーズに進む、皆が同じ目標に向かって同じ意識、
かつ同じ考え方で動ける、チームに与えられた使命をまっとうし成功に導くための重要な
役割です。
でも、実際の作業の現場は、予定を狂わす現象が発生したり、皆の考え方がなかなか
噛み合わなかったりしますので、そこをより良くまとめあげなければなりません。
数値や計算の結果だけでなく、技量や経験も必要になってくるお仕事です。
そんなお仕事を担当する一人である○○(仮にYOさんと名付けます)の今日一日の
動きです。
***************************************
①朝の運用開始前の集合時間:
出勤して集合時間に間に合うように運用室に向かったが、Y2さんが運用室に先に集合
していた事に気づき、「おはよー」と言いつつも内心悔しがる。
(決して「ちっ!!」とか発してません)
②運用前ブリーフィング
場を取り仕切りながら、メンバーと本日の運用作業内容、作業方法、注意事項を確認。
③臼田局とブリーフィング
チームを代表して臼田局の担当者と本日の作業内容、作業方法、臼田局の設定、
臼田局の天候、本日の担当者を確認。
④運用開始後
本日決めた運用作業がスムーズに、かつ其々の作業担当者が与えられた仕事を迷わずに
全うできるように、どんどん指示を出していきます。
また、各作業担当者から報告された情報、自分で集めた情報を総合して、次の作業に
進んで良いか、次の作業を変更し、どのように対処するべきか判断していきます。
(Oさん登場、片耳から「ねぇねぇ。ちょっと・・・」と誰かに話かけている声がする)
⑤運用中(1)
他のチーム員も集合し、冬眠から覚めているかもしれないIKAROSをいかに見つけて
あげるかの熱い議論が運用室内に飛び交います。
毎回飛び交います。どんなに結論がでていても、毎回のごとく「今の様々な条件から、
本当にこの方法で良いのか、もっと良い方法はないのか?」と議論が飛び交います。
同時にIKAROSの今日の状況を想定します。考えられる限りの今日の状況を想定します。
スーパーバイザーとして、常にこれらの情報を耳を傾け、作業の進め方をチェックし、
必要と判断すれば予定していた作業に微修正を加えます。
⑥運用中(2)
コーヒーの消費がすごいです。我儘スーパーバイザーは、話の合間に「無言の訴え」や
「大げさなジェスチャー」を交え、「誰かコーヒー入れてーーーーーっ」と無茶ブリを
出動させます。
熱いコーヒーを飲みながら、いろいろなデータにも目を向けます。些細な情報の中に
IKAROSに関する情報が含まれているかもしれません。
(Oさんから、「ねぇぇぇぇねぇぇぇ。ちょっと」と取得したデータに関する新しい
情報が聞こえてきます)
その情報は大変貴重な情報であったため、すぐさまチーム内で確認し、作業手順に
組み込みます。
⑦運用終了後
場を取り仕切りながら、今日の作業のまとめを行います。
今日の作業の結果から、検討や確認しておく事、次回の運用作業予定を確認します。
(この時点でも、様々な意見が飛び交います。)
***************************************
⑧運用室をあとにして
事務室に帰ったYOさんは、仲間から指摘されます。
「後ろ髪の寝癖ひどいよ・・・」
(なんで、作業中に誰も言ってくれなかったのーっ!!)
応援してくださっている皆様とチーム関係者の運用作業協力に感謝しつつも、
まだまだ修行が足りないと実感したYOさんでした。
皆様、いつもIKAROSを応援してくださり、また本日も長い文章にお付き合い頂き、本当に
ありがとうございます。
( KY )
P.S.
考えることがいっぱい溜まりすぎると、たまに作業と関係ないところで暴走したく
なってしまいます。
そろそろ暴走(妄想?)していいですか? Oさん。(続:新しい×××・・・)
6/28のIKAROS
太陽距離: 0.86AU
地球距離: 209370164km, 赤経=57.2°, 赤緯=17.5°
金星距離: 1.05AU(156817150km)
姿勢:スピンレート= ** rpm, 太陽角= ** deg
Today's IKAROS
Sun Distance: 0.86AU
Earth Distance: 209370164km, RA=57.2deg, Dec=17.5deg
Venus Distance: 1.05AU(156817150km)
Attitude: Spin Rate= ** rpm, Sun Angle= ** deg
今日(6月28日)は何の日?
