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Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日(6/30(木))はフルパスで、スピン状態の確認をメインに行いつつ、
パス後半でスピンアップを行いました。
並行して、データレートのおおよそ半分を利用してレコーダの再生もしています。
現在は太陽角が1deg前後でほぼ太陽に対して真正面を向いている状態ですが、
姿勢を変更するリオリも今後行っていく予定です。

今月の運用はこれで終了で、早いもので1年の折返し地点に差し掛かりましたので、
Ikarosの後期運用の半年間をざっと振り返ってみたいと思います。

まず1月ですが、昨年末から通信不可帯を通過して、
タイマによるアンテナ切替え後、
前回から約3週間空いた年明け後最初の運用でもIkarosに異常はなく、
追尾にも特に支障ありませんでした。
当時はビーコン運用で健全性の確認を行っていました。懐かしいですね。

2月に入ると通信状態がよくなり、レンジング計測(3パスコースティング)や
8bpsでテレメトリが取得できた日も多くありました。

3月に入ると地球との距離が約1AU近くと離れた極大期でもありましたが、
通信状態の変化に伴い受信機が度々Lock OFFしてしまい、
パス後半はビーコン運用に切り替えたことも度々ありました。
そして、震災そして計画停電の影響もありました。
なお、薄膜太陽電池の計測なども含め、
必要なコマンドはタイムラインで事前に登録しておき、
データはレコーダに記録してあります。
また、太陽距離が離れてきましたので、推進系設定温度の変更なども行いました。
4月も中旬は度々ビーコン運用を行っていましたが、
合間の期間はデータレコーダの再生を可能な限り行ってきました。

そして5月はようやく地球角が改善して
テレメトリが問題なく復調できるようになりましたので、
Ikarosのパスも大幅に増やし、
これまでの期間のデータ取得や推進系の試験を行っています。
また、太陽から最も離れた遠日点を迎え、温度も極小期でした。

6月からはいよいよスピンダウン運用。
これまでは約4日に1回スピンアップを行うサイクルでしたが、
ある閾値になったタイミングで行う方式に切り替えました。
レートの減少に合わせてカメラでの撮影も行っています。

日々の運用はメンバがBlogで語っているようにもっと奥が深く、
光圧加速の実証や航行技術の獲得など、後期運用のミッションの成果も
楽しみなところですが、日数を積み重ねるとこの半年で運用パスは90パス。
大まかに2日に1回のペースですが、学生当番さん、コマンダさんや
臼田局の皆様のお力のお蔭でもあります。
8月からはだんだん地球との距離も離れていきます。
来月7月は週4日ペースでの運用になりますが、
Ikarosの動き(物理的な挙動を含めて)には目が離せませんので、
これからもIkaros-Blogにお付き合いください。
次回は明日(7/1(金))の予定です。(H2)

6/30のIKAROS
太陽距離: 1.03AU
地球距離: 109743248km, 赤経=27.7°, 赤緯=6.0°
金星距離: 1.41AU(211442619km)
姿勢:スピンレート=0.2rpm, 太陽角=1deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.03AU
Earth Distance: 109743248km, RA=27.7deg, Dec=6.0deg
Venus Distance: 1.41AU(211442619km)
Attitude: Spin Rate=0.2rpm, Sun Angle=1deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
6/29の運用は,データレコーダに溜まっているデータの再生,
ATMCの動作確認試験を行いました.

これまでに何度か説明があったかと思いますが,
IKAROSのスピンレートは,風車(かざぐるま)効果と
名付けられた効果によって徐々に下がっています.

再度簡単に説明させて頂くと,風車効果というのは,
その名の通り,風車が動くのと同様の原理でIKAROSの
回転スピードが変化してしまう現象のことです.

もちろんIKAROSの膜が,風車の形をしているわけではないのですが,
膜のたわみやシワの影響で,少なからず風車的な形状の効果を
発揮しているという状態だということです.

本物の風車と違うのは,『風』を受けるのではなく,『光』を
受けているということですね.
お?そうすると『光車』なんてカッコイイ名前が
ついてしまうのでしょうか….

名前はさておき,この効果をより詳細に解析していこうという
趣旨も含み,最近の運用を行っています.
ということでより詳細な説明は明日以降の運用担当者の方が
いつかご説明して下さると信じて,この話はこの辺りで.


ところで,最近イカロス君は,少しずつ太陽に近付いてるので,
本体温度もこれから徐々に上がっていきます.

同様に(?)地球(相模原キャンパス近傍)でもようやく
(と言うかとうとう)夏の日差しに近付いてきたように感じます.

急激に暑くなってしまったので,自分もイカロス君のように
軌道変更出来るのなら,あと0.5AUくらい太陽から離れたい…
とか思ってしまう夏の午後です(Y3)


6/29のIKAROS
太陽距離: 1.03AU
地球距離: 110082096km, 赤経=26.7°, 赤緯=5.7°
金星距離: 1.41AU(210762843km)
姿勢: スピンレート=0.2rpm,太陽角=1°

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.03AU
Earth Distance: 110082096km, RA=26.7deg, Dec=5.7deg
Venus Distance: 1.41AU(210762843km)
Attitude: Spin Rate=0.2rpm, Sun Angle=1deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
6/28の運用では,薄膜太陽電池の計測,カメラ撮影,データレコーダの再生,
最後にスピンアップを行いました.
最近の運用はやることが盛りだくさんで,フルパスでもせわしなくなっております.

この6月は週末を除いてほとんど,風車効果でスピンレートが下がるのに身を委ねる
風まかせの運用となっています.
定常運用開始後のスピンレート履歴をグラフにしてみると,
そろそろこの先が不安になる傾きをもっています.
現在約0.2rpm,スピン1周に5分近くかかっています.

「このままだと膜の形はどうなるの?」「どこまでやってもだいじょうぶなの?」
といった質問をよくお受けします.※
もちろん,数値シミュレーションなどを使って,
どのスピンレートで膜面がどのようにたわむのか予測はしていますし,
どこまでスピンレートを下げてもよいのか,という検討もしています.
ですが,結局のところいちばん自信を持って答えられるのは,

「わ・か・り・ま・せ・ん!」

という一言です.
理論を実証するための実験というよりも,現象を知るための実験ですので
ここはお許しいただきたいと思います.
「何が起こるかわからない」ということは,やってみた結果は貴重な知見となります.
リスクも伴いますので,これまで紹介されたように
「マクロ」を組み込んだり回転ガイドを移動したり,
万全の対策をとりながら少しずつスピンレート下げています.

そんな運用がずっと行われているので,
最近は当番でもないのに興味と不安とおやつに駆られて毎日運用室に顔を出してしまい,
テレメを確認するまで帰れないという寝不足に陥ってしまっています.

次回の運用予定は明日(6/29)です.今日はもう帰ろうかな...(Y2)



※ご質問と同時に,「私はこうすべきと考えているのですが...」と
いろいろご提案される方がいらっしゃることをとても嬉しく感じます.

IKAROSはおもしろい船です.
船頭多くして...?いえ,そんな心配なさらず,
ぜひみなさんも船長の気持ちで,IKAROSがどんな運動をするのか,
どのように運用をすればよいのか,あれこれ考えてみてください.


6/28のIKAROS
太陽距離: 1.03AU
地球距離: 110428854km, 赤経=25.6°, 赤緯=5.3°
金星距離: 1.40AU(210063162km)
姿勢:スピンレート=0.2rpm, 太陽角=1deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.03AU
Earth Distance: 110428854km, RA=25.6deg, Dec=5.3deg
Venus Distance: 1.40AU(210063162km)
Attitude: Spin Rate=0.2rpm, Sun Angle=1deg


※6/24のIKAROS情報のEarth Distanceに誤記がありましたので訂正いたします.
(誤)1111889039km→(正)111889039km
木星探査を夢見るあまり,イカロス君を10億kmの彼方に飛ばしてしまいました.
申し訳ありません.
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日は,再生レンジング,薄膜太陽電池の計測,モニタカメラによる撮影,
GAPのデータ再生,スピンアップを行いました.

