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Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日はビーコンによる状態確認と姿勢制御を行いました.
今日は私にとって久々の運用だったのですが,
ずっとビーコンを解読していました.
おそらく,1パス内でIKAROSのビーコンを解読した数の
世界記録保持者になったことと思います.
電波の強度が弱いため,非常に解読しづらく,目をやられます.
自分の中の心眼エネルギーも完全に使い果たしてしまいました.

ところで,「逆スピンレート」はついに4.5rpmにまで達しました.
結構な速さです.
どれくらい速いかといいますと,先端マスの速度に直しますと
秒速4.7m,時速で言うと約17km/hです.
これは,トップレベルのマラソン選手にはかなわないものの
運動不足の私やRさんは楽に置いていけるほどの速度です.
先端マスと私が追いかけっこをしたら,何度周回遅れにされるか
検討もつきません.
今の先端マスに張り合えるのは,IKAROSチームでは屈強なTさんくらいですね.
それぐらい速いです.

ちなみに,先端マスに当たるとどれくらい痛いかといいますと,
1.1m以上の高さから落とした500gのおもりに当たる感じのイメージです.
頭に当たると結構やられると思います.

先端マスで思い出しましたが,
むかーしむかし,スケートリンクで展開試験をやっていた時
どうしても先端のカーリングストーンの摩擦の不均一で,
カーリングストーンの追い越しがおこってしまっていました.
これが起こると,各ペダルの膜が絡まって非常に萎えるのですが
そこでOさんが何を思ったのか,
「4人の人間をカーリングストーンの代わりにして先端に結びつけて,
各々が加減速をしながら等速度で回るようにしたらどうだろう」
と言い出しました.
もうみんな完全に「ポカーン」状態でしたね.
マゾのY2さんならともかく,カーリングストーンの代わりに膜の先端に
くくられるなんて,かなりいけてないです.
結局は危険なので皆猛反対したことで実行に移されませんでした.
Oさんは笑いながら「冗談だよ」と言っていましたが,
その目は笑っていませんでした.

次回の運用は12/1(木)です.(T2)

--
11/29のIKAROS
太陽距離: 0.81AU
地球距離: 213285068km, 赤経=-148.3°, 赤緯=-10.3°
金星距離: 1.44AU(215098688km)
姿勢:スピンレート=-4.5rpm, 太陽角=30deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.81AU
Earth Distance: 213285068km, RA=-148.3deg, Dec=-10.3deg
Venus Distance: 1.44AU(215098688km)
Attitude: Spin Rate=-4.5rpm, Sun Angle=30deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日の運用では,ビーコンによる状態確認と,姿勢制御(リオリ)を行いました.

「逆スピンレート」はついに4rpmにまで達しました.
テレビのCMを1本見る間に1回転するペースですね.

20mもの膜がこんなに速く回っているって,すごいっ!と思った方々.

おぅおぅ!あの夏,三陸上空で見事に咲いたスピンセイル,20m膜面を,
まさか見忘れたとは言わせねぇぞ?

...先日Y3さんに御奉行とか言われたので調子に乗ってしまいました.すみません.
本当は御白州で平伏すほうが好きなんです.お許しを

2006年夏に行われた大気球によるソーラーセイル展開実験では,
重力による膜の垂れ下がりに抗うため,
IKAROSと同じ20m級の膜面をなんと20rpm以上で回したりしました.
まだまだ4rpmなんて止まって見える,というレベルです.
しかしそれだけの速さの遠心力を以ってしても,重力の影響が強いために
膜面はスカートのように少し下に垂れ下がった形で展開していました.

またこの実験は,高度37km,地上の1/100以下の気圧の環境で行いましたが,
それでも大面積に空気抵抗を受けるため膜がおおきくねじれたりしました.

地上実験で大型セイルの運動を理解するのは本当にたいへんです.
こういう実験を思い起こすと,
重力と空気抵抗の影響から解放された,太陽光圧が支配する惑星間空間で
IKAROSの膜の運動を調べられるということの妙を改めて感じさせられます.

