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第40号 1997年2月14日発行

目次


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小原さんの転出

 PLAINセンターの小原隆博助手が2月1日付けで、郵政省通信総合研究所・平磯宇宙環境センターの宇宙環境研究室長としてご栄転になりました。小原さんは東北大学大学院で理学博士の学位を得た後、1986年10月1日に宇宙科学資料解析センター(当時)の助手として着任され、PLAINセンターの発足と同時にその所属となりました。彼自身が本センターニュース(第38号;1996年12月号)で述べているように、当初から一貫して「あけぼの」衛星とともに歩んでこられました。体の大きさに似合わず几帳面な性格と誠実な人柄でもって着実に仕事をこなされ、また、文才と編集能力に長けており、ISASニュースや本センターニュースでも貴重な貢献をしてきました。研究面では私自身と非常に近い関係にあり、「あけぼの」を中心にいろいろと助けて頂き感謝しています。これからは「宇宙天気予報」の観点から地球周辺の宇宙環境の研究を続けていかれる予定で、「あけぼの」、「ようこう」、「GEOTAIL」など、宇宙研および PLAINセンターとのかかわりは続くものと思います。この小原さんの転任を機会に今後、通総研との研究協力がますます深まることを期待しています。
(向井 利典)


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学術情報ネットワークの現状

1. ATM による学術情報ネットワークの高度化

   学術情報ネットワークでは、1994年から米国 FORE Systems 社の ATM ( ASX100 / 100SC ) を使用して ATM の運用を開始していた。この装置は、パケット交換とインターネット ( SINET ) を同時に運用するネットワークの伝送回線の多重化を ATM とすることで、伝送帯域の変更や、ネットワーク障害に当たり論理回線の再構成を容易とするために、有効に活用している。

   しかし、1995年度から始まった ATM-LAN の大学への導入により、製造者が異なる ATM を各所で運用することになり、ATM の相互運用性が重要となった。学術情報センターでは、通信事業者が提供する公衆 ATM の仕様を持つ ATM 装置を新たに追加設置し、高度な ATM 間インタフェースの提供、大学の研究装置間の ATM による直接接続、ATM によるマルチキャスト通信の実現等を総合的に可能とすることとなった。導入した装置は、NTT が開発した NS8000 システム(新ノードと呼ばれることがある)であり、これに別途開発したネットワーク統合運用管理システムを伴うものである。

2. ATM の導入が与える効果と今後の展望

 米国では、研究ネットワークは研究に直接関連するトラヒックを伝送し、電子メールや WWW のトラヒック ( Commodity Traffic ) は商用インターネット網に流すとする機能の分離を検討している。日本でも同様の整理は必要であり、学術情報ネットワークの資源を有効に活用するために、基幹的な研究分野を中心として、全国共同利用機関、大型計算機センターの高速コンピューティング資源、大学研究者のワークステーション等を直接接続する通信形態の上で行う「研究のための通信」を重視していくことが求められよう。今回のATM は、学内/機関内の ATM 端末を相互接続するために必要な機能を備えたものであり、研究分野で必要となる高速通信を実現する一歩であり、また、従来のインターネット以上に研究設備間の通信容量を設定し保証することができるものである。

 現在、欧州の基幹的研究ネットワークである EuropaNet も TEN-34 と呼ぶ ATM によるネットワークへの移行を計画しており、また NASA を中心とする NSI ( NASA Science Internet ) や米国エネルギー省が支援する ESNet ( Energy Science Network ) でも ATM が既に利用されている。この状況から、当面は ATM による国際高速研究ネットワークの実現が話題となることは確実であり、日本でも宇宙科学の諸先生等と議論を進め、従来以上の国内・外を一貫した協調体制を築いていくことが必要と認識している。
(学術情報センター 浅野 正一郎)


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大型計算機共同利用研究公募のお知らせ

 宇宙科学研究所 PLAIN センターでは、全国共同利用研究の一貫として、本研究所が行っている飛翔体(科学衛星、ロケット、大気球)による宇宙理学及び宇宙工学の研究と密接に関連する次の二分野で共同研究課題の公募を行います。

(1)宇宙科学観測の総合解析に関する共同研究
(2)数値シュミレーションに関する共同研究

本研究所で利用できる計算機として、MSP システムの GS8400/20(汎用スカラー計算機)と UNIX システムの VPP500(7並列ベクトル計算機)、VX(高速ベクトル計算機)、 DECalpha(高速スカラー計算機)があります。また、各大学の大型計算機センターを利用することも出来ます。平成9年度共同利用応募の締め切りは、3月17日(月)で、応募書類は各大学の事務室あてに送ってあります。尚、本公募に対するお問い合わせは、宇宙科学研究所研究協力課共同利用係(内線2234)までお願いいたします。
(星野 真弘)


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大型計算機に関するお知らせ

I.課題更新手続きについて

 現在利用されている課題の有効期限は、3月31日迄となっておりますので、次年度も引き続き利用される課題の更新手続きは、3月18日(火)迄にお願いします。課題申請用紙は2月28日(金)にお送りします。      

II.大型計算機年度末処理について

 毎年行われている年度末処理を今年は、3月30日(日)、31日(月)に予定しておりますのでよろしくお願いします。

 詳細スケジュール、内容については3月号でお知らせします。

III.N1ネットの運用終了について

 近年インターネットの普及により、N1ネットの利用者も少なくなってきましたので、将来計画についての検討の結果、本年3月末日をもってN1ネットの運用を終了しますのでお知らせします。    

IV.2月・3月の計算機保守作業予定 

 2月・3月の保守作業及び年度末処理を下記の通り予定しております。

M:システムメンテナン ス

*1 M−V型ロケットの延期に伴い2月の定期保守を3月に変更した。
(関口 豊)


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
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