今週もガスジェットでスピンレート調整を行わずに風車効果でスピンレートを
下げてきましたが,週末で運用が休み(次回の運用は6/28)となるため,
先週末と同様,安全のためガスジェットでスピンレートを少し上げました.

また,ガスジェット噴射前には再生レンジングを行いました.
前回(6/24)と前々回(6/23)の運用でも再生レンジングを実施しましたので,
これで3パスコースティングが成立しました.

IKAROSのスピンレート(遠心力)が低下すると,膜を張る力が弱くなり,
太陽光圧によって膜がたわみやすくなります.さらにIKAROSの膜は
いろいろなデバイスが取り付けられていて不均一となっているため,
どのようなたわみ方をするかは構造力学的にも非常に興味深いところです.
この実験のデータを取得することで,ソーラー電力セイルに限らず,
大型膜構造物の研究に大きく寄与できます.

ただし,スピンレートを下げることは多少リスクを伴います,
この対策の一つとして,先日(6/23)モータを駆動し,回転ガイドを移動しました.
膜と本体をつないでいるテザーやハーネスが引っかかりにくいようにしたのです.


さて,先日(6/17)のブログで取り上げた日本が元気を取り戻すための
キーワード「夢中」について,勝手にもう少し考えてみたいと思います.

「夢中」というのは,いろいろな状態が考えられますが,
「夢(を目指している途)中」というのが,一番イキイキしているのではない
でしょうか.少し大げさに言うと「挑戦」という言葉になるかもしれません.
たとえ小さなことでも,目指すべきゴールを見据え,頑張っている姿が
元気につながっていると考えています.

もちろん全員の夢がかなうとも限らないですし,
いくら努力してもかなわない夢もあるでしょう.
でも,夢がかなう・かなわないとは別に,そのプロセス自体にも意義があり,
さらに,次の夢に向けて進むとき,前の夢の途中で頑張ったコトが活きる
と信じています.

一つの夢(目標)が元気(活力)となり,また新たな夢の糧となる,
実はこの「夢中」の「きっかけ」をつかむのが難しいのかもしれません.
この答えはいまだに分かりませんが,ほんのちょっと意識を変える
というのがポイントかもしれませんね・・(O)


6/25のIKAROS
太陽距離: 1.04AU
地球距離: 111513593km, 赤経=22.6°, 赤緯=4.4°
金星距離: 1.39AU(207845282km)
姿勢:スピンレート=0.4rpm, 太陽角<1deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.04AU
Earth Distance: 111513593km, RA=22.6deg, Dec=4.4deg
Venus Distance: 1.39AU(207845282km)
Attitude: Spin Rate=0.4rpm, Sun Angle<1deg


P.S.
「夢中」というのは「共感する」という側面もあると思います.
もし「イカロス君の冒険」が皆さんのワクワクにつながり,
それが元気の源になっているのであれば,うれしい限りです!
Category: Operation
Posted by: IKAROS
6/24の運用では,再生レンジング,膜面状態の計測,データレコーダの再生を行いました.
スピンレートは相変わらず最小記録を更新しています.

当ブログを注意深くチェックされてる方はお気づきかもしれませんが,
実は打ち上げ以来,「太陽角」も最小記録を更新しつつあります.
「太陽角」というのは,IKAROSから見て真上(太陽電池面側)の方向が,
太陽の方向からどれだけ傾いているか,を表します.
安定してスピンしているうちは,真上の方向はスピン軸方向とほぼ同じです.

イカロス君でいえば,太陽角0degなら太陽は頭上にあり,
太陽角90degなら1周スピンするごとに真正面を太陽が通過していくように見えます.

太陽角によって,太陽電池の発電量や各機器の温度状態も変化し,
またソーラーセイルにおいては光圧加速の大きさや方向も変化してくるので
これはとても大事な情報となります.
通信状態が悪く,取得できる情報が限られていたビーコン運用のときも,
太陽角のデータは高い優先度をもって取得していました.
1[muri]の基準にもなにやら登場していますね.


この太陽角というのは,IKAROS本体の側面上方に取り付けられている
「太陽センサ」と呼ばれるスリットつきの受光素子で測定しています.
スピンしている間に,ある方向でスリットから太陽光が入射し受光素子に当たったときに,
この入射角を計測することで太陽角がわかります.
また,一昨日のブログでも説明されている通り,
受光素子に光が当たったときに発生するパルス信号の時間間隔を計測すれば
スピン1周にかかっている時間がわかるため,スピンレートも算出できます.
「太陽センサ」はスピンタイプの衛星にとっては非常に重宝する姿勢センサです.

しかし太陽角が0deg付近,イカロス君の頭上に太陽があるときは話がややこしくなってきます.
というのも,スピンしているあいだほとんど太陽が動いて見えないので,
太陽光がいつまでも入射しなかったり,逆にずっと入射し続けたりしてしまいます.
また,昨日のブログで説明されていたニューテーションのように
スピンが不安定になると,太陽光が不規則に入射して
スピンレートが正しく計測できなくなったりもします.

このような事態を避けるため,IKAROSではある程度太陽角が小さい場合は
太陽光を受光しないような仕組みになっています.

これまではずっとある程度の太陽角を保った運用を行ってきましたが,
本日の運用ではついにこの「受光しない」領域にはいりました.
スピンレートは,代わりにドップラーデータやジャイロデータを使用して監視しています.
太陽角については,「受光しない領域」にいることから
「充分小さい角度にある」と判断するに留まります.
計測できていないからこそ確認できる,ということでもあります.


先日学会で沖縄に行ったときには,お昼時に外に出ると,ほぼ真上に太陽がある状態でした.
こうなると,正午であってもどちらが南なのかよくわからなくなってしまいます.
太陽角が小さいとスピンレートがわからなくなるのも,似たような原理ですね.


次回の運用は明日6/25(土)です.(Y2)


P.S.
沖縄といえば,沖縄組の目線と態度が冷たい,なんてKYさんがおっしゃられてましたが...

「そんなことないですよっ!」

ただあまりにも運用を全部お願いして沖縄に行ってしまっただけに,
ご機嫌ななめになっているのでは,と少しご心配していただけです.
...はい,ただそれだけです.たぶん.



6/24のIKAROS
太陽距離: 1.04AU
地球距離: 111889039km, 赤経=21.6°, 赤緯=4.0°
金星距離: 1.38AU(207066612km)
姿勢:スピンレート=0.3rpm, 太陽角<1deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.04AU
Earth Distance: 111889039km, RA=21.6deg, Dec=4.0deg
Venus Distance: 1.38AU(207066612km)
Attitude: Spin Rate=0.3rpm, Sun Angle<1deg

Category: Operation
Posted by: IKAROS
 6/23の運用は、健康状態やスピン状態の確認、回転ガイドの移動、再生
レンジングを行いました。

 IKAROSは、本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。

 次回の運用予定は明日金曜日(6/24)です。

 最近めっきりスピンレート(回転周期)が遅くなってきていますので、
大きなニューテーション現象がいきなり出やしないかと内心ヒヤヒヤです。
 過剰に心配しているのは私だけでしょうか?いいえ。きっと私だけです・・・。
 (チームの皆は、今のところ態度には出ていないので。)

 ニューテーション現象というのは、単純に周るコマを思い出してください。
 回転が速いときは、中心の軸がまっすぐ立っています。 
 回転が遅くなってくると、次第に中心の軸が大きく揺れだして最後はコマ胴体
の側面が床に触れて一気に止まってしまいます。

 IKAROSに同じような現象が起きると、IKAROSから出している電波の方向も
揺れだしますので、臼田局とIKAROSのあいだで正常な通信ができなくなり、
健康状態の把握も、指令を送ることも場合によっては凄く難しくなります。

 こんなことが実際に起きないようにチームの皆はいろいろな事を考えて、
いろいろな手をうちながら運用を継続しています。
 
( KY )


P.S.