※大気球による実験の詳細はこちらをご覧ください↓
http://www.isas.jaxa.jp/j/snews/2006/0831.shtml



今朝の臼田局の天候は雪だったそうです.
相模原も日に日に寒くなってきており,
帰り道に賑やかな夜空を見上げるのが楽しみな季節となってきました.
IKAROSは打ち上げから1年半が過ぎ,2度目の冬を迎えます.
(IKAROSの太陽距離という立場では2度目の晩夏くらい?)

当初の予定よりずっと長く運用してきても,いまだに(特に逆スピンして以降)
取得したデータから面白い情報が引き出せるというのが
IKAROS運用の飽きないところです.
まだまだ「これにて一件落着」と宣言する気にはなれませんね.


次回の運用は11/29(火),1ヵ月ぶりに長めの半パス運用となります.(Y2)
【訂正】
次回の運用は「明日」ではなく,来週火曜日(11/29)です.
ご混乱を招き失礼しました.しかも2連続で...平伏してお詫びします.
前回の文章をコピーしてきたものを修正し忘れたためであって,
運用はちゃんと来週29日をターゲットに行っておりますので,ご安心ください.


11/24のIKAROS
太陽距離: 0.79AU
地球距離: 208486810km, 赤経=-153.5°, 赤緯=-8.4°
金星距離: 1.42AU(212215176km)
姿勢:スピンレート=-4.0rpm, 太陽角=30deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.79AU
Earth Distance: 208486810km, RA=153.5deg, Dec=-8.4deg
Venus Distance: 1.42AU(212215176km)
Attitude: Spin Rate=-4.0rpm, Sun Angle=30deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
 11/22の運用は、ビーコン運用によるデータ取得と、姿勢制御を行いました。

 IKAROSは、本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。

 次回の運用予定は来週木曜日(11/24)です。


 地球とIKAROSとの距離は日に日に遠くなってきています。
 これに伴って、IKAROSから届く電波もどんどん、どんどん弱くなってきています。
さすがに臼田局の高性能な受信装置(電波を捕えて安定した状態の信号になおす装置)
でも、運用時間中ずっと安定的に電波を捕え続けることが難しくなってきています。

 そんな時におおいに役立つのが、受信装置に接続されているスペクトラムアナライザ
(通称:スペアナ)という装置です。
 受信装置は、雑音とIKAROSからの電波の強さの差がある程度ないと安定的に電波を
捕え続けることはできません。
 しかし、スペアナは、ある範囲に入ってきた雑音も電波も全て人間の目に確認できる
映像の形に直してくれます。
 受信装置で捕えきれない弱い電波でもスペアナでは確認できることが多々あります。
(もちろん、限界もありますが・・・)

 最近のビーコン運用時には、スペアナで見える映像を確認しつつ、一部の映像を
デジタル処理してパソコンで解析しながら、IKAROSの健康状態を確認しています。
(通信不可帯前後の運用でも大活躍した運用の仕方です)

 地球に近いところを飛んでいる探査機は、地球に届く電波もある程度強く、受信
装置で安定的に電波を捕え続けることができるので、このような運用の仕方は、
深い深い宇宙の彼方を飛んでいる探査機固有の運用技術の一つであることは、
間違いありません。


【11/23訂正】
次回の運用は、来週木曜日ではなく今週木曜日(11/24)です。
大変失礼いたしました。


( KY )


P.S.
 先週は、3泊4日の日程で鹿児島市立の小学校6年生を対象に、6校ほど「宇宙旅行に
でかけよう!!」というタイトルで「月と太陽」についての発展的授業をさせて頂いて
きました。
 すごく多くの小学校からご依頼頂いたのですが、日程の関係上、限られた小学校しか
まわれませんでした。鹿児島市の小学生の皆さん!!大変申し訳ありません。

 児童たちには大変多くの質問を頂き、なるべくイメージしやすいように答えたつもり
でしたが、授業が終わったあと、一人の児童に「フォーゼって知ってる?」と聞かれた
時には、私の顔には縦の線がいっぱい入っていたことでしょう・・・。

 しかも、私・・・「フォーゼ」って聞いて、最初に

「星の名前でそんなのあった?どこだろう?答えられないと児童の夢を壊してしまうかも
 しれない!!あーっ!!何て答えたらいいんだ・・・。ん?!もしかして、有名な
 作曲家だったりする?!」