・IKAROSが「DCAM1の画像より液晶デバイス(姿勢制御デバイス)の動作を確認」
(2010年/日本)・・・この後、6月30日に「定常運用移行」を発表。
・スペースシャトル「アトランティス」が宇宙ステーション「ミール」との初の
ドッキングに成功(1995年/アメリカ、ロシア)
いるかどうかを確認しましたが、IKAROSからの応答は確認できませんでした。
皆様から頂いたあたたかいメッセージや、励ましの言葉を糧にして、我慢の運用作業が
続きます。
次回の運用は7月12日(木)の予定です。
ところで・・・最近、Y2/Y3コンビが、いろいろな解説をしてくれていますので、
ボキャブラリーの少ない私には皆さんにお届けできる言葉がなかなか見つかりません。
なので、今日は(最近の)スーパーバイザーというお仕事について、改めて紹介させて
頂きます。
スーパーバイザーとは、運用現場作業のとりまとめ役です。
大工さんでいうと親方、TV番組でいうとディレクター、レストランでいうと料理長、
合コンでいうと幹事、結婚式でいうと司会進行役・・・。
現場作業において、予定した作業がスムーズに進む、皆が同じ目標に向かって同じ意識、
かつ同じ考え方で動ける、チームに与えられた使命をまっとうし成功に導くための重要な
役割です。
でも、実際の作業の現場は、予定を狂わす現象が発生したり、皆の考え方がなかなか
噛み合わなかったりしますので、そこをより良くまとめあげなければなりません。
数値や計算の結果だけでなく、技量や経験も必要になってくるお仕事です。
そんなお仕事を担当する一人である○○(仮にYOさんと名付けます)の今日一日の
動きです。
***************************************
①朝の運用開始前の集合時間:
出勤して集合時間に間に合うように運用室に向かったが、Y2さんが運用室に先に集合
していた事に気づき、「おはよー」と言いつつも内心悔しがる。
(決して「ちっ!!」とか発してません)
②運用前ブリーフィング
場を取り仕切りながら、メンバーと本日の運用作業内容、作業方法、注意事項を確認。
③臼田局とブリーフィング
チームを代表して臼田局の担当者と本日の作業内容、作業方法、臼田局の設定、
臼田局の天候、本日の担当者を確認。
④運用開始後
本日決めた運用作業がスムーズに、かつ其々の作業担当者が与えられた仕事を迷わずに
全うできるように、どんどん指示を出していきます。
また、各作業担当者から報告された情報、自分で集めた情報を総合して、次の作業に
進んで良いか、次の作業を変更し、どのように対処するべきか判断していきます。
(Oさん登場、片耳から「ねぇねぇ。ちょっと・・・」と誰かに話かけている声がする)
⑤運用中(1)
他のチーム員も集合し、冬眠から覚めているかもしれないIKAROSをいかに見つけて
あげるかの熱い議論が運用室内に飛び交います。
毎回飛び交います。どんなに結論がでていても、毎回のごとく「今の様々な条件から、
本当にこの方法で良いのか、もっと良い方法はないのか?」と議論が飛び交います。
同時にIKAROSの今日の状況を想定します。考えられる限りの今日の状況を想定します。
スーパーバイザーとして、常にこれらの情報を耳を傾け、作業の進め方をチェックし、
必要と判断すれば予定していた作業に微修正を加えます。
⑥運用中(2)
コーヒーの消費がすごいです。我儘スーパーバイザーは、話の合間に「無言の訴え」や
「大げさなジェスチャー」を交え、「誰かコーヒー入れてーーーーーっ」と無茶ブリを
出動させます。
熱いコーヒーを飲みながら、いろいろなデータにも目を向けます。些細な情報の中に
IKAROSに関する情報が含まれているかもしれません。
(Oさんから、「ねぇぇぇぇねぇぇぇ。ちょっと」と取得したデータに関する新しい
情報が聞こえてきます)
その情報は大変貴重な情報であったため、すぐさまチーム内で確認し、作業手順に
組み込みます。
⑦運用終了後
場を取り仕切りながら、今日の作業のまとめを行います。
今日の作業の結果から、検討や確認しておく事、次回の運用作業予定を確認します。
(この時点でも、様々な意見が飛び交います。)
***************************************
⑧運用室をあとにして
事務室に帰ったYOさんは、仲間から指摘されます。
「後ろ髪の寝癖ひどいよ・・・」
(なんで、作業中に誰も言ってくれなかったのーっ!!)