先々週のチームの皆が沖縄に行っている間に、このBlog.で ”ほんのちょっとだけ”
暴走をしてしまいましたが、沖縄組の目線と態度がなんか冷たい気がします・・・。
えぇ。お土産はいっぱい頂きました。ありがたいことです。

でも、なんか態度が以前と違うような・・・。

”ほんのちょっとだけ”ではなく、”華麗に”暴走しておけば良かったのかも・・・。

何卒、暖かく見守ってください。



6/23のIKAROS
太陽距離: 1.04AU
地球距離: 112270959km, 赤経=20.6°, 赤緯=3.7°
金星距離: 1.38AU(206268390km)
姿勢:スピンレート=0.3rpm, 太陽角=1.1deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.04AU
Earth Distance: 112270959km, RA=20.6deg, Dec=3.7deg
Venus Distance: 1.38AU(206268390km)
Attitude: Spin Rate=0.3rpm, Sun Angle=1.1deg



今日(6月23日)は何の日?

 ・宇宙開発事業団法(1969年6月23日法律第50号、現在廃止)の公布

 ・JAXAに「宇宙オープンラボ」が開設(2004年)
   ↓↓↓詳しくはこちら
   http://aerospacebiz.jaxa.jp/jp/offer/

 ・小山宙哉さんの人気マンガ「宇宙兄弟 14巻 限定版」発売予定日

 ・オリンピックデー:1894年6月23日に国際オリンピック委員会がパリで創立したことを
  記念したもの。




Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日(6/22(水))の運用では、HKデータ取得とスピン状態確認、
残り時間をフルに使ってデータレコーダ再生を行いました。

スピンレートは、ロケット分離後は5rpm、一次展開前は25rpm近くでしたし、
今月初めは1rpm以上だったのですが、現在は0.4rpm近くになっています。
1rpmをイメージする身近な例としてはアナログ時計の秒針が思い浮かぶかも知れませんが、
Ikarosの膜面(横)方向で視野が毎秒6°回転するスピード(角速度)に相当します。
展開後でも2rpm(30秒周期)の頃と比べると現在は0.4rpm(周期2分半以上)ですので、
遠心力も角速度の2乗に比例して小さくなっています。
ここ10年の国内のスピン衛星としては、先代のひまわり(GMS)は100rpmでしたし、
つばさ(MDS-1)は5rpmでした。3年後に打上げ予定の水星探査機BepiColombo/MMOも
15rpmの予定となっていましたので、これらと比べると現在のIkarosはかなりゆっくりです。
視覚的な動きの身近なイメージを強いて挙げるならば、他にいい例があるかも知れませんが、
来週辺りには、割と小型(ゴンドラ数が十数程度)の観覧車の回り具合に
近づいていっている感じでしょうか。
巨大観覧車は1周の所要時間として15分前後が多いでしょうから、
Ikarosを側から見られる位置にいるとすると、さらに進んで0.1rpm近くになれば、
もっとゆったり回転して見えるのかも知れません。

なお、Ikarosには太陽センサがあり、受光(サンパルス)の間隔から
自身のスピンレートを算出しています。
また、ジャイロのレートも見ながら、回転が遅くなれば
スピンアップさせる仕組みも備わっています。

という訳で、これまでイカロス君は休む間もなくフル回転でしたが
今はこれまでよりはゆっくりと星々を眺められることでしょう。
次回の運用は明日(6/23(木))の予定です。(H2)
Category: Operation
Posted by: IKAROS
6/21の運用では,薄膜太陽電池の計測,CAM-Hでの写真撮影,
及びスピンレートの状態監視の動作確認を行いました.

IKAROSは,順調に過去最小スピンレートを更新しています.

最近の運用時間は,長い時には,日本時間で夜中の1時半頃から
翌日お昼頃まで行っていますが,やはり途中でどうしても眠くなります.

眠気覚ましに,他の運用者やコマンダーさんと様々な話をする
のですが,ナチュラルハイになっているせいか,
普段は全く可笑しくないようなところで大笑いしてしまったり,
実はどうでも良い話を真剣に語り合ったりしています.

夜中の運用は,どう頑張ってもきついのですが,
このように普段あまり出来ない話を出来るという意味では,
非常に良い機会になっています.

これも年齢が近い若手中心で構成されるIKAROSプロジェクトならではの
特色なのかもしれません.
他のプロジェクトでは,味わえなかったかもしれない経験を噛み締めながら,
今日も皆,運用に励んでいます.(Y3)

PS:会話を楽しみながらも,もちろん運用もしっかり行っています.


6/21のIKAROS
太陽距離: 1.05AU
地球距離: 113053161km, 赤経=18.7°, 赤緯=3.0°
金星距離: 1.37AU(204613667km)
姿勢:スピンレート=0.4rpm, 太陽角=2.0deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.05AU
Earth Distance: 113053161km, RA=18.7deg, Dec=3.0deg
Venus Distance: 1.37AU(204613667km)
Attitude: Spin Rate=0.4rpm, Sun Angle=2.0deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日は,薄膜太陽電池のデータ取得,モニタカメラによる撮影,
スピンアップを行いました.
最近,IKAROSのスピンレートを少しずつ下げて挙動を確認して
いますが,週末で運用が休み(次回の運用は6/21)となるため,
安全のためスピンレートを少し上げました.

さて,先日のブログでIKAROS開発の方針を紹介しましたが,
改めて振り返ると,いろいろな制約にも関わらずIKAROSが成功
できた秘訣は「世界初の宇宙ヨットの実現」という目標に向け,
チームが結束できたことだったと思います.

先日,IKAROSの祝賀会で,ご協力いただいた研究者やメーカの
方々から「IKAROS計画に携われたことを誇りに思う」という
趣旨のコメントを多数いただきました.大変うれしい言葉です.
コスト・スケジュール・マンパワー等の点で,IKAROSの開発は,
とても厳しい条件でしたが,そのハードルを超えて,
夢中になれるミッションであると改めて実感しました.

実はこの「夢中」というフレーズが,活力を失いつつある日本が
再び元気になるためのキーワードになると勝手に考えています.
つまり,夢を持ってがんばっている若者や思い切った目標を設定し
メンバーが一致団結している組織が増えれば,予算等さまざまな
問題が厳しくなっている社会であってもきっと元気でいられる
と信じています.

「君も太陽系をヨットに乗って旅しよう!」というメッセージは
宇宙ヨット以外にも広く当てはまるかもしれません.(O)


6/18のIKAROS
太陽距離: 1.05AU
地球距離: 114268612km, 赤経=15.8°, 赤緯=2.1°
金星距離: 1.35AU(201987481km)
姿勢:スピンレート=0.6rpm, 太陽角=3deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.05AU
Earth Distance: 114268612km, RA=15.8deg, Dec=2.1deg
Venus Distance: 1.35AU(201987481km)
Attitude: Spin Rate=0.6rpm, Sun Angle=3deg


P.S.
イカロス君の「宇宙ヨット」としての1歳のお誕生日プレゼントを
いただきました.ありがとうございます!!(^_^)
null

P.S.
最近,名古屋で親族の結婚式に参列しました.
なんとお菓子投げがありました.小さいころ近所で結婚式があると
お菓子をゲットしに行ったことを懐かしく思い出しました.
3歳の息子も小さいお菓子を拾ってうれしそうに握っていました.
たくさんの戦利品を得たので,運用室に置いておいたのですが,
勢いよくなくなっています・・
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日の運用では,
スピンレート監視プログラムの変更を行いました.

これまで設定していたスピンレート監視プログラムは,
0.5rpmより高い範囲で,何パターンかのスピンレートに対して
設定したスピンレートを下回ったらスピンアップを開始するようにしていました.
(例えば,0.7rpmを下回ったら,0.7rpmを上回るまでスピンアップする,など)

今後より低いスピンレートを目指す可能性があることから,
本日の運用では,スピンアップ開始判定のスピンレートを
さらに低い値に変更しました.