と、まぁ、トンチンカンなことまで頭の中を駆け巡って・・・。

 結局、最後は「ごめんなさい。先生知りませんでした・・・。どうか教えてください」と、
その児童に頭を下げてお願いしたのですが、かの児童はイカロス君のドヤ顔ばりに
「にやっ♪」として走りさって行きました。。。

かの児童に悪いことをしたなぁ・・・と後悔しながら、ホテルに帰って調べてみたら・・・。
まさか・・・。今流行っている「仮面ラ○ダー」のことだったとは。

ますます顔に縦の線が・・・。

 
 




11/22のIKAROS
太陽距離: 0.78AU
地球距離: 206480857km, 赤経=-155.6°, 赤緯=-7.6°
金星距離: 1.41AU(211161555km)
姿勢:スピンレート=-3.9rpm, 太陽角=29deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.78AU
Earth Distance: 206480857km, RA=155.6deg, Dec=-7.6deg
Venus Distance: 1.41AU(211161555km)
Attitude: Spin Rate=-3.9rpm, Sun Angle=29deg



今日(11月22日)は何の日?

 ・古川宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船(27S/TMA-02M)がカザフスタン共和国に
着陸し、無事帰還しました。(本日)
   詳細はこちら↓↓↓
    http://www.jaxa.jp/press/2011/11/20111122_27s_j.html

 ・いい夫婦の日

 ・岡山県美星町で日本初の「光害防止条例」が公布・施行。(1989年)


Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日の運用では,ビーコンによるデータ取得と,
姿勢制御を行いました.

イカロス君が心配していましたが,
情報量は少ないものの,今日も彼の声は
きちんと届いています.

以前のOさんのブログでもあったとおり,
本日も逆スピンレート最速値を更新しました.
ここ最近では,スピンレートの値が
運用者の中でも注目の的です.

そんなスピンレートは,最近ではスペアナのデータから
読み取るようになっていますが,今日の運用では,
スピンレートの読み方が甘い!とY2さんに指摘されてしまいました.
す,すいません….

Y2さんは逆スピン運用後,最もスピンレートを気にしている
人物の一人で,もはや『スピンレート奉行』
と呼んでも過言ではありません.
IKAROSのスピンレートのことを語らせると,
彼に並ぶものは世界広しと言えど,そうそういないでしょう.

スピンレートを甘く読んでしまった日には,ひっ捕らえられる勢いです.
今後は,お奉行様にお縄を頂戴しないよう,注意深くスピンレートを
読み取らなければと心に誓った運用でした.

という内容でブログをアップしようと最新のブログを見ると,
Oさんが3日遅れで更新されていますね.
衝撃のスピード違反(遅い側)で,レート(速度)に厳しいお奉行様から
お縄を頂戴しないよう,祈っています.
自分も人のことを,とやかく言えるほど早い更新ではないですが…

次回運用は,少し空いて,11/22(火)の午前です.
(Y3)


11/17のIKAROS
太陽距離: 0.77AU
地球距離: 201258635km, 赤経=160.8°, 赤緯=-5.6°
金星距離: 1.40AU(208799957km)
姿勢:スピンレート=-3.3rpm, 太陽角=28deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.77AU
Earth Distance: 201258635km, RA=160.8deg, Dec=-5.6deg
Venus Distance: 1.40AU(208799957km)
Attitude: Spin Rate=-3.3rpm, Sun Angle=28deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
IKAROSブログの更新が遅くなってしまって大変申し訳ございません.
私は文章がすらすら出てこないので,会議等急ぎの仕事を終えた後に
夜にじっくりブログの構想を練ることが最近のパターンとなっていましたが,
今回は翌日早朝から出張が入っており,さらに・・(以下,言い訳省略)・・

すでに,11/15のブログでRさんから紹介されていますように,11/14,15の
運用にてリオリを実施しています.

推進薬が残り少なくなっているので,いつどのように噴射するか判断が難しく
なっています.本来は,姿勢がどのように変化するかじっくり見極めたうえで
方針を決めたいのですが,スピンレートの絶対値が大きくなっている
(「逆スピンアップをしている」or「逆スピンレートが速くなっている」)
ので,決断が遅くなるほど噴射効率が悪くなるというジレンマが発生します.

