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Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日の運用では,通信状況は多少良くなっていたものの,
テレメトリを取るまでには至らなかったため,ビーコンでの
運用となりました.

もうちょっとでテレメも取れそうだったのに….
世知辛いです.

さて,本日は,最近無線従事者として運用者に追加されたNさんに
ブログを書いて頂きました!
Nさん,ありがとうございます.

え?いやいや,無茶振りじゃないですよ~(笑)
IKAROS-blogに,また新たな仲間が増えて,嬉しい限りです.

(書きそびれていましたが,)
前回運用時に,太陽輻射圧によるトルクの影響で,
太陽角が大きくなっていたため,姿勢制御を行い,太陽指向しました.
その結果,太陽角が6°程度になっています(Y3)

===================================================
主任無線従事者として運用に参加している N です.
これまでブログ執筆の無茶振…いや,お誘いを巧妙に回避してきましたが,
本日ついに Y さんと Y3 さんのお誘いに屈してブログを書いています.

「主任無線従事者」とは,イカロス君の持っている無線設備の操作を監督する人間です.

イカロス君は,電波(無線通信)を使って地球のうすださんとお話ししています.
本来,原則として無線設備は「無線従事者」という総務大臣の免許を受けた人で
なければ操作してはいけないのですが,「主任無線従事者」が監督していれば,
免許がない人でも操作してよいことになっています(電波法という法律で
決まっています).

つまり,主任無線従事者というのはイカロス君とうすださんのお話を見守る仕事です.
私が担当しているのはイカロス側の通信系ですが,臼田局側は臼田局側で別の
主任無線従事者が見守っています.

IKAROS の主任無線従事者は他にも何人かおり,私は今年の夏から正式に
IKAROS 担当になったばかりの新参者です.何かの折に私が無線従事者資格を
持っているという話をした瞬間,それを聞いた KY さんの目がキラーン☆と….
それがすべての始まりでした(遠い目).
今では他の主任無線従事者と交代で,時々運用に参加しています.

「無線設備の操作の監督」というと偉そうですが,運用全体の監督はスーパーバイザ
さんが行いますし,通信系の操作についても他の運用メンバーのほうがよっぽどよく
わかっていますので,いたって平穏なものです.
(KY さんなど他の主任無線従事者はスーパーバイザとかけもちですが,自分の場合は
かけもちしていませんので,別のスーパーバイザさんが運用全体をつかさどります.)

本日も Y さんや Y3 さんが忙しそうにしているのを見て,少し申し訳ない気持ちに
なりながらも,飛騨牛せんべいなどの豊富な食料にニヤニヤしつつまったりと
「監督」をしています.

もっともこの平和は,イカロス君と他の運用メンバーのみんなが大いに創意工夫
して日々の通信を行っているからこそですね.ありがたいことです.
ついさっきも Y さんと Y3 さんが運用について真摯に議論していましたが,
自分も聞いているだけでも非常に勉強になります.

先日のブログの「設定を攻めに攻めて受信」の話などは無線従事者の資格試験で
出てくる用語のオンパレードで,一見無味乾燥に思えた試験の内容が衛星運用の
最先端でこうやって活躍しているのかと思うと,胸が熱くなりますね~.
この貴重なノウハウは今後の深宇宙探査にきっと受け継がれていくことでしょう.

ちなみに無線従事者にはいろいろな種類の資格がありますが,衛星運用はもちろん,
携帯電話や放送,航空,船舶など幅広い業界で役立つ資格です.
アンテナや衛星運用に興味がある方はチャレンジしてみると,きっと IKAROS Blog が
256 倍くらい面白く読めるに違いありません.

それでは,今後もイカロス君は無線で日々のお話を頑張っていきますので,
引き続き応援よろしくお願いしますね!(N)


10/30のIKAROS
太陽距離: 0.73AU
地球距離: 180426933km, 赤経=179.7°, 赤緯=2.0°
金星距離: 1.36AU(203876410km)
姿勢:スピンレート=-0.9rpm, 太陽角=6deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.73AU
Earth Distance: 180426933km, RA=179.7deg, Dec=2.0deg
Venus Distance: 1.36AU(203876410km)
Attitude: Spin Rate=-0.9rpm, Sun Angle=6deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
今回はフルパス運用でしたので,通信設定をいろいろ調整しましたが
(昨日のブログで解説されている臼田先生の隠し技「エラッ!!」を使い,
はちみつの味を濃くしたりうすくしたりしましたが),テレメトリは取得
できませんでしたので,ビーコン運用を行いました.

最近は,地球距離が大きくなっているだけでなくスピンレートも高く
なっています.
ガスジェットを使ってスピンレートを小さくすれば,スピンに伴う
ドップラー変化を小さくできる(周波数の変動を小さくできる)ので,
通信条件が多少改善されますが,スピンレートの変化傾向を知ること
自体にも意義があるため,なるべく制御しないようにしています.

さらに,一昨日のブログにもありますように,スピンレートだけでなく
太陽角もこれまでと異なり,増大しています.
太陽角が大きくなりすぎると電力確保が難しくなります.
一方で,姿勢がどのように変化するか把握することもミッションであり,
運用日程を考慮に入れてどのタイミングでリオリをするか悩ましいところです.
(残推薬量を考えると,スピンレートが高くなるほどリオリが大変になり,
 推薬をたくさん消費してしまうことも無視できません.)

逆スピン後のIKAROSの運動をよく理解し,これを安定化できれば,
長期的な運用が可能になるかもしれません.

後期運用(延長ミッション)をはじめるにあたり,厳しい環境で実際に
IKAROSを操縦することで,宇宙ヨットをもっとうまく乗りこなすための
「技」を鍛えると予告しましたが,まさにそのような運用が続いています(O).