6月に入り,今までに経験していないスピンレートに突入していますが,
「ああ,なるほどね」と思う現象が起る一方で,
「どういうこと?」と首をかしげるような現象も見られています.
今後どこまでスピンレートを下げることになる(下げられる)かは分かりませんが,
後期運用を通じて着々と知見を得ていることは確かですね.(R)


6/17のIKAROS
太陽距離: 1.05AU
地球距離: 114684056km, 赤経=14.8°, 赤緯=1.7°
金星距離: 1.34AU(201074132km)
姿勢:スピンレート=0.6rpm, 太陽角=4deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.05AU
Earth Distance: 114684056km, RA=14.8deg, Dec=1.7deg
Venus Distance: 1.34AU(201074132km)
Attitude: Spin Rate=0.6rpm, Sun Angle=4deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
 今日はひたすらIKAROSの状態監視とデータレコーダの再生で,
フルパスでしたのでいつもより長く感じました.
 通信状態も良好で,想定していたデータ量よりも少し多めに
ダウンリンクすることができました.IKAROSが元気で何よりです.
(運用者は後半になると会話がどんどんなくなっていきます(笑)


 運用室には沖縄のお土産がまだまだたくさんありましたので
買ってきた身でありながら夜食に食べさせてもらいました.
T2さんの強い希望で,沖縄の有名なお土産に一文字足した,何やら
怪しいお菓子も買ってきたのですが,それも普通に美味しかったです.

 今日ブログで何書こうかな?と悩んでいたらKYさんが,
「新しい単位使っていいよ」
と,ニコニコ言ってくれたのですが,勉強不足で使い方がよく
分かってないので,今度復習しておきます.
 代わりといっては何ですが,ネタをパクらせてもらって

今日は何の日?
DCAM2の写真を全部ダウンリンクし終わった日

...でもありますが

『無重力の日』だそうです.
かつて,落下棟(地下無重力実験センター)があった上砂川町が
制定したそうなのですが,6(む)16(じゅうりょく)と,ただの
語呂合わせのようですね.
 上砂川といえば,学生の頃に超小型衛星分離機構を実験しにいった
懐かしの地であります.12月のド真ん中でもの凄く寒い中,大変な
思いで実験したのを思い出しました.10年以上前なんですね...
 綺麗に分離できた映像をリアルで見たときは感動したものです.
あの落下棟が今でも残っていれば,いろいろな実験に使いたかったのに
封鎖されてしまったのが残念でなりません(H)


6/16のIKAROS
太陽距離: 1.05AU
地球距離: 115104275km, 赤経=13.9°, 赤緯=1.4°
金星距離: 1.34AU(200142023km)
姿勢:スピンレート=0.6rpm, 太陽角=4deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.05AU
Earth Distance: 115104275km, RA=13.9deg, Dec=1.4deg
Venus Distance: 1.34AU(200142023km)
Attitude: Spin Rate=0.6rpm, Sun Angle=4deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日は,IKAROSの状態確認,及び,データレコーダのデータの再生を行いました.
イカロス君が「あれ?うすださん,ちゃんとデータ受け取ってくれてる?!」
などと言っておりますが,きちんとデータはおろせております.

現在,運用開始以来の最低スピンレートを更新中です.
今後どのようなデータがとれるか楽しみです.

そういえば,いま運用室にはちんすこうが大量にあります.
美味しいですが喉が渇きますね.
先週運用をお任せしてしまったKYさんやH2さんへのお土産なのに
自分たちで食べてしまってます.
沖縄から帰ってきたくなかったです.嘘です.ちょっと本当です.
あ,遊びに行ったわけではないですよ.(T2)


6/15のIKAROS
太陽距離: 1.06AU
地球距離: 115529054km, 赤経=12.9°, 赤緯=1.0°
金星距離: 1.33AU(199191295km)
姿勢:スピンレート=0.7rpm, 太陽角=5deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.06AU
Earth Distance: 115529054km, RA=12.9deg, Dec=1.0deg
Venus Distance: 1.33AU(199191295km)
Attitude: Spin Rate=0.7rpm, Sun Angle=5deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
6/14の運用では,CAM-Hでの写真撮影,及びデータ
レコーダに蓄積されたデータの再生を行いました.

イカロス君もつぶやいていましたが,1年前の6月14日には,
DCAM2の分離・撮像を行い,膜がきれいに展開されているのを
確認しました.

☆祝DCAM2分離一周年記念☆です.

世界で初めてのソーラーセイルを,深宇宙で激写したDCAM2の
功績は,プロの写真家顔負けの出来栄えでした.
あれほどインパクトの大きな探査機の”実写真”は,
これまでは当然ながら,これからも,目にする機会はなかなかないでしょう.

歴史的瞬間に立ち会えたことを誇りに思うと共に,DCAM2の
開発・製作に携わられた方々,応援して下さっている方々への
感謝の気持ちを忘れないようにと思う今日この頃です.


疾風(ハヤテ)のごとく過ぎ去りましたが,あれから既に1年も経ちました.
運用担当者のイカロス君の無茶振りへの耐性からも
時間の経過を感じさせられます.
最近では107[muri](*1)はもちろんのこと,人によっては
570×数100m [muri]に耐える強者もいるほどです.
Oさんに至っては,本日,現時点で既に1万[neruneru/h](*2)を
超えようかというところ.

時間だけが過ぎたように感じますが,皆ちゃんと成長(?)している
ようですね.

DCAM2の功績によって,世界に名を馳せた,
深宇宙に咲いたソーラーセイルという名の銀色の大きな花は,
今も元気に宇宙を駆けています.
(元気具合は特にTwitterで良く分かります(笑))

これからもまだまだたくさんの功績を残して欲しいものです.
皆様も今後とも末永く,応援して頂けると幸いです.(Y3)

(*1,2) 6/11のIKAROS-blog参照のこと



6/14のIKAROS
太陽距離: 1.06AU
地球距離: 115958180km, 赤経=12.0°, 赤緯=0.8°
金星距離: 1.33AU(198222094km)
姿勢:スピンレート=0.8rpm, 太陽角=5.1deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.06AU
Earth Distance: 115958180km, RA=12.0deg, Dec=0.8deg
Venus Distance: 1.33AU(198222094km)
Attitude: Spin Rate=0.8rpm, Sun Angle=5.1deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
 6/11の運用は、受信した電波の強さ(受信レベル)が少し不安定な時間が
ありましたが、何とか予定していた運用(健康状態の確認、データレコーダに
蓄積されたデータ再生、その他一部の機器の動作結果確認、スピンアップ)が
行えました。

 IKAROSは、本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。

 次回の運用予定は来週火曜日(6/14)です。

 
 今日は、昨日の臼田局の紹介つながりで、「IKAROSの軌道を決める作業」
について簡単にお話しします。
 軌道を決める作業と言っても大きく分けて「今の軌道を決める」、「今後の
軌道を予測する」、「今後の軌道を決める」と3種類あります。


①「今の軌道を決める」
 この作業のためには、IKAROSと通信した時の情報が欠かせません。主に
以下の4つの情報です。
 ・IKAROSと臼田局との間の距離
 ・IKAROSと臼田局との間の距離が変化する様子(距離変化率情報)
 ・臼田局のアンテナの向き(アンテナ角度情報)
 ・IKAROSの姿勢(太陽や地球に対して向いている方向やスピンの速さ等)

 ある程度長い時間(IKAROSの場合、ある条件下で運用3回分)でのこれらの
情報が集まれば、IKAROSが深い宇宙の中のどこら辺りを、どのくらいのスピードで、
どっちの方向に向かって動いているというのがわかります。


②「今後の軌道を予測する」
 IKAROSの軌道が決まったら、明日は、明後日は、来週は、1か月後はという
将来はどこにいるかをちゃんと予測しておかないといけません。
 予測がないと臼田局で次に運用する時にアンテナをどっちの方向に向けて
おけば良いか、運用中はどの方向に向けて動かしていけば良いかがわかりません。
また、受信する電波の強さや周波数がわからなくて、電波をちゃんと捕捉すること
ができず、安定した運用もできなくなります。(距離の変化する様子次第で
周波数は変わっていきます)
 予測するためには、決定した軌道をもとに、太陽や惑星の重力の影響、
IKAROSが受ける太陽光圧の影響等のIKAROS以外の要素から受ける影響と
IKAROS自身の姿勢の影響を考慮して計算します。