応援してくださっている皆様とチーム関係者の運用作業協力に感謝しつつも、
まだまだ修行が足りないと実感したYOさんでした。
皆様、いつもIKAROSを応援してくださり、また本日も長い文章にお付き合い頂き、本当に
ありがとうございます。
( KY )
P.S.
考えることがいっぱい溜まりすぎると、たまに作業と関係ないところで暴走したく
なってしまいます。
そろそろ暴走(妄想?)していいですか? Oさん。(続:新しい×××・・・)
6/28のIKAROS
太陽距離: 0.86AU
地球距離: 209370164km, 赤経=57.2°, 赤緯=17.5°
金星距離: 1.05AU(156817150km)
姿勢:スピンレート= ** rpm, 太陽角= ** deg
Today's IKAROS
Sun Distance: 0.86AU
Earth Distance: 209370164km, RA=57.2deg, Dec=17.5deg
Venus Distance: 1.05AU(156817150km)
Attitude: Spin Rate= ** rpm, Sun Angle= ** deg
今日(6月28日)は何の日?
・IKAROSが「DCAM1の画像より液晶デバイス(姿勢制御デバイス)の動作を確認」
(2010年/日本)・・・この後、6月30日に「定常運用移行」を発表。
・スペースシャトル「アトランティス」が宇宙ステーション「ミール」との初の
ドッキングに成功(1995年/アメリカ、ロシア)
06/15 02:58 : 今日の IKAROS(6/14) - Daily Report - June 14, 2012
Category: Operation
Posted by: IKAROS
またもや遅れてしまい,申し訳ありません(汗).
本日…というか昨日の運用もIKAROSの探索に
全力で臨みましたが,残念ながらIKAROSからの電波を
確認することは出来ませんでした.
前回のブログで,Y2さんから
詳細説明願いが出ていましたので,
僭越ながらご説明させて頂きます.
現在,IKAROSとの交信を復帰させるための条件は,
大きく『姿勢』と『軌道』に関するものに分けられます.
①まず,IKAROSが電波を発するためには,
IKAROS自身が電力を確保することが大前提と
なるため,太陽電池(+Z面)をある程度
太陽方向に指向させる必要があります.
②また,現在の地球距離でIKAROSからの電波が
地球に届くほどの強度になるためには,
アンテナがある程度地球方向に向いている必要があります.
この①,②が『姿勢』に関する条件です.
③IKAROSがきちんと電波を出していた場合でも,
地上局側のアンテナを,正確にIKAROSが飛んでいる
方角に向ける必要があります.
そのためには,ある時刻で,IKAROSがどこを
飛んでいるかを正確に知っている必要があるのです.
この③が『軌道』に関する条件です.
①,②,③の条件が全て整って,初めてIKAROSとの
交信が確立されます.
IKAROSが打ち上がって以来,冬眠運用に入るまで,
ほとんど常時,上記の条件がそろっている状態だったので,
IKAROSとの通信が問題なく行われていました.
逆に,通信が行えることで姿勢や,軌道の情報を
随時アップデートすることができ,
より正確な情報を把握することが出来ていたために,
上記の条件を満たすことが出来ていました.
しかし,冬眠モードに入ってからは,姿勢や軌道は,
予測するほかなくなりました.通信できないので,
情報のアップデートが出来なくなったためです.
では,どう予測するかということになりますが,
基本的にはこれまで蓄積してきたIKAROSに関する
知識をフル活用して,運用チーム内みんなで解決策を
話し合い,一番可能性が高いであろうことを解析
したりするわけです.
具体的には,まず姿勢を予測します.
これまでの運用の成果として,得られた姿勢データから,
太陽輻射圧によって,どのように姿勢が遷移していくか
という姿勢運動のモデルが構築されています.