そこで,今後やるべき(やりたい)ミッションを改めてメンバーで確認し,
今回のリオリはこれらのミッションの実現にとって有利であるということから
実施することを決定しました.その中にはもちろん,「長期運用を実施し,
ソーラーセイルの航行記録を伸ばす.」というミッションも入っています.

なお,最近は,リオリ中にビーコン等でタンク内の圧力をモニタしています.
これについて少し解説しましょう.
2011/4/8のブログでも紹介しましたようにIKAROSは推進系として
「気液平衡スラスタ」を採用しています.
これは推進薬を液体として貯蔵し,蒸気ガスとして噴射するタイプで,
蒸気ガス噴射後,すぐに液体の推進薬が気化するため,
タンク内は飽和蒸気圧と一致します.しかし,推進薬が残りわずかになると,
推進薬がすべて蒸気ガスとなり,噴射するたびに圧力(推力)が低下します.

これを利用し,タンク内の圧力データが飽和蒸気圧と一致するかどうかで
残推進薬量が一定値を下回ったかどうか確認できます.さらに,
一致しない場合は蒸気圧から残推進薬量を精度よく計算することができます.

残推進薬量を正確に知ることは運用上も非常に重要ですが,気液平衡スラスタ
の性能を知る上でも大事です.この推進系は新規開発品であり,最大の課題は
蒸気ガスと液体を無重力状態で分離し,蒸気ガスのみを噴射することです.
噴射履歴と残推進薬量を組み合わせることで,これまで本当に液体噴射を
していなかったか確認することができます.
これもまた,やるべき(やりたい)ミッションの一つなのです(O).

次回の運用はすでに終わっています・・


11/14のIKAROS
太陽距離: 0.76AU
地球距離: 197991333km, 赤経=-164.0°, 赤緯=-4.4°
金星距離: 1.36AU(207580708km)
姿勢:スピンレート=-3.0rpm, 太陽角=32deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.76AU
Earth Distance: 197991333km, RA=-164.0deg, Dec=-4.4deg
Venus Distance: 1.36AU(207580708km)
Attitude: Spin Rate=-3.0rpm, Sun Angle=39deg


P.S.
・はやぶさ映画の試写会に行ってきました.
 IKAROS関連のシーンがたくさんあり感動です.
・たくさんの人に本を読んでいただきうれしく思います.
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日の運用では,太陽角を少し減らすべく,
太陽指向制御を行いました.
ちなみに,昨日も同じ運用をしたのですが,
まだブログがアップされていませんね...
(担当は,いつも朝まで仕事する"あの人"です)

昨日と今日の太陽指向制御の意図は,
11/12にY2さんが書いているように,
スピンレートが速いと姿勢変更がやりにくくなる
(より多くの推薬が必要になる)ので,
スピンレートがまだ比較的小さい今のうちに制御しておこう,
ということです.

ところで,
Y2さんがスピンレートの表現方法について書いていましたが,
私としては
 正のスピンレート:スピンレート
 負のスピンレート:逆スピンレート
として,その大きさの大小は,「速い」「遅い」で
表現すればよいのではないかと思っています.
そうすると
 「スピンレートが遅くなっている」(逆スピン運用前)
 「逆スピンレートが速くなっている」(逆スピン運用後)
のようにすっきりしませんか??

しかし,この表現も,イマイチ運用チーム内に浸透していません.
さらに上手い表現があればよいのですが...

次回の運用は明後日11/17(木),午前のパスです.(R)

11/15のIKAROS
太陽距離: 0.76AU
地球距離: 199091051km, 赤経=-163.0°, 赤緯=-4.8°
金星距離: 1.39AU(207970099km)
姿勢:スピンレート=-3.1rpm, 太陽角=32deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.76AU
Earth Distance: 199091051km, RA=-163.0deg, Dec=-4.8deg
Venus Distance: 1.39AU(207970099km)
Attitude: Spin Rate=-3.1rpm, Sun Angle=32deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
今日の IKAROS(11/12) - Daily Report - Nov 12, 2011

本日の運用は2時間のみで,ビーコンにより状態確認を行いました.
少ないデータですが,IKAROSは今日も順調なようです.


「今日のIKAROS」を書いていると,
どうしても逆スピン成立後のスピンレート変化などが公にわかってしまいますね.
評価結果はまとめてちゃんと発表したいところですが,
黒塗りで隠すわけにもいかず...というより惰性で書いております.
2億kmの彼方にいてここまで日々丸裸な探査機も珍しいものです.

お気づきの方もいらっしゃると思いますが,少しずつスピンレートは速くなっています.
今日はついに,二次展開が終了して以降,最速のスピンレートとなりました.
(調べるの大変でした.)
IKAROSは,また新たな未知の領域に踏み込みます.

スピンレートが速いと姿勢は安定しますが,姿勢変更がやりにくくなったり,
強い遠心力に膜材料が晒されたり,ほかにもいろいろ良し悪しがあります.
(10/29のブログもご参照ください.)

船乗りの技術を磨くために,どこまで危険を冒すのか,
まるでチキンレースのようです.
だんだん船長の舵取りが重要な局面になってきました.


ところで逆回転してから,スピンレートの表現方法が
イカロスチーム内でもいまいち統一できていません.
「スピンレートが増えている」なんていうと「どっちやねん!」となります.

私は,「逆スピンレート」「逆スピンアップ」のように
何でも「逆」を頭につければよいのではと提案しているのですが
誰も使ってくれません.
「現在は逆スピンレートが,逆に増えています.」
「二次展開以降のこれまでのスピンレートよりも逆スピンレートが逆に大きい」
逆にわかりにくいですね.うまい表現がないものか...


次回の運用は明日11/14(月),午前のパスです.(Y2)


11/12のIKAROS
太陽距離: 0.75AU
地球距離: 195761336km, 赤経=-166.2°, 赤緯=-3.5°
金星距離: 1.38AU(206853956km)
姿勢:スピンレート=-2.8rpm, 太陽角=33deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.75AU
Earth Distance: 195761336km, RA=-166.2deg, Dec=-3.5deg
Venus Distance: 1.38AU(206853956km)
Attitude: Spin Rate=-2.8rpm, Sun Angle=33deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日も前回より30分伸びて2時間の運用でしたが,超ショートパス運用であることには
変わりありません.確実にIkarosの情報を取得するためビーコンで状態確認を行いました。

それにしても,最近の運用ったら忙しいこと.
ビーコン運用なので,8bps以上が確保されていた数週間前の状態に比べたら,
得られる情報量は格段に少なくなっているのですが,なぜかそれに反比例して,
忙しい運用となっています.

ひとつは,運用時間が短いため.

そしてもうひとつの理由は,ビーコン運用を余儀なくされているため,
運用担当がビーコンをひとつひとつ受信信号波形からデータを解読して,
複数の解読結果に基づいて,その日に打つコマンドを決める,
ということをしているからです.

たとえば,最近,万一IKAROSの太陽電池が太陽を向かなくなった場合に自動的に太陽を
向ける自律制御を仕込んでいるのですが,そのパラメータを決めてやるために,
いろんな情報を総合して判断してやる必要があります.
テレメトリが取得できているころは,これらの作業のお膳立ては,すべて運用システムが
自動的にやってくれていたのですが,現在は手作業が間に介在しているため,これらの
作業の多くを私たち人間がやる羽目になっているのです.

IKAROS開発当初は,この運用システムの仕組みの複雑さに辟易していたものですが,
運用室のコンピューターたちは,やっぱり偉大です.

人間である私たちは,IKAROSの頭脳となって運用をしてきた気でいましたが,
もしかして今や,私たち人間がIKAROSの手足となってしまったのかもしれないですね.
それもまた良し,,,か.(Y)

11/8のIKAROS
太陽距離: 0.74AU
地球距離: 191318042km, 赤経=-170.3°, 赤緯=-1.9°
金星距離: 1.38AU(205704212km)
姿勢:スピンレート=-2.3rpm, 太陽角=25deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.74AU
Earth Distance: 191318042km, RA=-170.3deg, Dec=-1.9deg
Venus Distance: 1.38AU(205704212km)
Attitude: Spin Rate=-2.3rpm, Sun Angle=25deg

Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日(11/4(金))も昨日と同じく超ショートパス運用でしたので、
確実にIkarosの情報を取得するためビーコンで状態確認を行いました。
逆スピンになって2週間以上経過していますが、
スピンレートは少しずつ上昇しつつ状態は維持できています。

Ikarosは近日点(0.72AU)を通過しましたが、地球からの直線距離で見ても、
最近は1日毎に、片道に要する時間は約4秒、
往復に要する時間RTT(Round Trip Time)も約8秒増えている状況です。
公転速度は、いわゆる面積速度一定の法則により、
太陽に近い近日点ほど速くなります。
地球の場合は1月の速い近日点と7月の遅い遠日点で多少差はありますが、
平均すると秒速約30km(大まかに2π×1AU/約1年で求まる)、
金星(0.7AU,公転周期225日)の場合は秒速約35kmに対して、
最近のIkarosは更に速く航行しています。秒速は時速表記の3,600倍相当です。

また、宇宙空間で受ける太陽光のエネルギーは太陽からの距離の2乗に反比例するため、
1AU(=1.5億km)の頃と比較すると、
0.7AU付近では約2倍(=1/0.49)の強度になっています。
周回衛星のように1時間弱おきに日陰日照を繰り返すような急激な温度変化では
ありませんが、じわりじわりと熱くなっていました。
さらに、太陽角が増えると、内部の温度も上昇傾向にあります。

今日は90分間と限られていましたので、温度や推進薬のタンク圧、太陽角など、
必要最低限の情報取得のみでしたが、
次回の運用は11/8(火)で、2時間と少し増える予定です。(H2)

11/4のIKAROS
太陽距離: 0.74AU
地球距離: 186475629km, 赤経=-174.8°, 赤緯=-0.1°
金星距離: 1.37AU(204659885km)
姿勢:スピンレート=-1.6rpm, 太陽角=14deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.74AU
Earth Distance: 186475629km, RA=-174.8deg, Dec=-0.1deg
Venus Distance: 1.37AU(204659885km)
Attitude: Spin Rate=-1.6rpm, Sun Angle=14deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
今回の運用は過去最短の運用時間でした.
1時間30分のみの運用時間なので,バタバタしてました.
ビーコンで姿勢情報や温度情報を取得しました.

いつものことですが,本日早朝に運用のため出社したら
案の定Oさんがいました.また椅子で寝たんでしょうね.
Oさんの家庭が心配ですが,Oさんの奥様はよくできた方なので大丈夫なのでしょう.
私が奥様だったら
「そんなに椅子が好きなら椅子と結婚したらよかったじゃない!」
と拗ねてしまいそうです.

ところで,先週まで飛騨牛のおいしいところに長期実験で行っておりました.
なので,運用が久しぶりでした.
ただし,出張中もIKAROSのことはこれっぽっちも忘れていません.

え?飛騨牛? 美味しかったですねぇ.
いやー食べ物は本当に美味しかったです.ふふ.
YさんとHさんも試験に部分的に参加してもらいましたが
飛騨牛を食べているYさんの幸せそうなこと幸せそうなこと.
IKAROSが展開した時よりも幸せそうに見えたのは気のせいでしょうか.
私は出張中に体重が○.○kg増えてしまいました.

え?食べてばかりいたのかですって?
そんな事無いですよ.きちんと実験してました.これ重要ですよ重要.
たとえ飛騨牛をバクバク食し,ビールをガブガブ飲んでいる時も,
試験とIKAROSのことが頭から離れなかったです.人として当然です.

え?お土産は飛騨牛せんべいなのかですって?
その通りです.Rさんは不満だったようですが.

次回の運用は11/4です.明日も超ショート運用になります.(T2)


11/3のIKAROS
太陽距離: 0.73AU
地球距離: 185278910km, 赤経=-175.9°, 赤緯=0.3°
金星距離: 1.37AU(204467025km)
姿勢:スピンレート=-1.5rpm, 太陽角=13deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.73AU
Earth Distance: 185278910km, RA=-175.9deg, Dec=0.3deg
Venus Distance: 1.37AU(204467025km)
Attitude: Spin Rate=-1.5rpm, Sun Angle=13deg