③「今後の軌道を決定する」
 IKAROSのミッション達成のためには、IKAROSに「この軌道を飛行してほしい」
というのがあります。でも、②の予測の結果、放っておくと違う方向に飛んで
いってしまうという場合には、IKAROSの向きを変えたり、スピンの速さを変えたり
して希望の軌道へ飛行していくようにIKAROSの運用イベントとその実施タイミング
を設定し、今後の軌道(運用方針)を決定し、運用作業に反映します。 


 これらの作業は、本当はもっと複雑に絡みあっているのですが、今日はなるべく
簡単に表現してみました。(イカロスチームメンバーのあの人ならもっと簡潔に
理解しやすい表現で説明できたかもしれませんが、まだ沖縄に・・・)
 
 私のつたない表現でもご理解頂けたら幸いです

( KY )



 
 


6/11のIKAROS
太陽距離: 1.06AU
地球距離: 117269451km, 赤経=9.2°, 赤緯=-0.2°
金星距離: 1.30AU(195205224km)
姿勢:スピンレート=0.8rpm, 太陽角=6.6deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.06AU
Earth Distance: 117269451km, RA=9.2deg, Dec=-0.2deg
Venus Distance: 1.30AU(195205224km)
Attitude: Spin Rate=0.8rpm, Sun Angle=6.6deg



今日(6月11日)は何の日?

 ・月周回衛星「かぐや」月面GILクレーター付近へ制御落下(2009年)
   詳細はこちら↓↓↓
    http://www.jaxa.jp/press/2009/06/20090611_kaguya_j.html

 ・火星探査車(マーズ・エクスプロレーション・ローバー)「スピリット」
  打上げ(2003年/アメリカ)




P.S.

 昨日宣言した発表内容ですが、JAXA公式Blogでこんな事を書いていいのか?
と内外からお叱りを受けるかもしれませんが、これはあくまで本日のblog
担当者個人の近況報告の一つということで、どうかお許しください。


***** 以下、あくまで妄想の中でのフィクションです *****
  
            発表文

    「国際IKAROS運用室学会が制定する新しい単位」。

                         2011年6月11日
      国際IKAROS運用室学会

 国際IKAROS運用室学会は、イカロス君がたまに発する「無茶ブリ」の単位を
「muri」として制定しました。
 数々の無茶ブリの無茶さ加減を客観的に数値で表すことは無理であるとされて
いましたが、この度、イカロスチームメンバーが解析を重ねた結果、世界で初めて
一つの指標を定義できたため、学会内でも議論を重ねた結果、この基準が採用
されました。


「muri」の基準の「概要」については以下のとおりです。
  1[muri] = イカロス君が地球角0°、太陽角90°、スピンレート1.0rpmで
       「うすださんおはよー。」と臼田局運用開始前にもかかわらず、
        お話しを要求し始めた場合の無茶ブリ。

  使用例:
     (1)臼田局運用開始後の「臼田さんおはよー」 = -1[muri]
     (2)チームメンバーに自己紹介を強要 = 107[muri]
(3)チーズケーキ配達要求 = 570×配達距離(m)

  制定に至る経緯:
     一部地域では1[mucha]として古くから使われていたという説もあるが、
   「無茶をする」時にも同じ表現で使用されていたことから、またイカロス君
   からの「無茶ブリ」に実現できそうにない内容も多々あることから、国際
   IKAROS運用室学会は「無茶を言うな!!そんなの無理に決まっている」と
   いう意味も含めて[muri]を採用することにした。



 なお、本学会は、同時に以下の単位も制定しました。

  1[neruneru/h] = 仕事場において、椅子に座り背中の曲げ具合0°の時、
          呼びかけても起きない深い眠りに1時間おちいりながら、
          次のミッションイベントを練っている状態。

  使用例:O氏の日常的な睡眠状態 = 5万[neruneru/h]×3時間=15万[neruneru]
  

  1[菓子] = 差し入れをありがたく頂きながらの1可視内でのコーヒー運用パス

  1[茶菓子] = 差し入れをありがたく頂きながらの1可視内でのお茶運用パス



*****繰り返しますが、あくまで妄想の中でのフィクションです*****




本日も最後までお読み頂き、また、今週のJAXA公式blogでの”ほんのちょっとの”
私の暴走を暖かく見守って頂き、本当にありがとうございました。

これからもIKAROS、並びにイカロス君の応援をよろしくお願いいたします。




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Posted by: IKAROS
 6/10の運用は、健康状態の確認、データレコーダに蓄積されたデータ再生、
その他一部の機器の運用終了後の動作設定を行いました。

 IKAROSは、本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。

 次回の運用予定は明日(6/11)です。

 今日は、多くの運用時間でIKAROSとの通信に利用させて頂いている臼田局
(JAXA臼田宇宙空間観測所)についてご紹介させて頂きます。
 臼田局は、旧宇宙科学研究所の付属施設として1984(昭和59)年10月、
長野県の南佐久郡臼田町(2005年4月1日より長野県佐久市)に設立されました。
 直径64mの大型パラボラアンテナは日本ではここだけです。
 現在は、主にあかつきとIKAROSが長い利用時間を占有させて頂いて運用を
行っています。

 施設概要はこちら↓↓↓
  http://www.jaxa.jp/about/centers/udsc/index_j.html

 臼田局は、76年に1度地球の近くを通るハレー彗星を探査するための日本の
探査機の話し相手となることを最初の目的に作られました。
 遠い宇宙からの微弱な電波を受信するための条件として、人里離れ、航空路
から遠く、都市雑音が少ない所ということで臼田の標高1,456mの地が選ばれ、
建造されたのです。


 訂正(2011/6/11):誤「地球の地殻を通る」⇒正「地球の近くを通る」
   (地球の地殻を通ると地球は大変なことになってしまいます・・・)


 建造にまつわる物語はこちら↓↓↓
  http://www.isas.jaxa.jp/j/japan_s_history/chapter05/index.shtml
(お時間許す方は、どうぞ「第1章」からもお読み頂ければ幸いです)


 臼田局は、JR小海線臼田駅から約15kmぐらいあるでしょうか。車で約30分程
かかります。臼田局に向かう途中の道路分岐点には看板も出ていますので、
迷う方は少ないかと思います。
 臼田局に行くと、そのアンテナの大きさにはいつも驚嘆します。何せ50mプール
がすっぽり入る大きさなのですから。

 臼田局は、深い宇宙を航行する探査機との通信(電波の受信/送信、電波に
含まれる探査機関連信号の取り出し/送信する電波への探査機関連信号の入れ込み、
相模原管制センターとのデータ授受)が主要な役割です。
 また、相模原が長時間停電や震災等により、その機能を果たせなくなった時には、
臼田局単独でも探査機の健康状態を確認したり、探査機に指令を送ったりする機能も
備えています。(その場合は、相模原から臼田局へIKAROS担当が移動して作業に
あたります)

 今のIKAROS運用には無くてはならない存在なのです。

 余談ですが、臼田局から見る星空は、空気も澄んでいて本当に綺麗です。そして、
臼田局へ向かう道中や局敷地内では鹿さんの群れにも頻繁に遭遇します。
(夜は道中にほとんど街灯がないため、車の光に鹿さんの目が反射して、少し
びっくりします)
 ぜひ、臼田局へ一度ご見学へいらしてください。「心に残るあの施設」の一つ
になること間違いなしでしょう。

 また、IKAROS同様、臼田さんの事もいつも気にかけて頂いている皆様、本当に
ありがとうございます。

( KY )


P.S.