このモデルを応用して,冬眠後の姿勢(スピンレート含め)を
予測します.もちろんモデルには誤差がつきもので,
ある程度,モデルの中のパラメータに幅を持たせて,
シミュレーションしまくるのです(主にY3が…).
その姿勢のうち,運用日当日に①,②の条件を
満たすような姿勢を割り出し,その姿勢を基に,
さらに軌道を予測し,③の条件が満たされることを信じて,
アンテナをその予測方向に振るのです.
難しさは,ソーラーセイル特有ですが姿勢が
軌道にカップリングしていることにあります.
ソーラーセイルは,大きな帆がどこを
向いているかによって,加速したり,減速したりします.
つまり姿勢が異なると,上記の①,②が満足できないだけでなく,
その異なる姿勢によって軌道までが変わってしまい,
③の条件も満足できないことになってしまうのです.
だいぶ長くなってしまいましたし,そろそろ眠いので
帰ろうかと思いますが,このような厳しい条件の中でも
運用者は,誰一人として諦めていません.
(もちろん,厳しいとは言え,これまでの実績をベースとした
解析や運用方針から,発見できる見込みは十分あると
思っているからというのが強いですが)
皆,それぞれ別のプロジェクトを抱えていたりで,
中々手が回らなかったりしますが,常にIKAROSのために
何が出来るかを考えています.
その理由が何かと思い返すと,もちろん我々自身の
IKAROSに対する思い入れというのもありますが,
応援して下さる方々がいるからだと気付かされます.
このように述べている私も,他プロジェクトの業務に
溺れている最中,『ねぇねぇ,ちょっといいかな~?』
と,寄ってくる人の猛攻に耐えかね,
『イ,イカロスシミュレーション…で,できねぇ…』と,
溺死してしまいそうになることが多々あるのですが,
そんな時,送って頂いたメッセージや,Twitterからの
応援メッセージ,このブログへのコメントの数々を思い出し,
背中を押されている気がします.
つまり,こういうことです.
『皆さんの応援,メッセージ』
↓
『IKAROS運用者,解析する人の座屈しかかった気持ち』
↓
『運用・解析頑張る』
↓
『IKAROS見つかる』
皆さんの応援がIKAROSの発見につながっています!
ええ,もちろん,なくても運用者は頑張るのです.
ですが,あった方がIKAROS発見の可能性は上がります.
(少なくとも,私の気持ちは上がります!)
ですので,皆様の暖かいご声援,これからもどうか
よろしくお願い致しますm(_ _)m
あ,ちなみに,前回Y2さんが仰っていた通り,
確実なことは言えませんが,解析によると
数か月前に比べると,①~③の条件が揃う可能性が
少なからず上がってきていると思われます.
次回運用は,6月28日です.
お楽しみに!(Y3)
6/14のIKAROS
太陽距離: 0.91AU
地球距離: 209691003km, 赤経=41.1°, 赤緯=13.0°
金星距離: 1.15AU(171583501km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°
Today's IKAROS
Sun Distance: 0.91AU
Earth Distance: 209691003km, RA=41.1deg, Dec=13.0deg
Venus Distance: 1.15AU(171583501km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg
本日…というか昨日の運用もIKAROSの探索に
全力で臨みましたが,残念ながらIKAROSからの電波を
確認することは出来ませんでした.
前回のブログで,Y2さんから
詳細説明願いが出ていましたので,
僭越ながらご説明させて頂きます.
現在,IKAROSとの交信を復帰させるための条件は,
大きく『姿勢』と『軌道』に関するものに分けられます.
①まず,IKAROSが電波を発するためには,
IKAROS自身が電力を確保することが大前提と
なるため,太陽電池(+Z面)をある程度
太陽方向に指向させる必要があります.
②また,現在の地球距離でIKAROSからの電波が
地球に届くほどの強度になるためには,
アンテナがある程度地球方向に向いている必要があります.
この①,②が『姿勢』に関する条件です.
③IKAROSがきちんと電波を出していた場合でも,
地上局側のアンテナを,正確にIKAROSが飛んでいる
方角に向ける必要があります.
そのためには,ある時刻で,IKAROSがどこを
飛んでいるかを正確に知っている必要があるのです.
この③が『軌道』に関する条件です.