ちなみに次回の運用はもうすぐ始まります・・


10/29のIKAROS
太陽距離: 0.73AU
地球距離: 179199516km, 赤経=178.6°, 赤緯=2.4°
金星距離: 1.36AU(203773606km)
姿勢:スピンレート=-0.8rpm, 太陽角=29deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.73AU
Earth Distance: 179199516km, RA=178.6deg, Dec=2.4deg
Venus Distance: 1.36AU(203773606km)
Attitude: Spin Rate=-0.8rpm, Sun Angle=29deg


P.S.
・お土産は飛騨牛「せんべい」でした・・

・イカロスの話とこれまでの経験を踏まえたメッセージを本にまとめました.
 宇宙ファンはもちろん,そうでない方(特に若い人)にも
 ぜひ読んでもらえればと思います.

・IKAROSグッズを紹介します.
 ハロウィーン版のクッションです.なんとイカロス君は逆回転しています.
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Category: Operation
Posted by: IKAROS
 10/28(金)の運用は、ビーコン運用による健康状態の確認、再生レンジングを
行いました。

 IKAROSは本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。

 次回の運用予定は明日土曜日(10/29)未明からです。

 逆スピン移行後のIKAROSの姿勢状態や、臼田局とIKAROSとの距離がどんどん遠く
なっている状況から、IKAROSとの通信状況も日々顕著に変化しています。
 本日の再生レンジングは、今までのような各種通信設定では距離をうまく計測する
ことができず、設定を変更・調整しながらの計測となりました。

 スーパーバイザー担当は、しばらくこの「最適な通信状況確保のために各種通信
設定とのリアルタイムな戦い」が続きそうです。

( KY )



P.S.

 10月15日に私の書いたblogにて、
(http://www.isas.jaxa.jp/home/IKAROS-blog/index.php?itemid=949)


【臼田局での「設定を攻めに攻めて受信」】

と題して説明させて頂きましたが、やはり内容が暴走しすぎて、うまく説明できておらず、
ある方から「まったくわからん!!」とお叱りを頂きました・・・。

 この場をお借りして少し補足させて頂きます。(物語の表現とは少し違った表現に
なりますが、ご容赦ください)

 はちみつの味を濃くする:IKAROSからの電波は搬送波という信号を伝送するための
        土台信号(トラック)に変調という方式を使って副搬送波という
        入れ物用信号(荷台)をつくりだしていて、この副搬送波に
        テレメトリの信号を含ませて(荷台に荷物を載せる)います。
        変調の度合いを強くすると副搬送波の強さも強くなって(荷台の
        大きさが大きくなって)臼田局ではテレメトリ信号を解読しやすく
        なります(荷物の量が変わらなければ識別しやすくなる)。
        一方、IKAROSからの電波の総強さ(トラック/荷台/荷物の総重量)
        は一定であるため、変調度の度合いを強くすると(荷台を大きくすると)、
        搬送波の強さは弱くなって(トラックの大きさは小さくなって)しまい
        ます。
        「はちみつの味を濃くする」とは、変調の度合いを強くすることを
        意味しています。

 臼田先生の隠し技「エラッ!!」:臼田局のアンテナの下についている受信設備には
        PLL(フェイズロックループ)という機能があります。
        これは探査機からきた搬送波信号を安定的に捕えるための機能
        (トラックが入庫するための入口ドア)です。
        この機能のバンドワイド(入口の大きさ)を調節することにより、
        IKAROSからの搬送波信号を安定的にとらえることができます。
        ただし、ハンドワイドを広げる(トラックの入る入口を大きくする)と
        ノイズ(雨粒や埃)も一緒に入れてしまうことになり、搬送波が
        ノイズに埋もれてしまって搬送波が捕えにくく(トラックが雨や埃まみれ
        になって何処にいるか、入口からいつ入ってきたのかわからなくなる)
        なります。
        これにはバンドワイドを狭くして(入口を小さくして)、ノイズを拾う
        領域をなるべく無くして(雨粒や埃が入口から入って来づらくして入口
        手前で捨ててしまう。つまり入口ドア横にエラ機能)やれば良く、
        搬送波を一旦捕えてしまえばノイズも少ない状況で受信できます。
        今回の隠し技は、普段使わなかったような狭いバンドワイド広さの設定
        を使ったことを意味しています。


うーん。人に伝えられる説明には、まだまだもっと修行が必要なようです。



10/28のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 177967099km, 赤経=177.4°, 赤緯=2.8°
金星距離: 1.36AU(203688534km)
姿勢:スピンレート=-0.7rpm, 太陽角=23deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 177967099km, RA=177.4deg, Dec=2.8deg
Venus Distance: 1.36AU(203688534km)
Attitude: Spin Rate=-0.7rpm, Sun Angle=23deg






今日(10月28日)は何の日?

 ・航空宇宙技術研究所試作の短距離離陸機STOL実験機「飛鳥」初飛行(1985年)

 ・イギリス初の人工衛星「プロスペロ」打上げ(1971年/イギリス)

 ・群馬県民の日:1871年(明治4年)に群馬県の名称が初めて使われたことを記念して
       1985年(昭和60年)に県が制定。
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日は再生レンジングを行いました.
データ取得はビーコンにて行いました.

Hさん同様,私も飛騨へ出張へ行ってまりました.もちろんこの
出張中もIKAROSのことは忘れていません.

私は,逆スピン成功以来,セイルの平面度を推定する作業を続けていました.
(飛騨牛を食べながら)

スピンがいったんゼロになった際に,遠心力が全くかからない状態を
経たため,その瞬間太陽光圧やセイルそのものの材料特性の影響が卓越し,
セイルの平面度,しわの状況が変化したと考えられます.

セイルは基本的には平面形状を保っているのですが,ちょっとした
表面のしわの状態の変化でも,長期的なIKAROSの姿勢には,大きく
効いてきます.

そこで,姿勢運動を正しく理解し,さらにそこからセイルのしわの状態を
推定することが(飛騨牛を食すことよりも)重要になるのです.

まだ逆スピンから日が浅いため,逆スピンによりセイルに何が起きたか,
を完全に理解するまでには至っていませんが,少なくとも太陽角は増大傾向,
スピンレートも増大傾向となっており,これまでと傾向は正反対です.

これから運用を重ねてデータを集め,新生IKAROSの性格をつきとめて
行きたいと思います.
おいしかった飛騨牛のことを想いながら.(Y)

10/27のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 176730088km, 赤経=176.3°, 赤緯=3.2°
金星距離: 1.36AU(203621056km)
姿勢:スピンレート=-0.6rpm, 太陽角=19deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 176730088km, RA=176.3deg, Dec=3.2deg
Venus Distance: 1.36AU(203621056km)
Attitude: Spin Rate=-0.6rpm, Sun Angle=19deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
今日の運用では,昨日よりもさらに地球角が大きく,通信条件が悪かったのですが
何とか踏みとどまって昨日と同じ通信速度で運用できました.

ただ,今日は軌道決定のためのレンジングなどを優先したため,
データレコーダに蓄積したデータは,ほとんど取得できませんでした.

はやぶさが太陽光圧によって自動的に太陽追尾したように,
IKAROSのスピン軸方向は,太陽方向を追尾しつつ
太陽方向(近辺)を中心にぐるぐる回っています.
明日以降,あと数日すれば再び地球角が小さくなるはずなので,
そうすればY3さんご所望のデータも取得できるのではと思います.

次回運用は,明日10/27(木)です.(R)

10/26のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 175488910km, 赤経=175.2°, 赤緯=3.7°
金星距離: 1.36AU(203571016km)
姿勢:スピンレート=-0.6rpm, 太陽角=14deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 175488910km, RA=175.2deg, Dec=3.7deg
Venus Distance: 1.36AU(203571016km)
Attitude: Spin Rate=-0.6rpm, Sun Angle=14deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日の運用では,前回運用に引き続き,データレコーダに
貯まったデータの再生を行いました.

但し,本日の運用では,姿勢が地球の方向から離れて
しまっていたため,前回運用時の半分のビットレートでの
運用となりました.

今日降ろしたデータは,逆スピンを行った後のデータに続き,
逆スピン運用を行う前の,大マヌーバを行った時のデータも
降ろしました.

そういえば,以前Hさんから振られていた,
Y,Y2,Y3の3兄弟の誰かが説明することになっていた,
大マヌーバ運用に関する説明を長らく忘れていたので,
少しご紹介したいと思います.
(Hさん,ごめんなさい…)

9月の後半で2回ほど行った,大マヌーバ運用というのは,
イカロス君の軌道を変更するために実施した実験です.

皆さんご存知のとおり,ソーラーセイルの軌道というのは,
姿勢(つまり,セイルの向き)を変えることで変化させることが
出来ます.

これまでも幾度となくセイルの向きは制御してきましたが,
アクティブに”軌道を制御するためだけ”に,
数10deg姿勢を変更するという運用は,この時の実験が初めてでした.
結果として,100%成功したわけではないのですが,
その当時(9月下旬)の,データが中々取得できない状況で行った実験にしては,
それなりに上手くいったものと自負しています.

一方で,浮き彫りになった課題も多々あったので,
現在も引き続き解析を行っています.

この時の実験では,せいぜい 1~2週間程度の期間だけ,
姿勢を動かしていたので,軌道が変わったと言っても,
大幅に変化したわけではありません.
(金星と地球軌道の間の楕円軌道を回っていたものが,
火星に向かう軌道に移るような話ではありません)

それは,あれだけ大きなセイルを展開していても,IKAROSのセイルによって
生み出される力というのが,地球上での1円玉の10分の1程度の
重さ分の力にしかならないことを考えると,ご想像に難くないと思います.
つまり,ソーラーセイルの軌道を大きく変えようとすると,
長期間(数ヶ月であったり,数年であったり)姿勢を
目的の方向へ向けなければならないということです.

気の長ぁぁぁぁい話ですね.

軌道の変動自体は,天文学的なスケールで見ると,
とても小さな量でしたが,今回の実験が,
将来のソーラーセイルミッションの礎になることを
考えると,大きな成果だったのではないかと思います.

どうか皆さんも,長ぁぁぁぁい目で温かく見守って下さいね.
次回運用は明日…というか既に今日10月26日(水)です(Y3)
(遅くなってごめんなさい…)


10/25のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 174244020km, 赤経=174.1°, 赤緯=4.1°
金星距離: 1.36AU(203538241km)
姿勢:スピンレート=-0.5rpm, 太陽角=11deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 174244020km, RA=174.1deg, Dec=4.1deg
Venus Distance: 1.36AU(203538241km)
Attitude: Spin Rate=-0.5rpm, Sun Angle=11deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
今日の運用では,昨日よりもさらに2倍の通信速度で大量のデータ取得を...
と思っていましたが,昨日と同じビットレートでの運用となりました.

逆スピン状態での姿勢運動がかなり読めるようになってきたこともあり,
「このままの姿勢運動を続ければ今日は倍のビットレートでもいけるかも??」
とパス前には目論んでいたのですが,臼田の天候(雨や風)の問題もあって
あまりビットレートを上げることはできませんでした.
残念!

それでも今日は久しぶりのフルパス運用ということで,
たっぷり12時間の運用を活用して,
普段よりはるかに多くのデータの取得に成功しました.
これで逆スピン運用中のデータもかなり取得できたので,
これからチーム内で議論・検討を深めていきたいと思います.

...

ところで,(というか,ある意味こっちの方が(?)私にとって重要なことなのですが)
昨日のHさんのブログに書かれていたように,
IKAROSチームの何人かは,飛騨牛のおいしい地方に出張にいっております.
うらやましい限りであります.
出張先で仕事をきっちりとこなすことは当然として,それだけでなく
きっと「素晴らしい」おみやげを持って帰ってきてくれるものと信じています.
ひょっとすると来週の運用中に,運用室宛てに桐箱入りの「何か」が届くかもしれません.
(フルパス運用12時間は大変だったなあ...>出張者のみなさん)

ちなみに,物欲にまみれた私Rにとっては
「みやげ話だけで十分です」ということにはなりませんので,あしからず>T2さん

次回の運用は,少し間があいて,10/25(火)です.(R)

10/22のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 170492023km, 赤経=170.6°, 赤緯=5.4°
金星距離: 1.36AU(203541496km)
姿勢:スピンレート=-0.4rpm, 太陽角=11deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 170492023km, RA=170.6deg, Dec=5.4deg
Venus Distance: 1.36AU(203541496km)
Attitude: Spin Rate=-0.4rpm, Sun Angle=11deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
 今日はHK取得,データレコーダの再生,もしものときに登録
してあるタイムライン(宿題)の設定変更等を行いました.
 現在,IKAROSの位置は地球から徐々に遠ざかっているのですが,
アンテナが昨日よりも地球側に向いていたため,無事テレメを取
得することができました.しかも昨日より早いビットレートで取
得できました.

 タイムラインの設定変更とありますが,逆回転成功以降は未知
の部分が多いので,万が一何か起きた場合のためにタイムライン
を登録してあります.無事に今日の運用を始められたので必要の
なくなったものを削除し,今日の状態を取得してからパラメータ
を再設定したりというのも最近の日課になっています.

 さて,本日まで前半パスと呼ばれる時間帯でしたが,明日からは
フルパスの運用が入ってきます.深夜に開始するというのも辛いの
ですが,更に10時間以上の運用になるので過酷です...

 今週から飛騨牛のおいしい地方に出張にいっているメンバが何人
かいるのですが,私も合流予定です.残念ながらフルパス運用には
参加できないのです.
 私は出張先で仕事をきっちりとこなし,飛騨牛...は食べずに
応援しています.運用担当の方,貴重なデータを逃さないよう,頑
張ってください(H)



10/21のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 169237356km, 赤経=169.5°, 赤緯=5.8°
金星距離: 1.36AU(203575689km)
姿勢:スピンレート=-0.3rpm, 太陽角=11deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 169237356km, RA=169.5deg, Dec=5.8deg
Venus Distance: 1.36AU(203575689km)
Attitude: Spin Rate=-0.3rpm, Sun Angle=11deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日の運用では,テレメトリの取得と,データレコーダに
蓄積された,逆スピン運用時のデータの再生を行いました.

今日も通信状態は良好で,本日の目標にしていたデータ量は
降ろしきることができました.

一昨日の運用室と打って変わって,今日の運用室は,
以前のように静かなものでした.
最近の通信速度では,降ろせるデータ量も限られますので,
データの再生を行う運用では,ただひたすら,
イカロス君が降ろしてくるデータを待つことになるのです.

もちろん,嵐のような一昨日の運用を,成功を以って
終えることが出来た上で,訪れた静寂です.
束の間だとは思いますが,この静かな運用室をまた経験する
ことが出来て,私自身はとても幸せです.
他の運用者も同じように感じていることでしょう.

データの評価・解析結果は,後日公表されることになると
思いますので,楽しみにして頂いている方,
たくさんいらっしゃると思いますが,もうしばらく
IKAROSチームにお時間頂くことを,お許し頂ければと思います.


さて,今回の逆スピン運用では,日々交代で運用を行っている
運用者がほとんど一堂に会し,皆で逆スピンの挙動を見守って
おりましたが,最も大変だったのは,Y2さんだったと思います.
逆スピンを行うに当たって,必要となる膜の挙動解析から,
実際に運用で使用するコマンドの細部に至るまで,
Y2さんを中心として皆動いてきました.

その様子と,心持ちは,昨日のブログからも計り知れるところかと
思います.
Y2さん,本当にお疲れさまでした.
その貢献を労って,かつブログの書き方の上手さに
後押しされて,自分もClap!押しまてしまいました(笑)


話が少し変わりますが,IKAROSが打ち上がってから,
早517日が過ぎ去りました.
一昨日の逆スピン運用は記憶に新しいですが,
これまでの様々な運用の歴史が,どれも鮮明に思い出されます.
この517日間は,世界初のソーラーセイルが,
深宇宙で航行し続けたという,言わば世界記録なのです.

今後も,この世界記録を更新し続けられるよう,
運用者一同,誠意を尽くして運用を続けていく所存ですし,
イカロス君もその誠意に応え続けてくれると思いますので,
皆様も,どうかこれからも,これまでと変わらぬ応援のほど,
よろしくお願い致します(Y3)


10/20のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 167981621km, 赤経=163.3°, 赤緯=6.2°
金星距離: 1.36AU(203626015km)
姿勢:スピンレート=-0.3rpm, 太陽角=9deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 167981621km, RA=163.3deg, Dec=6.2deg
Venus Distance: 1.36AU(203626015km)
Attitude: Spin Rate=-0.3rpm, Sun Angle=9deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日の運用では,HKデータの取得,逆スピン噴射時のデータ再生を行いました.

逆スピン状態になった場合の姿勢運動についてはまだまだ未知の状態ですので
1日経過してちゃんと通信できるかどうかすら不安がありましたが,
無事に電波を受信でき,テレメトリも取得できました.
逆スピン時のデータも順調に取得できております.
まだまだ逆スピン状態の運動の評価中で気が抜けませんが,
まずは無事逆スピンに成功し,ほっと一息,というところです.


逆スピンについては,半年前では全く勝算を持っておらず,
こんな運用は自殺行為だ,と正直なところほとんど諦めかけていました.
いくらシミュレーションしても,遠心力が弱まった状態で荒ぶる膜面を制御できず,
膜面が絡まったり太陽電池面やアンテナに膜が被ったり,
とにかくもういろいろと破綻していました.


しかし,今年の6月から低スピン運用を行ったことにより,状況が変わってきました.

最近ではごく当たり前に0.2rpmの低スピン状態を維持していますが,
当初は,遠心力が弱まることで膜面がたわみ,展開形状が
維持できなくなる危険性が高い領域だと認識していました.
それが,低スピン運用によって慎重にスピンレートを下げてみたところ,
遠心力が弱い状態でも思いのほか膜面をちゃんと張る状態が維持できることがわかり,
これまでシミュレーションで使っていたセイルの力学モデルも見直す必要があることがわかってきました.
こうして修正したセイルの力学モデルを以ってシミュレーションを重ねた結果,
「これなら逆スピンもいけそうかな」と考えるに至りました.

そうは言っても,いろいろな不具合が高い確率で想定され,
リスクが高いことには代わりがありません.
このため,昨日のOさんブログに書かれたとおり
想定される不具合に対しても対策を施した上で入念に準備を行い,
逆スピン運用を行った結果,昨日見事に成功しました.


低スピン運用と,逆スピン運用,どちらもリスクが高い運用でしたが,
この2つの運用を行わずに,セイルの力学をちゃんと理解することはできないと思います.
通常ならこのようなリスクの高い運用は行えなかったかもしれません.
ミニマムサクセス,フルサクセスを達成し,後期運用において
さらに挑戦的な運用が可能であったIKAROSだからこそ冒せるリスクなのかもしれません.
こうして得られるデータは,本当に貴重なものです.
出来るだけ長く運用してデータを取得し,セイルに対する理解を深めたいと思います.


ところで,昨日逆スピン状態に移行したことが確認できた後の運用室の雰囲気は,
万歳三唱・・・ではなく,なぜか微妙な「うーん・・・」というものでした.
逆スピンコマンドを送信するときは,
「イカロス,お前のうめき声を聞かせてみろっ!」というくらいの悲壮な覚悟でいたのが
「逆スピン? いいよー!」「えいっ!!」「あ,できたよ.で,次は?」
という感じであっさりとイカロス君が返事をしてきたために,
拍子抜けしたというのか,何か呆れたというのか,
歓喜する瞬間を逸してしまいました.
同時に逆スピン開始までの緊張の疲れがどっと一気に押し寄せてきたかんじで,
私の場合,運用後はすぐ帰宅して日没前に眠りに落ちる始末でした.

まだ実感が湧かないというだけかもしれませんけれども.
せっかくすごいことを成し遂げたのに,拍手も無しなんてちょっともったいない!
...みなさんのたくさんのClap!が大いなる救いです.

次回の運用は明日10/20(木)未明開始の前半パスです.(Y2)

10/19のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 166725400km, 赤経=167.2°, 赤緯=6.6°
金星距離: 1.36AU(203692203km)
姿勢:スピンレート=-0.3rpm, 太陽角=6deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 166725400km, RA=167.2deg, Dec=6.6deg
Venus Distance: 1.36AU(203692203km)
Attitude: Spin Rate=-0.3rpm, Sun Angle=6deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日は,事前にブログにてご連絡しましたようにIKAROSのスピンを逆方向
にする「逆スピン運用」に挑戦しました.

一般にソーラーセイルは,マストでセイルで支える方式(マスト型)と
スピンの遠心力でセイルを展張する方式(スピン型)に分けられます.

現在,世界各地で開発が進められているソーラーセイルのほとんどは
マスト型ですが,IKAROSは将来計画を視野に入れ,セイルの大型化に
有利なスピン型を戦略的に採用し,これを実証しています.

スピン型では,膜面の運動が複雑になります.IKAROSではこれまで
大型膜面展開・展張ミッション等を通じてこの運動を解明し,
シミュレーションで再現できるよう力学モデルを構築してきました.

しかし,後期運用では,スピンレートや姿勢を思い切って変化させ
膜面挙動・形状の変化を積極的に引き出して力学モデルをより正確
にすることを一つの研究テーマとしています.

これまでに,この研究テーマの一環として低スピン運用や大姿勢変更運用
を実施してきました.そして今回いよいよ逆スピン運用を実施すること
になったのです.

逆スピン運用はスピン型の基本となる遠心力がなくなる瞬間があるため,
これまで以上にリスクを伴います.膜面の引っかかり,破れ,絡まり等が
発生し,姿勢を大きく乱したり,膜面が本体上面を覆ってしまい,通信や
発電ができなくなることも考えられます(シューマイ状態やギョウザ状態
と呼んでいます).

そこで,これまで得られたモデルで予めシミュレーションを行い,
事前にどのような事象が考えられるか洗い出し,どのデータで
それを判断し,どう対策するか,といったことを一つ一つ議論しました.

たとえば,シューマイ・ギョウザ状態でもタイムラインコマンドにて,
適切なタイミングで,LGA1(上面アンテナ)からLGA2(下面アンテナ)
に自動的に切り替えることで,通信ができる可能性を高めていました.

このほか,スピンレートの自律制御を逆スピン用に書き換えたり,
GAPやALDN等の機器を安全な状態にし,後から悔いが残らないように
これらの観測データを極力リプロしておくといったことを行いました.

そして,いよいよ本番です.事前になるべく低いスピンレートまで
落としておいて,速やかに逆スピン移行する計画です.
IKAROS運用室は大型膜面の展開・展張時以来の緊張感に包まれました.
しかし,イカロス君はそんな重圧をもろともせず,見事に逆スピンに
移行しました.
「成功です!」
さすがイカロス君ですね.

これでまたスピン型ソーラーセイルの可能性が大いにひろがりました.
そもそもスピン型宇宙機が逆スピンになったのは初めてかもしれませんね.

しかし,まだまだ気を抜くことはできません.
IKAROSの逆スピンの運動は必ずしも通常のスピンの運動と一致しません.
この運動を理解して安定的な運転ができるかどうかが今後の運用を
決める重要なポイントと考えています.

IKAROSの運用は大きな山場を迎えました.
引き続きイカロス君の応援をよろしくお願いいたします(O).


10/18のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 165469282km, 赤経=166.0°, 赤緯=7.0°
金星距離: 1.36AU(203773965km)
姿勢:スピンレート=-0.2rpm, 太陽角=28deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 165469282km, RA=166.0deg, Dec=7.0deg
Venus Distance: 1.36AU(203773965km)
Attitude: Spin Rate=-0.2rpm, Sun Angle=28deg


P.S.
南アフリカの路上で慣れないブブセラを楽しそうに吹いていたのは
T2さんだったような・・

IKAROSグッズを紹介します.
打上げ日からの日数を示してくれる「IKA-METER」です.
運用室で活躍しています.4ケタもあるのがうれしいですね.
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Category: Operation
Posted by: IKAROS
 IKAROSでは,2010年12月の定常運用終了以降,後期運用を継続しています.後期運用
での研究テーマの一つに「膜面挙動・膜面形状の変化を積極的に引き出して展張状態の
力学モデルを構築する」ことを掲げていますが,そのための一実験として,IKAROSの
スピンを逆方向にする「逆スピン運用」を以下のスケジュールで実施する予定です.


 実施スケジュール: 10月18日(火)~10月22日(土)
 バックアップスケジュール: 10月25日(火)~10月30日(日)


このスケジュールは,以下2点のIKAROSの状況を踏まえて設定しました.これらの限られた
状況の中で,今回「逆スピン運用」にチャレンジすることが,現状の運用を継続してデータ
の価値を高めることと比較して,最も価値があり有用な知見,成果が得られると考えて
います.


・通信状況
  IKAROSは地球から遠ざかっており,以下の実績のように通信状況が悪化しています.
 10月下旬からは,姿勢を調整してもテレメトリの取得が非常に厳しくなる見通しです.
  5~8月:テレメトリ運用(8~16bps)
  9~10月:テレメトリ運用(8bps),または,ビーコン運用

・残推進薬量
  IKAROSは打上げ時に推進薬を20kg搭載していましたが,9月3日時点の残推進薬量は
 約3.4kgと推測しています.IKAROSでは,膜面に太陽光が当たるとスピンレートが変化
 する「風車効果」が発生しているため,スピンレートの制御を適宜実施しています.
 このため,現在の運用を基本として続けた場合でも11月~1月には推進薬が枯渇する
 見通しです.


<逆スピン運用の概要>
 IKAROSは,スピンの遠心力によって膜面を展張し,姿勢を安定させていますが,逆スピン
に移行するときに,一時的にスピンレートがゼロになる瞬間が発生するため,逆スピン運用
はこれまでの運用に比べリスクが大きくなります.
 逆スピン運用の前段階として,すでに低スピン運用を実施しました.これまで1rpm
(1分間に1回転)以上を維持してきたスピンレートを最小0.055rpm(1分間に0.055回転)
まで低下させました.一般にスピンレートが小さくなると膜面が大きくたわむと予想され
ますが,モニタカメラで膜面の状態を観測したところ,予想とは一致しない状態(たわみが
殆ど無い状態)も見られ,力学モデルの構築のための貴重なデータが得られました.
逆スピン運用を実施することで,膜面挙動・形状についてさらに理解を深めるためのデータ
を取得する予定です.
Category: Operation
Posted by: IKAROS
 10/15(土)の運用は、健康状態の確認、最近使用していなかった搭載機器の性能確認、
データレコーダに蓄積されているGAP、ALDNデータの再生を行いました。

 IKAROSは本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。

 次回の運用予定は来週火曜日(10/18)未明からです。

 今日時点での地球からIKAROSまでの距離は、1億6千万kmを超えています。
 もう、地球から太陽までの距離より遠いのです。
 ここまで遠くなるとIKAROSから届く電波の強さもものすごく弱く、少し風が強くて
臼田局のアンテナが揺らされたり、雨が強く降ったりすると、IKAROSの健康状態を知る
ためのテレメトリを受信するのも困難になってきます。
 もちろんビーコン運用での情報取得はまだ出来ますが、やはり情報量の多いテレメトリ
運用を少しでも継続させたいものです。

 今日の運用でも、私が今週知恵熱でフラフラしている間にT2さん達が会得した技術
「送信機側,受信機側の設定を攻めに攻めてテレメトリを受信」、「気合で何とか受信」
をT2さん、Y2さん、Oさん、北陸のオオカミDYさんのお父さん達に見守られ(指導され)
ながら、私も伝授してもらい何とか成功し、最後まで維持することができました。
(前述の通り、風や雨が強かったりすると成功しなかったかもしれませんが)

 この「設定を攻めに攻めて受信」。少し解説しますと

想像してください!!

***********

 シトシトと雨が降っています。空高い雲の上にホースを持ったイカロス君が立って
ドヤ顔をしています。

 「臼田先生〜っ!!先生の好きなあまぁ〜い、甘いハチミツ準備できたよぉ〜♪」

 それを聞いた臼田先生、大きな口を開いて

 「はいよっ!!出してちょうだい!!」

 臼田先生は、イカロス君がホースから出したハチミツを一生懸命に大きな口で受け
取ろうとしますが、高い上空から落ちてくるハチミツは周りに飛び散りながら臼田先生
のもとに届きます。
 しかも臼田先生の大きな口は、一緒に雨粒も受け取ってしまいます。

 「何か雨も一緒に混じってるから味が薄すぎて、ハチミツの甘さが全然わからない。
  よぉ〜〜〜しっ!! こんな時は隠し技だ!! その名もぉ〜〜〜っ!!」


 「エラッ!!」


 なんと!!臼田先生の喉に魚のエラのようなものが現れました!!
 臼田先生、エラのようなものから雨だけ上手に捨てながら、ハチミツだけ喉の奥に
流し込んでいきます。

 「わかる!! ハチミツの味がはっきりわかるっ!! あまぁ〜い。おいしぃ〜♪」


 良かったですね♪臼田先生。イカロス君もよく頑張りました♪
 しかし、イカロス君が内緒でハチミツの味も濃くしていたのは誰にも内緒です♪

****************

 ここで、ハチミツがIKAROSからの電波。シトシト降る雨をIKAROSからの電波の周囲に
あるノイズに置き換えてみてください。
 「設定を攻めに攻めて受信」とは、つまり普段は使用しないエラ設定やハチミツの味
を限界まで濃くするような設定を行って運用することです。

 理解不能な説明なってましたら大変申し訳ありません。
 勉強し直して参ります。 

( KY )

P.S.
南アフリカのおみやげは、野生な味満載でした・・・。




10/15のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 161707518km, 赤経=162.5°, 赤緯=8.2°
金星距離: 1.36AU(204109585km)
姿勢:スピンレート=0.2rpm, 太陽角=1.9deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 161707518km, RA=162.5deg, Dec=8.2deg
Venus Distance: 1.36AU(204109585km)
Attitude: Spin Rate=0.2rpm, Sun Angle=1.9deg






今日(10月15日)は何の日?

 ・土星探査機「カッシーニ」打ち上げ(1997年/アメリカ)

 ・有人宇宙船「神船5号」酒泉衛星発射センターから長征2Fロケットで打ち上げ
 (2003年/中国)

 ・たすけあいの日




Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日は超ショートパスでしたので,探査機の状態確認のみを行いました.

地球距離が大きく,電波の受信レベルが非常に低いのですが
送信機側,受信機側の設定を攻めに攻めてテレメトリを受信することが出来ました.
ただ,時間がないのでデータレコーダのデータの再生には至りませんでした.
北陸のオオカミであられるDYさんは寂しい思いをされていると思います.

このような短いパスではブログに何を書こうか非常に困ってしまいます.
そういえば,先週は南アフリカに学会に行ってきたのですが
その際に非常に変わったおみやげを購入しました.食べ物です.
それをIKAROS運用室に持ってきたのですが,非常に不評で
かのYさんが,「これは食べれない(怒)」と言っていました.
何を買ってきたかは内緒ですが,やはり変わったものはやめたほうが良いですね.

あと,現地でブブゼラをもらったのですが,全く音がなりません.
練習しすぎてコメカミ付近が痛くなりました.
ブブゼラを吹きすぎて喉が破裂した方もいるそうなので,皆様もお気をつけ下さい.
ちなみに,Y2さんはなぜかブブゼラを吹くのが非常に上手です.
南アフリカの路上でも吹いておりました.迷惑千万ですね.

次回の運用は10/15です.
前回のブログで次回運用の日付を間違えておりました.すみません.(T2)


10/13のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 159211183km, 赤経=160.2°, 赤緯=9.0°
金星距離: 1.37AU(204405274km)
姿勢:スピンレート=0.2rpm, 太陽角=2deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 159211183km, RA=160.2deg, Dec=9.0deg
Venus Distance: 1.37AU(204405274km)
Attitude: Spin Rate=0.2rpm, Sun Angle=2deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日は再生レンジングと探査機の状態確認,
及びデータレコーダの再生を行いました.

本日入感した際には,受信レベルが低く,テレメトリは無理かなー
と思っておりましたが,そこは気合で何とか受信することが出来ました.
テレメトリ受信ができない場合にはビーコン運用になるのですが,
テレメを受信しようと粘る,粘らないは非常に判断の難しいところです.
多少GAPのデータも降ろすことができましたので,
北陸のオオカミであられるDYさんも喜んでくださっていることと思います.

今日はスピンレートが低い状態での運用となりましたが,
スピンレートが低いと地球角(スピン軸と地球方向との間の角度)の
推定精度が悪くなってしまうため,姿勢系からしたら厄介です.
そこは例の心眼で読みきるしかありません.

ちなみに,Y3さんが南アフリカのおみやげを期待しているようですが
そんな物欲にまみれた目では心眼が曇ってしまいますので
そこは「土産話だけで十分です」くらい言ってもらって
清い心を取り戻してもらいたいと思います.

次回運用は11/13です.(相模原の小鹿 T2)


10/11のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 156729674km, 赤経=157.8°, 赤緯=9.7°
金星距離: 1.37AU(204755177km)
姿勢:スピンレート=0.2rpm, 太陽角=3deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 156729674km, RA=157.8deg, Dec=9.7deg
Venus Distance: 1.37AU(204755177km)
Attitude: Spin Rate=0.2rpm, Sun Angle=3deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日の運用では,再生レンジングとビーコン運用による
探査機の状態確認を行いました.

9月27日の姿勢変更後から最近までは姿勢(スピン軸の方向)が,
地球に近いところにあったため,
通信レートも確保でき,順調にテレメも取れていたのですが,
例の太陽光圧によるトルクの影響で,姿勢が変動し,
地球からの方向が遠くなった結果,ビーコンでの運用となりました.

来週には,姿勢がまた地球の方向に多少近付くため,
テレメも取得できるのではないかという見込みです.

前回に引き続き,今日の運用でも
北陸のオオカミであられるDYさんにお越し頂いていたのですが,
上記の理由でGAPのデータも取得できなかったため,
DYさんは非常に残念そうでした….

次回運用時にはGAPのデータもしっかり取得して,
北陸のオオカミにも元気を出して頂きたいこと
この上ありません.


ところで,今週は南アフリカで宇宙関連の国際学会が
開催されていたため,IKAROSチームからも数名参加していました.
ちなみに自分は居残り組みだったので,参加者からのお土産を
心待ちにして,運用に臨んでいる次第です.

来週以降は,南アフリカでの貴重なお土産話で,
このIKAROS-blogにも華が咲くことでしょう.
ここでは敢えて無茶振りはしないでおきます(笑)

そう言えば,今日はRさんから,IKAROS Blogで論理的な文章の書き方を
勉強しなさい!と言われましたが,難しいですね….
2,3回ほど話が飛んでる気がします.
やはり,Rさんのお手本を先に見せて頂かないと….

このように,一振り目がおとりで,
二振り目が実は本命というのを,
秘技『つばめ返し』と,昔の人は名付けた…
かもしれないのです(笑 Y3)

あ,そういえば,Hさんからの無茶振り(9/29 IKAROS Blog)を
返しそびれていましたが,
今回はスペースもあまりないので,3兄弟のうち優秀な上の2人
(Yさん,Y2さん)に期待しましょう
(『つばめ返し二の型~振り流し~』)

10/8のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 153045645km, 赤経=154.2°, 赤緯=10.8°
金星距離: 1.37AU(205374932km)
姿勢:スピンレート=0.5rpm, 太陽角=4deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 153045645km, RA=154.2deg, Dec=10.8deg
Venus Distance: 1.37AU(205374932km)
Attitude: Spin Rate=0.5rpm, Sun Angle=4deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
 10/4の運用は、健康状態の確認、再生レンジング、データレコーダに蓄積されている
データの再生を行いました。

 IKAROSは本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。

 次回の運用予定は土曜日(10/8)です。


 本日は、運用中、私の隣で暖かく作業を見守ってくださっていたDYさんがblog.を
書いてくださいました。

( KY )


--- ここから ---

理学観測機器 GAP 担当の DY です.
現在,イカロスのデータレコーダに溜まっているデータを取得していただくために
相模原の運用室に来ています.

9月19日の新聞報道やインターネット記事などでご存知の方もいらっしゃると思いますが,
我々の目的であるガンマ線バーストの偏光観測に成功しました.
これを機会に,イカロス打ち上げから501日目にしてブログ初登場と相成りました.

20111004-Google_IKAROS.jpg


GAP は直径 17cm,重量は 4kg 未満,消費電力 5W というとても小さな観測装置ですが,
小さくても面白い科学観測ができるということで,イカロスの乗組員として採用して
いただきました.ブログやツイッターに,「GAP のデータを取得した」という
記述があるのに,なかなか科学成果を出さないな…と思われていた方も多いと思います.
ごめんなさいね.
世界初の「信頼できるガンマ線偏光観測」を行ってきましたので,
我々のグループとしても成果の公表には慎重になっていたのです.

守り続けていた沈黙を,日本天文学会の記者発表という形で公開できましたので,
我々の観測成果を多くのみなさんに知っていただくことができました.
発表直後には,Google の検索急上昇ワードの第 4 位にまで「イカロス」が浮上しました.
打ち上げから約 500 日が経過した後の再浮上.
う~ん,これで GAP もイカロスミッションへ貢献できましたぞ.

これからは学術雑誌に観測成果を論文として投稿していくことになります.
既に1本目の論文は投稿しましたが,GAP の観測結果を最大限に残すためにも
これからも頑張りたいと思います.

記者発表の内容は,以下の URL でも見られますのでご興味のある方はどうぞ.
http://astro.s.kanazawa-u.ac.jp/~yonetoku/gap/asj-press/

あ,たぶん,これが最初で最後のブログ登場です.(北陸のオオカミ DY)

--- ここまで ---


P.S.

最近、秋を通り過ぎてもう冬?!という寒い日がありますが、皆様どうかお体ご自愛
ください。


↓↓↓こちらもご覧ください♪(イカロスチームメンバーが登場しているよ♪)

http://www.kids.isas.jaxa.jp/job/index.html





10/4のIKAROS
太陽距離: 0.73AU
地球距離: 148229240km, 赤経=149.3°, 赤緯=12.2°
金星距離: 1.38AU(206361088km)
姿勢:スピンレート=1.1rpm, 太陽角=14deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.73AU
Earth Distance: 148229240km, RA=149.3deg, Dec=12.2deg
Venus Distance: 1.38AU(206361088km)
Attitude: Spin Rate=1.1rpm, Sun Angle=14deg






今日(10月4日)は何の日?

 ・人類史上初の人工衛星「スプートニク1号」打ち上げ(1957年/旧ソ連)

 ・月周回衛星「かぐや(SELENE)」を月周回軌道に投入(2007年)

Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日の運用では,再生レンジング,HKデータの取得を行いました.

IKAROSがどんどん地球から離れているのと,風が強い影響か,
思ったよりも通信状態は良くありませんでした.
それでもテレメトリはちゃんと取得できました.
先日の大きな姿勢変化によって地球角が小さくなり
アンテナがいい方向を向いているおかげでしょう.
スピンレートが速くなったり,太陽角が大きくなって温度状態が変わったり,
状態はいろいろ変わっていますが,IKAROSは今日も元気に冒険を続けています.

今日から10月ですね.相模原も少しずつ涼しくなって,
昨日より金木犀の香りがするようになりました.
4月にスーパーバイザーとして運用に関わり始めたころは,
6月にスピンダウン運用をした後はもうほとんど運用できなくなるだろう...というつもりでいて,
半年後にまだテレメが取れて推薬も残っているとは思ってませんでした.
たくさん実験ができてデータが取れたこともさることながら,
運用でいろいろ経験を積めたことも本当に嬉しい誤算です.

あさっての朝には,IKAROSはついに打ち上げ500日を迎えます.
どの断面を切り取っても興味深いデータとともに感動の記憶がこぼれおちてくる,
充実した運用の日々の500日でした.
通信状態・残推薬ともにギリギリの運用の中でも,
次なる目標へと挑むIKAROSとともに,まだまだがんばっていきます.

次回の運用は10/4(火)です.(Y2)

10/1のIKAROS
太陽距離: 0.73AU
地球距離: 144707698km, 赤経=145.6°, 赤緯=13.2°
金星距離: 1.39AU(207205273km)
姿勢:スピンレート=1.6rpm, 太陽角=26deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.73AU
Earth Distance: 144707698km, RA=145.6deg, Dec=13.2deg
Venus Distance: 1.39AU(207205273km)
Attitude: Spin Rate=1.6rpm, Sun Angle=26deg