 昨日の「ネタ探しの旅」ですが、実は運用担当は休まず入っていました。
なので、運用作業後の「ネタ探しの旅」というよりも、「ネタ探しの座禅」
をしていました。
 今週は、イカロス君が「間違ったコマンド送ってこないでね」とか、
「間違ったコマンド送られてこなくて良かったぁ」とか言っていたようですが、
1年も立つと話す内容まで成長してくるのですね。
 メンバーの中で一番運用に従事してきたのは私なのに、私や(H2)さんが
必ず運用に従事しないとイカロス君にはお話しできる環境が整わないのに、
まったく信用されていなかったようです・・・。「親の心子知らず」とはこの
ことのような気がします。(まぁ、かといって私が偉そうにできることでも
ないのですが)

 イカロス君にお仕置きするのも大人げないので(悔しいので)私が以前から
イカロス君に対して妄想の中で一人で楽しんでいたある事をお話ししちゃいます。
(発表予定は明日)
 
 


6/10のIKAROS
太陽距離: 1.06AU
地球距離: 117713734km, 赤経=8.3°, 赤緯=-0.5°
金星距離: 1.30AU(194163729km)
姿勢:スピンレート=0.8rpm, 太陽角=6.6deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.06AU
Earth Distance: 117713734km, RA=8.3deg, Dec=-0.5deg
Venus Distance: 1.30AU(194163729km)
Attitude: Spin Rate=0.8rpm, Sun Angle=6.6deg




今日(6月10日)は何の日?

 ・金星探査機「ベガ1号」が風船を使用して金星を探査(1985年/旧ソ連)
   詳細はこちら↓↓↓
    http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/vega.html

 ・IKAROSセイルの展張後確認、及び薄膜太陽電池による発電を確認できた日(2010年)
   詳細はこちら↓↓↓
    http://www.jaxa.jp/press/2010/06/20100611_ikaros_j.html

 ・歩行者天国の日:銀座から上野までの5.5kmで日本初の歩行者天国が実施
   されたことから(1973年)

 ・時の記念日:日本初の時計が鐘を打った日として1920年に制定

Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日(6/9(木))の運用では、HKデータ取得と状態確認、
残り時間でデータレコーダ再生を行いました。

今週はほとんどのメンバが沖縄に行っているため、運用は少人数で粛々と行っています。
前回のISTSは2年前につくばで行われ、
会場は筑波宇宙センターから自転車で数分で行ける距離で、
いつもと変わらぬ風景…でもあったのですが、
前々回は3年前に浜松で行われ、発表会場のほかに割と大きめの展示も行っていて、
市内の小中学生も多く来場していたように思います。
定番かも知れませんが、鰻料理も満喫しました。
今回は沖縄名物もたくさんありますので、いろいろと堪能できるかも知れませんね。
沖縄の現地報告も楽しみにしましょう。

そう言えば、Ikarosでは相模原から種子島の射場に運搬してくださった方を
週初めにキャンパス内でお見かけしたのですが、
つい先日まで、はやぶさの模型やカプセル実機を運びに沖縄まで行かれていたとのこと。
今週はISTS会場で展示されているとのことです。
沖縄県内のJAXAの施設としては名護の近くの恩納村に沖縄宇宙通信所があり、
以前、夏に地元の「うんなまつり」で講演に行ったことを思い出しましたが、
お近くの方は宜野湾まで是非足を運んでご覧になってください。
昨日はソユーズの打上げがありましたが、
10年前に落下したミールの予備機を間近に見ると、
かなり詳細多岐にわたっていることが見て取れたこともありましたので、
直接見ることにより、文字で読むよりも伝わるものがあるかも知れません。
Ikaros膜も相模原で展示されていますね。次回の運用は明日(6/10(金))の予定です。(H2)


6/9のIKAROS
太陽距離: 1.07AU
地球距離: 118161198km, 赤経=7.4°, 赤緯=-0.8°
金星距離: 1.29AU(193104590km)
姿勢:スピンレート=0.9rpm, 太陽角=6.9deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.07AU
Earth Distance: 118161198km, RA=7.4deg, Dec=-0.8deg
Venus Distance: 1.29AU(193104590km)
Attitude: Spin Rate=0.9rpm, Sun Angle=6.9deg

Category: Operation
Posted by: IKAROS
 6/8の運用は、健康状態の確認とスピンアップ確認、データレコーダに蓄積
されたデータ再生、その他昨日に引き続き一部の機器の動作確認を行いました。

 IKAROSは、本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。

 次回の運用予定は明日(6/9)です。

 古川宇宙飛行士は無事宇宙に旅立ちましたね。
 実は私、宇宙開発に携わって長い時間をすごしていますが、ロケットの打上げを
生で見たことがありません。見るのはいつも射場(ロケットの打上げをする場所)から
送られてくるリアルタイムの映像のみです。

 開発・製造/試験が終了した後、探査機等の運用担当をメインに仕事をする人達
にとっては、打ちあがってからが大事な作業の目白押しとなります。
 このため、私も「休みを取って種子島で生の打上げを見る」ということは夢の
また夢な感じです。
 たぶん定年退職とかで職場を離れることにならない限りは無理なのでしょうね。

 これも宇宙開発における特徴の一つ(当然IKAROSメンバーは、自分達の探査機の
打上げを生で見ることはできませんでした)だと思っています。

( KY )


P.S.

 最近、周囲に「痩せた?」と言われることが多々あります。そんな時は、このように
言う事にしています。

 「更に引き締まった体を手に入れただけです!!」

 
 今週いっぱい連載を続ける予定でしたが、明日は「ネタ探しの旅に出る」ため
blogは他のお留守番な担当者にまかせることにしました。
 私の書く内容を一番楽しみにしてくださっている皆様。大変申し訳ありません。
 いえ。自意識過剰気味でした。重ねて大変申し訳ありません。

 


6/8のIKAROS
太陽距離: 1.07AU
地球距離: 118611580km, 赤経=6.5°, 赤緯=-1.1°
金星距離: 1.28AU(192027991km)
姿勢:スピンレート=1.0rpm, 太陽角=7.1deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.07AU
Earth Distance: 118611580km, RA=6.5deg, Dec=-1.1deg
Venus Distance: 1.28AU(192027991km)
Attitude: Spin Rate=1.0rpm, Sun Angle=7.1deg




今日(6月8日)は何の日?

 ・「日本書紀」による日本最古の「月食」記録(643年)

 ・成層圏発見の日:フランスの気象学者ティスラン・ド・ポールにより発見(1902年)


Category: Operation
Posted by: IKAROS

 6/7の運用は、健康状態の確認と再生レンジング、薄膜太陽電池計測、その他
一部の機器の動作確認を行いました。

 IKAROSは、本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。

 次回の運用予定は明日(6/8)です。

 今週から「宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)」のため、メンバー
のほとんどが沖縄に出掛けています。お留守番組は、その間も貴重な運用時間を
無駄にしないよう作業を継続しています。(必要な時にはネットを利用した音声
会議も行いつつ・・・)


 今日は、「地球から遠いところにいる探査機の運用」の特徴の一つである、再生
レンジングについて解説してみます。

 まずレンジングというのは、地上局から探査機までの距離を測定することで、
探査機が今どこにいるのか、これからどこに向かって動こうとしているのかを
調べるための重要な要素の一つです。
 この距離を測定するためには、、地上局から測距信号と呼ばれる特定の信号を
載せた電波を発射し、探査機まで行ってブーメランのように折り返されて帰って
くる電波を地上で受信するまでの時間を調べます。電波の進む速さはわかって
いるので、この往復の時間を調べることにより探査機までの距離がわかるのです。

 しかし、測距信号を載せた電波は探査機に届くまでにどんどん弱くなり、品質も
劣化してきます。そして、劣化した品質のまま探査機からの電波に載せられ、
折り返された測距信号の品質は、地上局に届くときには更に品質が劣化して
しまいます。
 地球に近い探査機の場合には、これでも十分なんです。探査機や地上局に届く
電波自体が強いので、少々劣化しても十分に測距信号を捕えられます。
 しかし、距離が遠くなればなるほど、探査機や地上局に届く電波自体が弱く
なるので、測距信号が捕え辛くなります。

 そこで登場したのが再生レンジングという方式です。

 再生レンジングは、地上局から届いた電波に載っている測距信号を探査機が一度
再生して綺麗な形の測距信号に直してあげます。そして直した測距信号を再び
地上局向けの電波に載せるのです。この方法のおかげで測距信号の品質劣化は片道分
だけですむのです。


 イカロス君で例えてみましょう。遠いところにいるイカロス君の距離を
まず従来のレンジングで測ってみましょう。

 (1) 臼田さん:「おーい!! ぽぽぽぽーん♪ やぁっほぉー♪」

    ↓↓イカロス君に届くころには
      「おーい!! ほほほほーん♪ あぁっおぉー♪」

 ② イカロス君:あっ。「おーい!!」っていうレンジングの信号がきたぞ。
         聞こえた通りにそのまま折り返そう♪
          「おーい!! ほほほほーん♪ あぁっおぉー♪」

    ↓↓臼田さんに届くころには
      「・・い!! ほ・・ほー・♪ あ・・・ぉー・」

 (3) 臼田さん:イカロス君は何て言ってんだ?健康状態を知らせてきているのか?
       あーーーっ。しかし遅すぎる!!俺の出した測距信号はいつ返って
       くるんだーーーーっ!!(イラッ)


となってしまうわけです。
 では、再生レンジングで測ってみましょう。

 (1) 臼田さん:「おーい!! ぽぽぽぽーん♪ やぁっほぉー♪」

    ↓↓イカロス君に届くころには
      「おーい!! ほほほほーん♪ あぁっおぉー♪」

 ② イカロス君:あっ。「おーい!!」っていうレンジングの信号がきたぞ。
         一回メモに書き写してっと♪ちょっと聞き取り辛かったけど、
         これは測距信号だね!!じゃぁ、言い方直してっと♪
          「おーい!! ぽぽぽぽーん♪ やぁっほぉー♪」

    ↓↓臼田さんに届くころには
      「おーい!! ほほほほーん♪ あぁっおぉー♪」

 (3) 臼田さん:少し聞き取り辛かったけど、確かに測距信号がきたぞ!!
       かかった時間から計算すると・・・。1億1千906万km!!
       いえぇぇぇぇい!!ぽぽぽぽーん!!(どや顔)


うまく測れましたね♪


( KY )


P.S.

 T2さんは、運用作業終了後、沖縄に向かうために急いで空港に向かいました。
どうぞ、メンバーの皆さん「台風で飛行機が飛ばない!!」とか言わず、無事に早く
帰ってきてくださいね。。。

(その間のBlogは、私が好き勝手書いておきます。コマンドはちゃんと正しいのを
送ります →→→ イカロス君)

 Blogをご覧の皆様、本日も長い文章にお付き合い頂きありがとうございます。


 古川宇宙飛行士が乗るソユーズ宇宙船の打上げ(予定日時:6月8日午前5時12分)
ライブ中継はこちら↓↓↓

 http://iss.jaxa.jp/iss/jaxa_exp/furukawa/library/live/

 


6/7のIKAROS
太陽距離: 1.07AU
地球距離: 119064606km, 赤経=5.6°, 赤緯=-1.4°
金星距離: 1.28AU(190934120km)
姿勢:スピンレート=0.8rpm, 太陽角=7.5deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.07AU
Earth Distance: 119064606km, RA=5.6deg, Dec=-1.4deg
Venus Distance: 1.28AU(190934120km)
Attitude: Spin Rate=0.8rpm, Sun Angle=7.5deg




今日(6月7日)は何の日?

 ・光衛星通信間通信実験衛星「きらり」とドイツ航空宇宙センターの光地上局との
  間で、レーザ光による光通信実験が成功(2006年)

 ・ロシア原子力潜水艦から弾道ミサイルでドイツの実験モジュールを打上げ
  (1995年/ドイツ)

 ・母親大会記念日:第1回母親大会(1955年)が東京で開催されたことを記念。







Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日も,お馴染みになった,再生レンジング,HK取得,データレコードの再生を行いました.
最近,お馴染みばかりの運用でイカロス君もマンネリ気味なのでしょうか,
何か違うことをやりたくてうずうずしてるようですね.

その理由の一つかどうか知りませんが,IKAROSは先月28日にスピンアップしたのを最後に
まるまる1週間,推進系のスラスタ噴射を行っていません.

IKAROSは現在,風車効果によってスピンレートが自然に下がる傾向にあります.
スピンレートが落ちると,スピンの遠心力に対し相対的に太陽光圧が強くなるため,
膜が大きくたわんでしまう恐れがあります.
このため,推進系スラスタを使ってスピンアップする必要があります.

5/28のブログでRさんが説明されているように,
IKAROSにはスピンレートがある設定値を下回ると,
自動的にスピンアップ制御する監視機能が組み込まれています.
この「ある設定値」を,先週の運用にてこれまでよりも低く変更しました.
このため,これまでなら自動的にスピンアップしてるはずの日を越えて,
スラスタ噴射しない状態が続いているのです.

そしてこの設定変更により,IKAROSは昨年5月に打ち上げられて以来,
最も低いスピンレートの状態になろうとしています.
IKAROSはずっと,1rpm(1分間で1回転)以上のスピンレートを保ってきました.※
しかしついに,今週末から来週はじめにかけてこれを下回る見込みです.

この未知の領域でいったい何が起こるのか,予想はすれど世界で誰も知りません.
特に膜が大きくたわむと,風車効果の傾向が変わり
急激にスピンレートが下がる可能性もあります.
Rさんが説明されていたスピンレートを「常時」監視する機能の追加,というのは,
このような現象が起こってもちゃんとスピンレートを維持するための,万全を期した対策です.
この機能のおかげで,少しずつ,未知の領域に冒険することができるのです.

次回の運用は6月7日(火)の予定です.
どんな状態で可視を迎えるのか楽しみです.(Y2)

※この記録,Yさんに「本当?」とか疑われて自信がなくなったので,
念のため過去のデータを丹念に調べているうちに,
意識が遠のいて椅子で気持ち良く寝てしまいました.
ブログ更新最遅記録なんて事態にならないよう,
自動的に起こしてくれる居眠り監視機能が欲しいですね.


6/4のIKAROS
太陽距離: 1.07AU
地球距離: 120436739km, 赤経=2.885°, 赤緯=-2.370°
金星距離: 1.25AU(187550863km)
姿勢:スピンレート=1.0rpm, 太陽角=8deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.07AU
Earth Distance: 120436739km, RA=2.885deg, Dec=-2.370deg
Venus Distance: 1.25AU(187550863km)
Attitude: Spin Rate=1.0rpm, Sun Angle=8deg
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日も,お馴染みになった,再生レンジング,HK取得
データレコードの再生を行いました.
また,今後の運用に向け,データを整理しておりました.

昨晩は,IKAROS打上1周年の祝賀会がありました.
IKAROSの開発にご尽力いただいたメーカーの方々,大学の研究者の方々等
非常にたくさんの方にご参加いただき,賑やかな会となりました.
IKAROSが非常にたくさんの方に支えられていることを再認識しました.
この場を借りて,関係者の皆々さまにお礼申し上げます.
また,いつもIKAROSを応援して下さっている皆様.
皆様のおかげで,IKAROSも無事1周年をお祝いすることが出来ました.
ありがとうございます.

祝賀会は非常に良かったのですが,個人的には,この運用があるため
お酒を飲めなかったのが残念です.
飲酒運用して変なコマンドを打ったりしたらイカロス君びっくりしちゃいますので.
本日の運用担当ではないメンバ(特にYさんとかRさんとか)には祝賀会中何度も
「あれ,飲めないの?(ニヤニヤ)」
などとわざとらしく聞かれ,泣く泣くウーロン茶を飲んでおりました.
少しだけ健康体に近づいたはずです.
そういえば,健康診断もそろそろと思いますので,今年は
中性脂肪が消えていることを願っています.
運動しないとだめですかね.(T2)


6/3のIKAROS
太陽距離: 1.07AU
地球距離: 120897520km, 赤経=2.0°, 赤緯=-2.7°
金星距離: 1.25AU(186389917km)
姿勢:スピンレート=1.1rpm, 太陽角=8.3deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.07AU
Earth Distance: 120897520km, RA=2.0deg, Dec=-2.7deg
Venus Distance: 1.25AU(186389917km)
Attitude: Spin Rate=1.1rpm, Sun Angle=8.3deg


Category: Operation
Posted by: IKAROS
 本日の運用はお馴染みになった,再生レンジング,HK取得
データレコードの再生でした.地球との距離が徐々に近く
なっているせいもあってか,通信レートは遅いですが安定
して通信できています.IKAROSも相変わらず元気です.

 さて...ちょうど一年前の今日,2010年6月2日ですね
セイルの展開を開始した日になります.いろいろなところで説明
していますが,セイルの一次展開は11のシーケンスに分割して
実施しました.
 この11のシーケンスに分割するのはちょっとだけ頭を悩まし
ましたのを思い出します.展開機構には,万が一,モータエンコーダ
(回転角度を計測するセンサ)が壊れた場合でも展開できるように,
3箇所スイッチをつけていました.
 このスイッチは
   1.一次展開を開始した直後
   2.一次展開のちょうど中間
   3.一次展開終了角度の少し先の位置
     (このスイッチ以上回したらアウト)
 の3箇所につけました.一次展開は機構がおよそ1.6周するので,
1.と2.のスイッチは2回反応することになります.もちろん,
モータもエンコーダが壊れても無理やり回せるようになっていました.
 このスイッチの位置,1シーケンスにかかる時間,モニタカメラで
確認できるかどうか?状態確認のためにデータを降ろす時間があるか
どうか?モロモロのことを考え結果,11シーケンス分割という形に
にうまく納まりました.
 6月2日は,その中でシーケンスの#1と#2を実施し,展開というよりは
モータの機能確認,スイッチの機能確認など一次展開前の準備運動と
いった感じでしたね.展開機構を初めて動かしたので,緊張したことを
懐かしく思い出します(H)

PS.今日はIKAROS祝賀会が開かれます.
関係者の皆様,応援し続けて下さった皆様,
1年間本当にありがとうございました.この場を借りて感謝致します.
イカロス君にせがまれて,一周年記念のカードとチョコを
作りましたので会場で配ってこようと思います.
残念!イカロス君には届けられないですね...


6/2のIKAROS
太陽距離: 1.07AU
地球距離: 120897520km, 赤経=2.7°, 赤緯=-2.7°
金星距離: 1.25AU(186389917km)
姿勢:スピンレート=1.2rpm, 太陽角=8.3deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.07AU
Earth Distance: 120897520km, RA=2.7deg, Dec=-2.7deg
Venus Distance: 1.25AU(186389917km)
Attitude: Spin Rate=1.2rpm, Sun Angle=8.3deg


Category: Operation
Posted by: IKAROS
 6/1の運用は、健康状態の確認と再生レンジング、データレコーダにたまっている
GAPのデータ再生を行いました。

 IKAROSは、本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。


 今日は以前のblogでもふれたことがありますが、「地球から遠いところにいる
探査機の特殊な運用」の特徴の一つについて少し解説します。

 地球から遠いところにいる探査機に指令を送ると、その結果が確認できるまでには
とにかく時間がかかります。
 今日の運用の場合だと、電波の往復時間約15分と、一通りのデータがそろって表示
されるのに15分。最低でも30分以上かかります。
 少ない運用時間のなかで、一つ一つ確認しながらいろいろな事をやろうとした場合、
少しのやりとりしかできなくなってしまいます。

 そこで、このような時には「探査機の動きを予想しながら、先に指令をどんどん
送ってしまって、結果は時間差で(少し時間をおいて)後から順序よく確認していく」
という方法をとります。


 つまり、地球から近い場合や、一つ一つ確認しながらの運用が必要な場合には、
イカロス君で例えると

 (1) イカロス君、「にやっ♪」と笑いながら「どや顔」をする。

 ②「イカロス君!! 笑ってないでお話し始めなさい!!」と指令を送る。

 (3) イカロス君、まじめな顔でお話し始める。そして「寒い!!寒すぎる!!
   温めてちょぉ~~~っ!!」と叫ぶ。

 ④「お尻の水タンクにヒータ入れて、湯たんぽにしてあげるね」と指令を送る。

 (5) イカロス君、「暖かくなってきた♪ありがとう♪」とお礼を言う。



となるところが、地球から遠い場合には、

 (1) イカロス君、「にやっ♪」と笑いながら「どや顔」をする。

 ②「イカロス君!! 笑ってないでお話し始めなさい!!」と指令を送る。

 ③「どや顔」だけど顔が青ざめてるし、寒いんだろうなぁ。温めてあげるときっと、
  「ありがとう♪」って言うよ♪ 俺たちはわかってるんだ。イカロス君が今どんな
  気持ちで、どんな事を考えているか。そしてこれからどんな風に考えることに
  なるかを。だから言われる前に指令を送ってあげる♪
  ということで、「お尻の水タンクにヒータ入れて、湯たんぽにしてあげるね」
  と指令を送る。

(そして、30分後・・・)

 (4) イカロス君、まじめな顔でお話し始める。そして「寒い!!寒すぎる!!
   温めてちょぉ~~~っ!!」と叫ぶ。

 ⑤ おっ♪話し始めたね。そしてやっぱり叫んだね♪

 (6) イカロス君、「暖かくなってきた♪ありがとう♪」とお礼を言う。

 ⑦ おっ♪ほらっ俺たちの考えていた通り「ありがとう♪」って言ってくれた。



と、指令に対するIKAROSの動きを想定しながら、先に指令を送っていき、時間を
おいて結果を確認していく作業が常となるのが、「地球から遠いところにいる
探査機の特殊な運用」の特徴の一つです。
 

( KY )


P.S.

 ところで、本日午後3時35分(日本時間)にNASAのスペースシャトル「エンデバー」が、
最後の飛行を終えてアメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターに帰還しました。
 「エンデバー」はこれで退役し、整備後、ロサンゼルスのカリフォルニア科学センター
に展示されるそうです。

 「はやぶさ」カプセルも無事地球に帰還し、長い間展示されながら皆様の記憶に残って
いくことでしょう。

 IKAROSは自力で地球帰還を果たすことはできませんが、いつの日かもっと科学技術が
進んで地球から遠い宇宙の中でも回収作業ができる技術や宇宙船建造が当たり前に
なった頃、ぜひ回収して地球に戻してあげたいものです。
(イカロス君は、「もっと宇宙にいたいよぉ」って駄々っ子するかもしれませんが)


 そして展示 ⇒ 皆様の記憶に長い間残っていく・・・。いいですねぇ。妄想だけは膨らみ
ますねぇ。。。

 






6/1のIKAROS
太陽距離: 1.07AU
地球距離: 121822502km, 赤経=0.2°, 赤緯=-3.3°
金星距離: 1.23AU(184019528km)
姿勢:スピンレート=1.3rpm, 太陽角=8.4deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.07AU
Earth Distance: 121822502km, RA=0.2deg, Dec=-3.3deg
Venus Distance: 1.23AU(184019528km)
Attitude: Spin Rate=1.3rpm, Sun Angle=8.4deg




今日(6月1日)は何の日?

 ・星出彰彦宇宙飛行士搭乗スペースシャトル「ディスカバリー号」
 (STS-124/1Jミッション)打上げ(2008年)

 ・筑波宇宙センター開設(1972年)

 ・「ソユーズ9号」が史上初の有人夜間打上げ(1970年/旧ソ連)

 ・電波の日:1950年6月1日に電波三法(電波法/放送法/電波監理委員会設置法)
      が施行されたことを記念して、1951年に制定。

 ・気象記念日:1875年6月1日に東京気象台(現:気象庁)が気象観測を始めた
      ことを記念して、東京気象台が1884年に制定。

 ・鮎釣解禁日