①,②,③の条件が全て整って,初めてIKAROSとの
交信が確立されます.
IKAROSが打ち上がって以来,冬眠運用に入るまで,
ほとんど常時,上記の条件がそろっている状態だったので,
IKAROSとの通信が問題なく行われていました.
逆に,通信が行えることで姿勢や,軌道の情報を
随時アップデートすることができ,
より正確な情報を把握することが出来ていたために,
上記の条件を満たすことが出来ていました.
しかし,冬眠モードに入ってからは,姿勢や軌道は,
予測するほかなくなりました.通信できないので,
情報のアップデートが出来なくなったためです.
では,どう予測するかということになりますが,
基本的にはこれまで蓄積してきたIKAROSに関する
知識をフル活用して,運用チーム内みんなで解決策を
話し合い,一番可能性が高いであろうことを解析
したりするわけです.
具体的には,まず姿勢を予測します.
これまでの運用の成果として,得られた姿勢データから,
太陽輻射圧によって,どのように姿勢が遷移していくか
という姿勢運動のモデルが構築されています.
このモデルを応用して,冬眠後の姿勢(スピンレート含め)を
予測します.もちろんモデルには誤差がつきもので,
ある程度,モデルの中のパラメータに幅を持たせて,
シミュレーションしまくるのです(主にY3が…).
その姿勢のうち,運用日当日に①,②の条件を
満たすような姿勢を割り出し,その姿勢を基に,
さらに軌道を予測し,③の条件が満たされることを信じて,
アンテナをその予測方向に振るのです.
難しさは,ソーラーセイル特有ですが姿勢が
軌道にカップリングしていることにあります.
ソーラーセイルは,大きな帆がどこを
向いているかによって,加速したり,減速したりします.
つまり姿勢が異なると,上記の①,②が満足できないだけでなく,
その異なる姿勢によって軌道までが変わってしまい,
③の条件も満足できないことになってしまうのです.
だいぶ長くなってしまいましたし,そろそろ眠いので
帰ろうかと思いますが,このような厳しい条件の中でも
運用者は,誰一人として諦めていません.
(もちろん,厳しいとは言え,これまでの実績をベースとした
解析や運用方針から,発見できる見込みは十分あると
思っているからというのが強いですが)
皆,それぞれ別のプロジェクトを抱えていたりで,
中々手が回らなかったりしますが,常にIKAROSのために
何が出来るかを考えています.
その理由が何かと思い返すと,もちろん我々自身の
IKAROSに対する思い入れというのもありますが,
応援して下さる方々がいるからだと気付かされます.
このように述べている私も,他プロジェクトの業務に
溺れている最中,『ねぇねぇ,ちょっといいかな~?』
と,寄ってくる人の猛攻に耐えかね,
『イ,イカロスシミュレーション…で,できねぇ…』と,
溺死してしまいそうになることが多々あるのですが,
そんな時,送って頂いたメッセージや,Twitterからの
応援メッセージ,このブログへのコメントの数々を思い出し,
背中を押されている気がします.
つまり,こういうことです.
『皆さんの応援,メッセージ』
↓
『IKAROS運用者,解析する人の座屈しかかった気持ち』
↓
『運用・解析頑張る』
↓
『IKAROS見つかる』
皆さんの応援がIKAROSの発見につながっています!
ええ,もちろん,なくても運用者は頑張るのです.
ですが,あった方がIKAROS発見の可能性は上がります.
(少なくとも,私の気持ちは上がります!)
ですので,皆様の暖かいご声援,これからもどうか
よろしくお願い致しますm(_ _)m
あ,ちなみに,前回Y2さんが仰っていた通り,
確実なことは言えませんが,解析によると
数か月前に比べると,①~③の条件が揃う可能性が
少なからず上がってきていると思われます.
次回運用は,6月28日です.
お楽しみに!(Y3)
6/14のIKAROS
太陽距離: 0.91AU
地球距離: 209691003km, 赤経=41.1°, 赤緯=13.0°
金星距離: 1.15AU(171583501km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°
Today's IKAROS
Sun Distance: 0.91AU
Earth Distance: 209691003km, RA=41.1deg, Dec=13.0deg
Venus Distance: 1.15AU(171583501km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg